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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1688

倫理・利益相反委員会受付番号No.1688

「高齢者運動器疾患における血液学的老化の評価(倫理・利益相反委員会受付番号No.1688)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター整形外科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年3月16日

1.研究課題名

「高齢者運動器疾患における血液学的老化の評価」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1688)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター整形外科部 部長 酒井 義人

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター整形外科部

  • 関節科医長 渡邉 剛
  • 整形外科医長 若尾 典充
  • 脊椎外科医長 松井 寛樹
  • 脊椎外科医師 長田 直祥

4.本研究の意義、目的

整形外科では加齢に伴う老化が運動器に影響を及ぼすと考えており、このたびこの老化が高齢者の整形外科的な病気の治療といかに関係しているかについて研究を行っています。その過程で高齢者の血球成分において赤血球の大小不同が高齢者のADLに関連していることを見出し、骨粗鬆症性椎体骨折後の歩行能力と関連すること、高齢者の慢性腰痛罹患との関連などについての研究成果を論文として報告してきました。加齢に伴い血球成分の容積に不同が生じることは赤血球ではRDW(red cell distribution width;赤血球のサイズの不均一性を示す指標)、血小板ではPDW(platelet distribution width;血小板のサイズの不均一性を示す指標)として知られており、臨床的に比較的容易に検査が可能で、通常の採血をすると結果が出てきます。このような現象は炎症による血球の産生や循環内半減期の変化を反映するため,近年さまざまな急性期疾患・慢性疾患の予後因子として注目されています。この研究の目的は、加齢に伴う血液学的老化が高齢者の運動機能の回復と関係するのか調べるもので、最終的にはこのRDWやPDWがいかなる臨床的条件のもとその閾値としての効力を発揮するか解析を行うことです。

5.本研究に使用する情報

主要評価項目

  • 血液生化学所見:RDW、PDW、MCV、MPV(治療前および治療後1年)

副次的評価項目

  • 登録時基本情報:生年月日、性別、身長、体重、各疾患の発症時年齢、治療法(手術の場合術式、保存治療の場合使用薬剤)、糖尿病および脳心疾患の有無、血液生化学データ(Hb、WBC、リンパ球数、CPK、Alb、GLU、HbA1C、Ca、T-cho、Cre、eGFR)
  • 既往歴:骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、悪性腫瘍、血液内科疾患
  • ADL評価: JOAスコア、Barthel index、介護度
  • 画像評価:DXA法による骨密度、骨格筋量および脂肪量

6.本研究の方法

以下に掲げる運動器疾患の治療を国立長寿医療研究センター整形外科で行った65歳以上の患者さんで、下記疾患の治療開始後1年以上経過した方が研究対象となります。2015年3月~2025年3月の間に下記疾患治療を行った方が対象となります。

<対象運動器疾患>

  • 頚髄症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 慢性腰痛症
  • 変形性膝関節症
  • 変形性股関節症
  • 骨粗鬆症性椎体骨折
  • 大腿骨近位部骨折

上記5.に記した医療情報と治療前と治療1年後に行った血液検査でデータを電子カルテから収集し統計解析を行います。ただし、研究に適さない疾患を有していると医師が判断した者は除外されます。

7.研究期間

2023年3月16日 ~ 2026年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

上記6.に示した運動器疾患の治療を国立長寿医療研究センター整形外科で行った65歳以上の患者さんで1年以上経過観察された方が研究対象となります。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表および論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。
抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータおよび対応表については整形外科部にて、保存媒体を保管いたします。保管期間満了後は速やかに保存されているコンピューター上から消去することによりデータを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究は国立長寿医療研究センター長寿医療研究開発費を資金源としています。また本研究に係る利益相反および研究者の収益はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関する御本人および家族関係者からの相談は随時対応いたします。研究に対するお問い合わせがございましたら下記のお問い合わせ先まで御連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
整形外科部 部長 酒井 義人

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)