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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1632

倫理・利益相反委員会受付番号No.1632

「高齢者機能評価ツール、運動機能評価を用いた高齢者がん化学療法に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1632)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター血液内科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年4月3日

1.研究課題名

「高齢者機能評価ツール、運動機能評価を用いた高齢者がん化学療法に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1632)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 血液内科部 部長 勝見 章

3.研究分担者名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 血液内科部 医師 小原 史也

4.本研究の意義、目的

【背景】

高齢者は、がん自体あるいはがんの治療によって骨・関節・筋肉・などの運動器障害により移動機能が低下することが報告されています。また、がんの診断、治療に伴う認知機能障害に関する報告が近年増加しつつあります。高齢のがん患者さんは多様性に富むことから、暦年齢以外の何らかの尺度を用いて層別化し治療方針を検討することが必要とされ、層別化には高齢者機能評価(Geriatric Assessment; GA)ツールが開発・提唱されています。

【目的】

GAツールと運動機能評価により患者さんの脆弱性を評価し、血液がんの治療前の背景因子によって治療後の身体機能低下の予測することが目的です。高齢血液がん患者さんに対して、化学療法前後のGAツール、サルコペニア評価、運動機能評価、老化指標マーカー候補の定量値と、抗がん剤のグレード3-4の有害事象、感染症等の合併症、在院日数、生存率との関連性を調査します。

【意義】

患者さんの背景因子情報であるGAツールと運動機能評価と組み合わせることで高齢者血液がんの治療に関する新しいエビデンス創出が期待されます。

5.本研究に使用する情報

  • 登録時基本情報:生年月日、性別、身長、体重、発症時年齢、使用中薬剤、喫煙歴、教育歴、performance status、血液および生化学データ
  • 既往歴:骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、心疾患、高脂血症、悪性腫瘍
  • 臨床情報:抗がん剤のgrade 3-4の有害事象、感染症等の合併症、在院日数、生存の有無
  • GAツール:G8(Geriatric 8)、ADL、IADL(Instrumental activities of daily Living)、CCI(Charlson Comorbidity index)、MINI-COG、MMSE、MNA(Mini Nutritional Assessment)、GDS(Geriatric Depression Scale)、EQ5D、居住状況、CRASH score、Clinical Frailty Scale、EPCRCによるがん悪液質のステージ分類
  • サルコペニア評価:骨格筋量、歩行速度、握力
  • 保険適応内のリハビリテーションによる運動機能評価
  • バイオバンク登録を別途行っている場合にはジェノタイピングアレイという遺伝子型を調べた情報を活用し、遺伝子多型と抗がん剤のgrade3-4の有害事象との関連を調査します。

6.本研究の方法

当センターで2016年4月1日から2026年3月31日の間に化学療法を受けた65歳以上の高齢血液がん患者を対象とします。治療開始時、治療後に取得した上記の5.の臨床情報を使用します。一定以上の重い有害事象の発現、身体機能、認知機能、筋肉量の測定値を抽出し、それらの低下を予測しうる化学療法前の因子を検討します。予定症例数は当科の診療規模から200例とします。

7.研究期間

2023年4月3日 ~ 2026年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

高齢がん患者さんは多様性に富むことから、暦年齢以外の何らかの尺度を用いて治療方針を検討することが必要とされています。血液がんにおいてGAツールと運動機能評価を併用して脆弱性を評価し、治療前の背景因子によって治療後の身体機能の低下が予測できるかという目的のために、当センターで2016年4月1日から2026年3月31日の間に化学療法を受けた65歳以上の高齢血液がん患者さんが研究対象者として選ばれました。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータについては血液内科部にて、対応表については国立長寿医療研究センター内の本研究に直接関わらない者が研究期間終了後も10年間保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は本研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究は国立長寿医療研究センター所属の研究者による研究であり、長寿医療研究開発費と日本学術振興会科学研究費補助金を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下記に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 血液内科部 部長 勝見 章

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)