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倫理・利益相反委員会受付番号No.1694-2

「薬剤関連褥瘡の実態解明に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1694-2)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター薬剤部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2024年2月7日

1.研究課題名

「薬剤関連褥瘡の実態解明に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1694-2)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 薬剤部 薬物治療管理主任 溝神文博
  • 東京医科大学病院薬剤部 主査 関根祐介
  • 東京医科大学八王子医療センター薬剤部 薬剤員 鳥海未奈
  • JCHO熊本総合病院薬剤部 主任薬剤師 大岡建太郎
  • 福岡大学筑紫病院薬剤部 薬剤師 中島章雄
  • 医療法人扶恵会釧路中央病院薬剤科 薬剤科長 福田健吾
  • 特定医療法人生仁会須田病院薬剤部 薬剤師 定岡摩利
  • 岩室リハビリテーション病院薬剤科 薬剤師 石井裕美
  • 西吾妻福祉病院薬剤室 主任管理薬剤師 門脇寛篤
  • 大阪府済生会茨木病院薬剤科 薬剤師 飯倉可奈子
  • 協和会千里中央病院薬剤科 薬剤師 藤本詩奈子
  • 上越地域医療センター病院薬剤科 薬局長 宮川哲也
  • 名古屋医療センター薬剤部 薬剤師 山内貴子
  • ロイヤルこころの里病院薬剤科 薬剤師 白石佳子
  • 島根県立中央病院薬剤局 薬剤師 尾﨑俊幸
  • 聖隷横浜病院薬剤部 薬剤師 建部宏子
  • 深谷赤十字病院薬剤部 医薬品情報課長 富施哲也
  • 奈良県総合医療センター薬剤部 薬剤部長 生島繁樹
  • 医療法人社団萌仁会荻野病院薬局 薬剤師 東辻宗一郎
  • 大阪医科薬科大学病院薬剤部 薬剤師 倉地果純

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 副院長 磯貝善蔵
  • 先端医療開発推進センター 臨床研究支援部 臨床研究教育研修室長 木ノ下智康

JCHO熊本総合病院薬剤部

  • 薬剤師 岩崎友里

4.本研究の意義、目的

令和4年度診療報酬改定にて褥瘡対策の見直しが行われ、褥瘡対策の診療計画における薬学的管理として、褥瘡の発生リスクに影響を与える可能性がある薬剤の使用の有無に関する確認項目が追加されました。しかしながら、すべての入院患者の確認は現実的には難しく、必要性が高い患者に対するスクリーニングが必要であると考えられておりますが、ハイリスク患者が具体的に明らかとなっておらず、実態解明が必要であります。また、本改訂の問題点としては、褥瘡の発生リスクに影響を与える可能性がある薬剤の使用の有無と記載があるにも関わらず、褥瘡発生に影響を与える薬剤と褥瘡治療に影響を与える薬剤が混同しております。また、褥瘡発生に影響を与える薬剤として、精神神経用剤の記載がないなどの問題点が多く上げられます。
この診療報酬の元になった概念は、薬剤誘発性褥瘡という概念であります。薬物投与に起因した外力によって発症した褥瘡を指します。薬剤誘発性褥瘡は薬物有害事象の可能性を疑わないかぎり発見することが困難であり、日本褥瘡学会研究助成において、日本褥瘡学会会員にアンケートを実施した結果、75%の日本褥瘡学会会員が薬剤誘発性褥瘡を経験しており、潜在的な患者数が非常に多いことが明らかとなりました。さらに、薬剤の追加ではなく、レボドパ製剤などの薬剤を服薬できない服薬アドヒアランスの低下により、可動性が低下し褥瘡発生に至る症例を薬剤離脱関連褥瘡として報告しました。そこで、薬剤誘発性褥瘡と薬剤離脱関連褥瘡を合わせた新たな概念として、「薬剤関連褥瘡」として提唱しました。このように薬剤が関連して発生する褥瘡は、医療従事者が認識していないだけで潜在的に多いことが予想されます。
そこで本研究は、薬剤が関連した褥瘡である「薬剤関連褥瘡」の1.リスクの高い患者、2.褥瘡発生に影響を与える薬剤を解明することを目的とします。そして、薬剤関連褥瘡の予防策を講じるための基礎資料とし、診療報酬への情報提供へとつなげる予定であります。

5.本研究に使用する情報

患者基本情報

褥瘡発生時の年齢、性別、併存疾患、急性疾患(感染症、脳卒中、虚血性心疾患、骨折)の有無、認知症の有無

薬剤情報

褥瘡発症直前の服用薬剤情報(薬剤名、薬剤が開始1ヶ月以内であるか否か、薬剤の減量、増量が1ヶ月以内に行われたか否か、飲み忘れがあるか否か)

褥瘡情報

褥瘡の発生部位、褥瘡発生時の場所(入院、自宅、介護施設、その他)、褥瘡発生時のDESIGN-R2020®の情報、褥瘡危険因子評価(日常生活自立度[J1、J2、A1、A2、B1、B2、C1、C2]、基本的動作能力[ベット上の自力体位変換ができる・できない][椅子上の坐位姿勢の保持、除圧できる・できない]、病的骨突出あり・なし、関節拘縮あり・なし、栄養状態の低下あり・なし、皮膚湿潤[多汗、尿失禁、便失禁]あり・なし、皮膚の脆弱性[浮腫]あり・なし、皮膚の脆弱性[スキンテアの保有・既往]あり・なし)、薬剤関連褥瘡の可能性(なし、低、高)

6.本研究の方法

本研究では、各研究実施施設から褥瘡症例を登録し、患者情報を収集します。そして、薬剤師が薬剤関連褥瘡と判断した症例とそれ以外の褥瘡(脳梗塞や肺炎といった急激なADLの低下により発生した褥瘡など)を2群に分け、薬剤を中心に背景因子の検討を行います。薬剤関連褥瘡の鑑別アルゴリズムの作成につなげる予定です。

7.研究期間

研究期間:2023年4月10日 ~ 2025年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

国立長寿医療研究センター、大阪府済生会茨木病院、一般社団法人 新潟県労働衛生医学協会 岩室リハビリテーション病院、大阪医科薬科大学病院、医療法人扶恵会 釧路中央病院、JCHO熊本総合病院、島根県立中央病院、上越地域医療センター病院、特定医療法人生仁会 須田病院、社会福祉法人 聖隷福祉事業団 聖隷横浜病院、医療法人協和会 千里中央病院、東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センター、独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター、地方独立行政法人 奈良県立病院機構 奈良県総合医療センター、公益社団法人 地域医療振興協会 西吾妻福祉病院、日本赤十字社 深谷赤十字病院、福岡大学筑紫病院、医療法人啓仁会 ロイヤルこころの里病院、医療法人社団萌仁会 荻野病院に入院した患者さんのうち、以下の条件を満たす患者さんが対象となります。
調査対象期間中に各施設に入院した患者さんのうち、入院時に褥瘡がある患者さん。もしくは、入院期間中に新規に褥瘡が発生した患者さんで、薬剤師の関与の有無は問いません。
ただし、15歳以下の患者さん、すべての服用薬剤情報が正しく得られない患者さん、および、各施設における研究責任者又は研究分担者が研究対象として適さないと判断した患者さんのうち、いずれかに該当した場合は研究対象者から外しております。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益ならびに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載・学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)と置き換えた符号・番号との対応表は、研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。当センターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。患者情報はすべて各登録施設内で匿名化され、当センターに送付される臨床情報にはすべて匿名化された収集データのみを記載し、個人を同定できる情報は記載されません。解析を行う際には収集データのみを参照し、解析を担当する者が個人を同定できる情報を取り扱うことはありません。抽出したデータ、匿名化されたデータについては各施設の薬剤部にて、識別コードと患者を連結する対応表は、各施設の研究責任者が管理し、研究に関係しない第三者が施錠保管します。
情報提供の記録は研究計画書をもって代用とし、研究終了報告後10年経過したのち紙媒体はシュレッダーで、USB等の電子媒体は物理的に廃棄します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究は日本褥瘡学会研究助成、長寿医療研究開発費を用いて実施しますので、本研究による内外の利益団体は存在しません。また、本研究遂行による研究機関・研究者個人の利益はありません。なお本研究において特許などの知的財産権が生じた際には、研究者と研究機関がその知的財産権を持つこととします。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載されているお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 薬剤部 薬物治療管理主任 溝神文博

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)