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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1752

倫理・利益相反委員会受付番号No.1752

「リアルワールドデータを用いた高齢者に対する医療・介護サービスにおける政策介入及び臨床介入の効果推定(倫理・利益相反委員会受付番号No.1752)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター医療経済研究部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療や医療及び介護サービスで得られる情報(レセプト情報等)で構成される厚生労働省の特定レセプト情報・健診等情報データベース(NDB)や、介護保険総合データベース(介護DB)、民間のレセプトデータベースのデータを取得し、分析することによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 ​本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

 2023年10月4日

1.研究課題名

「リアルワールドデータを用いた高齢者に対する医療・介護サービスにおける政策介入及び臨床介入の効果推定」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1752)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター医療経済研究部 大寺祥佑

3.研究分担者名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター医療経済研究部 藤澤岬、髙士直己

4.本研究の意義、目的

これまで医学の世界では、治療効果を検証するための方法としてランダム化比較試験(RCT)が標準的方法と考えられてきました。しかし、RCTにはいくつかの限界が指摘されています(例. 結果をより幅広い集団に適応できない、稀な疾患を対象にできない、全国に一斉導入される政策等を対象にできない等)。これらの限界はリアルワールドデータを活用することで乗り越えられる可能性があり、稀な疾患、新規の治療方法、全国に一斉導入される政策や診療ガイドラインの改定などに関する効果の推定が期待できます。この研究の目的は、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)などのリアルワールドデータを用いて、高齢社会対策に関する政策介入の効果、及び高齢者に関する診療ガイドラインの導入などの臨床介入に関する効果について推定を行うことです。

5.本研究に使用する情報

NDB及び介護DB、民間レセプトデータベースの匿名データ

上記の情報については、2023年11月1日から、使用予定です。

6.本研究の方法

本研究では以下の3つテーマに関する分析を行います。

1.診療報酬及び介護報酬の改定による高齢者に対する医療介護サービスの提供実態及び健康アウトカム、費用の変化

2018年度診療報酬改定及び介護報酬改定では、地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進、自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現などの、新しい政策方針が打ち出されました。しかしこれらの政策介入の効果について、十分な検証が行われていません。そこで我々はリアルワールドデータを活用し、これを明らかにし、将来の診療報酬・介護報酬同時改定などの政策立案に向けた示唆を得ることを目指します。

2.高齢者に対する診療ガイドラインの導入による臨床実態、健康アウトカム、費用の変化

科学的根拠に基づく医療及び介護への関心とともに、「高齢者のがん薬物療法ガイドライン(日本臨床腫瘍学会、2019)」、「高齢者在宅医療・介護サービスガイドライン2019(日本老年医学会、日本在宅医学会、国立長寿医療研究センター)」、「高齢者高血圧診療ガイドライン2017(日本老年医学会)」、「フレイル高齢者・認知機能低下高齢者の下部尿路機能障害に対する診療ガイドライン2021(国立長寿医療研究センター)」など、高齢者に関連する診療ガイドラインの作成や改訂が、近年活発に行われるようになっています。一方で、作成及び改訂したガイドラインの臨床現場での活用、実践は今後の課題です。しかし実際の医療介護サービスや患者のアウトカムに対するガイドラインの作成や改訂の効果については、十分な検証が行われていません。そこで我々はリアルワールドデータを活用し、これを明らかにし、今後のガイドライン作成や改訂に向けた示唆を得ることを目指します。

3.リアルワールドデータを用いた解析方法

テーマ1.及び2.の検討を行うにあたり、対象集団や測定項目の同定方法に関するバリデーション、医療介護サービスの実態やアウトカムのばらつきに関する定量的な示し方、介入効果の推定などの、解析方法に関する新たな課題が発見される可能性があります。このような課題が見つかった場合にはNDB、介護DB、あるいは民間のレセプトデータベースなども活用して、方法論に関する検討を行います。

7.研究期間

2023年10月4日 ~ 2026年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

2016年度から2020年度の間に医療保険及び介護保険を利用した高齢者(65歳以上)

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

この研究では、研究対象者に生じる並びに予測されるリスクおよび利益は想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

本研究では、研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することは想定されません。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開とします。研究結果の公開については、学会発表・論文投稿・ホームページ掲載などにて行う予定です。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

この研究で利用する匿名データ(NDB及び介護DBデータ)は、法令(高齢者の医療の確保に関する法律 第16条から第17条の2、及び介護保険法第118の2から11)に基づき、厚生労働省専門委員会による承諾を経て、同省から提供を受けるものであり、提供を受ける前に匿名化されています。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

提供を受けたデータは国立長寿医療研究センター第3研究棟1階のデータセンターのサーバで、保存します。保存方法、提供依頼申出、成果物の公表、データ利用終了の手続き等は「匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報の提供に関するガイドライン」および「匿名介護情報等の提供に関するガイドライン」等に準拠します。
データおよび中間生成物は論理的に破壊し、関連ガイドラインに定められた方法で厚生労働省へデータ利用の終了を報告します。データ処理に用いたプログラムは研究終了時点から10年間、施錠可能な場所に保管します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

この研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を主な研究費として実施します。本研究は倫理・利益相反委員会においてマネジメントを経ており、研究遂行にあたって、研究の結果および結果の解釈に影響を及ぼすような「起こりえる利益相反」は存在しません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先まで御連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 老年学・社会科学研究センター 医療経済研究部

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)