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倫理・利益相反委員会受付番号No.1790

「膝関節正面立位X線撮影角度の基礎的検討(倫理・利益相反委員会受付番号No.1790)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

国立長寿医療研究センター放射線診療部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2024年3月21日

1.研究課題名

「膝関節正面立位X線撮影角度の基礎的検討」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1790)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 放射線診療部 北野翔馬

3.研究分担者名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 放射線診療部 安部俊、堀川良太、清水裕也、鈴木友博

4.本研究の意義、目的

近年、運動機能が低下するロコモティブシンドロームが社会問題になっています。その中でも変形性膝関節症(膝OA)は代表的な疾患であり、症状が進行すると人工膝関節置換術を行うことになります。人工膝関節置換術を行った後も、経過観察が大切となります。膝OAの診断および人工膝関節置換術後の経過観察などでは、膝関節立位X線撮影が大切となっています。膝OAの重症度判定にはKL分類が存在し、膝関節正面立位X線撮影画像を用いた関節裂隙の狭小化(いわゆる膝関節軟骨の減少)の評価が知られています。上記の評価を行うためには、立位肢位にて膝関節の正面性および関節面を接線に描出することが求められます。しかしながら膝関節を構成する脛骨には後傾角が存在しており、膝関節面を接線に描写するためには、膝の軽度屈曲またはX線の接線入射もしくはその両方にて調整をする必要があります。本研究では、荷重のかかっている状態の膝関節側面立位X線画像にて膝関節面が接線となる角度を測定することにより、膝関節正面立位X線撮影時の参考となる角度情報を得ることを目的とします(図1、図2) 。この角度を求めることにより、より少ない回数での撮影が可能となり、結果的に被ばく等の負担軽減につながると考えています。

図1

図1.下腿骨を基準とした計測位置

(1)脛骨上端から伸ばした線(実線)と下腿中央付近で脛骨前面皮膚面を伸ばした線(点線)のなす角度(画像上α°)を、90°から減算した角度(90-α)を脛骨後傾角とします。

図2

図2.床面を基準とした計測位置

(2)脛骨上端から伸ばした線(実線)と床面(細かい点線)と平行な線(点線)とがなす角(β)を、立位状態の脛骨後傾角とします

5.本研究に使用する情報

  • 膝関節側面立位X線画像
  • 撮影年月日
  • 現病歴、既往歴(膝OAと診断されているかどうか)
  • 年齢
  • 性別

上記情報は、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から利用予定です。

6.本研究の方法

当センターで撮影された膝関節側面立位X線画像を計測することにより、X線撮影時に参考となる角度を求めます。

7.研究期間

2024年3月21日 ~ 2026年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

今回の研究で対象となる方は、2022年4月1日から2023年12月31日の間に膝関節側面立位X線撮影を受けた、膝OA患者さんです。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報・検査画像の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益ならびに危険性は想定されません。個人が特定される情報が公開されることもありません。
直接の利益はありませんが、将来的にはX線撮影技術の向上につながる可能性があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に利用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表、論文投稿等にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

この研究では、診療情報(電子カルテ)および検査画像より、上記5.の情報を抽出して使用いたします。抽出データは、患者IDとは別の研究用IDに変換して保管します。対象者の方からの申し出によるデータの削除等の対応のため、患者ID、氏名と研究用IDとの対応表を作成し、抽出データと対応表はそれぞれ別々の人間が別々の場所で保管します。
また、研究成果は学会や論文等で発表されますが、集団として解析した結果を使用するため、個人を特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータおよび解析値を記録したデータは、患者IDを研究用IDに変換して、記憶媒体にて保管します。また、共同研究者による病名判定および研究辞退時の対応のため、患者IDと研究IDとの対応表を作成し、保存媒体を施錠保管いたします。外部記憶媒体は、それぞれ別々の施錠できる場所で保管し、鍵は研究担当者および対応表保管者が放射線診療部内の別々の場所で管理します。
研究に用いたデータは、保管期間満了後速やかにメモリーからの削除および保存媒体の破壊、紙媒体はシュレッダー裁断にてデータを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

研究に使用する資金は、国立長寿医療研究センターより放射線診療部に配分された治験協力費を使用します。
本研究にかかわる研究者には、開示すべき利益相反に関する事項はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。担当者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 放射線診療部 診療放射線技師 北野翔馬

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)