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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1681

倫理・利益相反委員会受付番号No.1681

「入院高齢患者の残根歯の形態別・表面性状別のプラーク付着率(倫理・利益相反委員会受付番号No.1681)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター歯科口腔外科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

 2023年3月2日

1.研究課題名

「入院高齢患者の残根歯の形態別・表面性状別のプラーク付着率」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1681)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 歯科口腔外科部 歯科衛生士 中野 有生
  • 徳島大学大学院医歯薬学研究部 口腔保健学講座 口腔機能管理学分野 教授 松山 美和

3.研究分担者名(部署名)

なし

4.本研究の意義、目的

入院高齢患者さんの口腔ケアを行う際に、歯の2/3以上が崩壊し根のみとなった残根歯に頻繁に遭遇します。残根歯の多くは抜歯の適応となりますが、全身状態が不良であったり、全身疾患がある場合は抜歯を行うことが出来ず放置されています。しかしながら、残根歯の表面は粗造であるため歯垢が停滞しやすく、その結果、口腔内細菌が増殖することで口腔環境が悪化し、誤嚥性肺炎の原因になる恐れがあります。このことから、残根歯へ適切な処理が施されることが望ましいと考えますが、残根歯に関する調査研究が非常に少なく、患者さんの残根歯の実態が把握できていません。そこで本研究では、残根歯の形態別・表面性状別の歯垢付着率を明らかにすることを目的とし、研究を実施することとしました。

5.本研究に使用する情報

国立長寿医療研究センターに2018年1月1日~2022年9月30日に入院し、主治医より歯科口腔外科へ口腔ケア依頼があった65歳以上の患者の口腔ケア初診時に撮影した口腔内写真を使用します。

6.本研究の方法

以下の評価項目は2018年1月1日~2022年9月30日の口腔ケア初診時の口腔内写真をもとに、歯科衛生士1名が評価を実施します。

残根歯の形態評価:歯肉縁上 水平 歯肉縁下 お椀型

残根歯の形態を評価する。評価内容は残根歯表面が歯肉辺縁より縁上、水平または縁下であるか、残根歯表面が中心に向かってくぼんでいるか、である。

  • 縁上型:残根歯表面が歯肉辺縁より縁上にあるもの
  • 水平型:残根歯表面が歯肉辺縁と水平なもの
  • 縁下型:残根歯表面が歯肉辺縁より縁下にあるもの
  • お椀型:残根歯表面が残根歯中心に向かってくぼんでいるもの

残根歯表面の状態評価:粗造 滑沢

残根歯の表面性状を凹凸の有無にて評価する。

  • 粗造:残根歯表面に歯質やポストによる明らかな隆起やくぼみが有り、表面に高低があるもの
  • 滑沢:明らかな隆起やくぼみがなく平らであるもの

残根歯のプラーク付着率評価

残根歯に付着している歯垢を算出します。写真から画像処理ソフト(Corel PaintShop Pro X5)を用いて歯垢の範囲を選択して画像処理を行い、その後、画像処理ソフト(ImageJ、 NIH)を用いて歯垢付着部位のピクセル数を測定することで画像評価を実施し、残根表面上の歯垢付着率を算出します。歯垢の判定基準は、画像上で残根歯表面に存在する明らかな非石灰性で乳白色の付着物とします。

7.研究期間

2023年3月2日 ~ 2025年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

当センターの歯科口腔外科外来に2018年1月1日~2022年9月30日に入院し、主治医より歯科口腔外科へ口腔ケア依頼があった、65歳以上の患者さんとします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下記に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、患者さんのご家族からの申し出も認められます。情報の削除依頼をしたことにより、ご本人様およびご家族が不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表および論文投稿にて行う予定でおります。 

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。
抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
抽出した、性別,、年齢、現病歴、残根歯画像、残根歯のプラーク付着率のデータは、個人を特定可能な情報を削除して管理用IDを付与した状態で、徳島大学大学院の松山(研究責任者)へ提供されます。なお、対応表は国立長寿医療研究センターで保管され,徳島大学大学院とは共有しません。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、当該論文等の発表後10年間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータについては歯科口腔外科部にて、対応表については本件に携わらない第三者が保管いたします。保管期間満了後は速やかに対応表・匿名データを裁断処理やハードディスクの破壊処理を行うことによりデータを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

この研究を行う上で研究費は使用しません。また、研究機関および研究者への利益相反もありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら下記のお問い合わせ先まで御連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 歯科口腔外科部 歯科衛生士 中野 有生

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)