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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1721

倫理・利益相反委員会受付番号No.1721

「NILS-LSA対象者における日本食パターンと腎機能に関する縦断研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1721)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年6月23日

1.研究課題名

「NILS-LSA対象者における日本食パターンと腎機能に関する縦断研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1721)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 研究員 張 姝

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚 礼
  • 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長 西田 裕紀子 
  • 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 研究員 丹下 智香子

4.本研究の意義、目的

慢性腎臓病(CKD)は世界で12番目に多い死因です。日本では、腎不全(そのうち約8割がCKD)が死因の第8位となっています。1980年代以降、CKDの発症率はすべての年齢層で増加しており、この増加は特に「西洋式」と呼ばれる食事の影響が大きいと考えられています。西洋式食事はエネルギー密度が高く、果物や野菜の摂取量が少なく、動物性タンパク質や加工食品が多く含まれていることが多いです。一方、日本食は魚介類、野菜、果物の摂取量が多く、低エネルギーであり、塩分摂取量が多いという特徴があります。魚介類、野菜、果物の摂取と低エネルギーであることはCKDの予防に繋がりますが、塩分量の多さはCKDの発症の危険性を高めると考えられています。そのため、日本食がCKDの発症に与える影響は複雑であり、その機序を研究する価値があると考えられます。ただし、日本食が腎機能に及ぼす影響に関する縦断研究の報告はほとんどありません。本研究では、以下の2つについて検討します。

  • 日本食パターンと腎機能は関連しているのか?
  • 日本食パターンのどの構成要素(食品群)が腎機能の低下リスク抑制と関連しているのか?

この研究の結果により、腎機能の低下を予防するための食事パターンおよび日本食の構成要素が明らかになることが期待されます。

5.本研究に使用する試料・情報

本研究では、次の情報を使用します。
血中尿酸、クレアチニン、eGFR(第1次〜第7次調査)。
食品群別摂取量(第1次〜第7次調査):具体的な食品のグループごとの摂取量を調査します。食品群の分類は「国民健康・栄養調査食品群別表(平成23年国民健康・栄養調査)」に基づいています。日本食パターンの定義:「日本食インデックススコア」と呼ばれる方法を使用して、日本食の特徴的なパターンを定義します。
その他の情報:性別、年齢、体格指数、既往歴・現病歴(腎臓病・心疾患・脳卒中・高血圧・脂質異常症・糖尿病・がん)、生活習慣(喫煙・飲酒・身体活動量)、心理社会的要因(抑うつ[CES-D]・就業状況・教育歴・婚姻状況・世帯収入)、エネルギー摂取量、服薬(サイアザイド系降圧利尿薬、ループ利尿薬、気管支拡張剤、抗腫瘍薬、代謝拮抗剤、痛風治療剤)。

本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。

6.本研究の方法

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの層化無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次から第7次調査(1997年~2012年)のいずれかに参加した40歳以上の男女を解析対象者とし、食事データから日本食パターンの遵守度を評価する日本食インデックススコアの算出を行い、日本食パターンと腎機能に関連する指標(血液バイオマーカーの血中尿酸・クレアチニン・eGFRを使用)との関連を明らかにします。

7.研究期間

2023年6月23日~2025年9月30日

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第1次調査(1977年~2000年)から第7次調査(2010年~2012年)のいずれかに研究参加同意された40歳以上の男女のうち、食事と腎機能(血液検査)に関するデータが揃った方、約3,500名を対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。本研究で利用する全てのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAの全ての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費と日本学術振興会学術研究助成基金助成金(若手研究)を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
 長期縦断疫学調査センター
 老化疫学研究部長 大塚 礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)(平日9時~15時)