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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1753

倫理・利益相反委員会受付番号No.1753

「中高年者における就労と健康との関連についての日台比較研究:NILS-LSAとTLSAデータを用いて(倫理・利益相反委員会受付番号No.1753)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年11月17日

1.研究課題名

「中高年者における就労と健康との関連についての日台比較研究:NILS-LSAとTLSAデータを用いて」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1753)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2-1.研究代表者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長 西田裕紀子

2-2.研究機関の名称および研究責任者の氏名

  • 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長 西田裕紀子
  • 台湾 臺中榮民總醫院 家庭醫學部 家庭醫學科 主任 朱為民

3.研究分担者名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
    • 部長 大塚礼
    • 研究員 張姝
    • 特任研究員 久保田彩

4.本研究の意義、目的

就労の有無や就労状況は中高年期の心身の健康を考える上で、重要な要因の1つであると考えられます。東アジア諸国の中で、日本と台湾はともに高齢化率が高い国ですが、高齢者が働くことに対する考え方をはじめ、就労を取り巻く社会や文化的背景は異なり、実際の中高年者の就業率や就く職種にも差異があります。このように就労に対する考え方や就業状況が異なる日本と台湾の2カ国において、就労が心身の健康に及ぼす影響について比較検討することにより、これまでの研究結果の再現性の確認が可能となるとともに、新たな示唆を得ることができると考えられます。そこで、本研究では日本のNILS-LSA(「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging : NILS-LSA)」)と台湾のTLSA(「台湾加齢に関する縦断的研究(Taiwan Longitudinal Study on Aging : TLSA)」)の長期縦断調査データを用いて、中高年期の就労が身体面と心理面の健康に及ぼす影響について検討することを目的とします。
中高年期の就労の利点や非就労の弊害などが明らかになることは、個人が中高年期の過ごし方を考える上で有益になるとともに、中高年者の失業予防や政策指導に資するエビデンスを提供することができると考えられます。

5.本研究に使用する情報

NILS-LSA(日本)

  • 身体的健康(フレイル指標(体重、握力、疲労感、歩行速度、身体活動量の5項目を用いて算出)、主観的健康度、ADL)
  • 心理的健康(抑うつ、人生満足度)
  • 就労状況、職種
  • 年齢、性別、教育歴、婚姻状況、収入に対する満足度、現病歴・既往歴(高脂血症、糖尿病、脂質異常症、虚血性心疾患、脳卒中)、生活習慣(喫煙、アルコール摂取)、身体活動、社会参加

TLSA(台湾)

  • 身体的健康(フレイル指標(体重、握力、疲労感、歩行速度、身体活動量の5項目を用いて算出)、主観的健康度、ADL)
  • 心理的健康(抑うつ、人生満足度)
  • 就労状況、職種
  • 年齢、性別、教育歴、婚姻状況、収入に対する満足度、現病歴・既往歴(高脂血症、糖尿病、脂質異常症、虚血性心疾患、脳卒中)、生活習慣(喫煙、アルコール摂取)、身体活動、社会参加

本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
上記の情報については、倫理・利益相反委員会承認後から、利用・提供開始予定です。

6.本研究の方法

本研究では、愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第1次調査から第7次調査(1997年~2012年)のいずれかに参加した50歳以上の男女のデータ、および、台湾衛生福利部健康促進局が保有する「台湾加齢に関する縦断的研究(TLSA)」の第3次調査から第8次調査(1996年~2005年)のいずれかに参加した50歳以上の男女のデータを使用します。日台両国の状況について統計的に比較し検討することを目的としてNILS-LSAとTLSAのデータを結合し、中高年期の就労が身体面と心理面の健康に及ぼす影響について、日本と台湾の比較を行います。

7.研究期間

2023年11月17日 ~ 2026年8月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA

第1次調査(1997年~2000年)から第7次調査(2010年~2012年)のいずれかに参加した50歳以上の男女のうち、解析に必要なデータに欠損のある方を除いた、約3,100名を対象とします。

TLSA

第3次調査(1996年)から第8次調査(2005年)のいずれかに参加した50歳以上の男女のうち、解析に必要なデータに欠損のある方を除いた、約5,130名を対象とします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAおよびTLSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
TLSAの情報は、台湾衛生福利部から氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で提供を受け、保管・解析いたします。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

外国への情報提供について

解析に先立ち、国立長寿医療研究センターの研究責任者から、台湾の臺中榮民總醫院の研究責任者に、本研究で使用する匿名化されたNILS-LSAの情報を提供します。
台湾では個人情報保護法(Personal Data Protection Act)が制定されており、本研究を実施する研究者には同法が適用されます。その規程に基づき、研究責任者は研究対象者の個人情報保護の措置を講じます(台湾の個人情報保護法の内容は、台湾の法務省のデータベース「Laws & Regulations Database of The Republic of China (Taiwan)」で確認することが可能です)。提供するデータは氏名など個人を特定できる情報を除いた状態であり、個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で、試料は用いません。本研究で利用する全てのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。TLSAの情報についても同様であり、外部からのアクセスが不可能な、臺中榮民總醫院内のパスワード管理されたサーバー内で保管されます。解析に先立ち、国立長寿医療研究センターの研究責任者から、臺中榮民總醫院の研究責任者に、本研究で使用する匿名化された情報を提供し、臺中榮民總醫院内のパスワード管理されたサーバー内で、NILS-LSAとTLSAのデータの結合を行います。NILS-LSA/TLSA結合データは、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内および外部からのアクセスが不可能な、臺中榮民總醫院内のパスワード管理されたサーバー内にて保管します。
研究期間終了時には、臺中榮民總醫院内に保管した情報、解析結果、解析プログラムは国立長寿医療研究センターに移管し、臺中榮民總醫院内に保管した全ての情報は、研究期間終了時に破棄します。本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータ、NILS-LSA/TLSA結合データおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAの全ての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

 長期縦断疫学調査センター

 老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)