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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1098-4

倫理・利益相反委員会受付番号No.1098-4

「Motoric Cognitive Risk syndromeの生物学的基盤:多施設研究―The biological underpinnings of Motoric Cognitive Risk syndrome: a multi-center study―(倫理・利益相反委員会受付番号No.1098-4)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター(以下、当センター)予防老年学研究部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 当センター予防老年学研究部ならびにバイオバンクから分与された試料・情報を用いて、解析を行うものです。このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究利用を行うため、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「お問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

 2023年9月25日

1.研究課題名

「Motoric Cognitive Risk syndromeの生物学的基盤:多施設研究 The biological underpinnings of Motoric Cognitive Risk syndrome: a multi-center study」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1098-4)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名

  • Albert Einstein College of Medicine(Joe Verghese)
  • 国立長寿医療研究センター(島田裕之)
  • Monash University (Srikanth V)
  • University of Tasmania (Callisaya M)
  • McGill University (Beauchet O)
  • Angers University Hospital (Annweiler C)
  • National Institute for Mental Health and Neurosciences (Mathuranath PS)

3.研究分担者名

国立長寿医療研究センター 予防老年学研究部

土井剛彦、李相侖、堤本広大、牧野圭太郎、原田健次、冨田浩輝、崎本史生、松田総一郎

他機関所属  Albert Einstein College of Medicine 

Lipton RB, Barzilai N, Holtzer R

4.本研究の意義、目的

Motoric Cognitive Risk syndrome(MCR)は、主観的認知機能低下の訴えが存在することと歩行速度低下の重なりと定義され、アルツハイマー病及び脳血管性認知症の両方を発症するリスクを予測するとされています。Mild Cognitive Impairment (MCI)も同様に認知症の前駆段階として捉えられていますが、MCRは複雑な認知機能検査や評価を必要としないため、その臨床的有用性が着目されています。しかし、MCRの生物学的および病理学的特徴は未だ確立されていません。そのため、8 コホート(Central Control of Mobility in Aging; Einstein Aging Study; Lon Genity; Quebec Longitudinal Study on Nutrition and Aging, Gait and Alzheimer Interactions Tracking, Kerala-Einstein study; National Center for Geriatrics and Gerontology-Study of Geriatric Syndromes; Tasmanian Study of Cognition and Gait)においてコンソーシアムを構築し約10,800名を対象として、MCRの臨床表現型、血液検査データ、および脳画像データによりMCRの生物学的および病理学的特徴を明らかにすることを目的とし、MCIとの差異をあわせて検討します。当センターからは、約4,000名のデータを提供します。

5.本研究に使用する情報

当センターにより構築された、National Center for Geriatrics and Gerontology-Study of Geriatric Syndromesの既存試料・データベース、血液試料・データ、MRIデータをコンソーシアムに提供します。当センターにかかるデータは、すでに倫理・利益相反委員会にて承認されている以下の課題にて得られたものになります。

倫理・利益相反委員会における課題名(受付番号)

  • 地域在住高齢者の包括的機能健診および縦断的な心身機能変化に関する研究(791)
  • 認知症予防のためのポピュレーション・アプローチのシステム構築と効果検証(861)
  • 認知症予防のための高齢者機能健診システムの構築と縦断的な機能変化(770)
  • 地域在住高齢者の包括的機能健診および認知症発症・新規要介護発生に関する研究(1067)
  • 先進的自立支援機器を用いた介護予防の効果検証(523)
  • 高齢者機能健診および認知症・要介護リスクに関する縦断研究(1249)
  • 高齢者の身体・知的・社会活動参加による脳萎縮と認知症発症に関する縦断疫学研究(1284)
  • 既存コホートデータを用いた地域在住高齢者における健康寿命関連要因の解析(1440)
  • 地域在住高齢者における機能変化の検討(1522)

6.本研究の方法

上記「5.本研究に使用する情報」に該当する試料・情報を用いて、以下の解析・検討を実施します。
バイオマーカーとして血液データを用いてCRP、IL-6、MDAを測定し、炎症系、酸化ストレス系に関わる遺伝子解析を行います。MRIデータの解析としては、脳容量解析、白質病変ならびに白質繊維に関する解析を実施します。これらの解析により得られたデータをコンソーシアムに提供し、MCRとMCIにおける差異ならびにMCRの生物学的および病理学的特徴を明らかにします。

7.研究期間

2017年12月15日 ~ 2026年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

National Center for Geriatrics and Gerontology-Study of Geriatric Syndromesに登録があり、本研究の解析が実施できる試料・データのある60歳以上の高齢者から、4,000名を抽出します。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

当センターに収集されている既存の試料・情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。遺伝子解析の結果については開示しませんが、遺伝カウンセリングの求めがあったときには、適切な施設をご紹介する予定です。なお、遺伝子解析にかかる費用は研究費から支出されるため、皆様にご負担いただくことはありません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の試料・情報が、本課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問合せ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

この研究では、上記「5.本研究に使用する情報」に記載の情報を使用し、匿名化されたうえでコンソーシアム内の研究者に提供されます。他機関の研究者に提供されたデータについて、どなたのものであるかが分かる対応表は予防老年学研究部のみが保有しており、他機関の研究者に提示されることはありません。また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも個人を特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で取り扱う試料・情報について、個人情報と切り離して当センター予防老年学研究部にて管理されます。途中で同意を撤回されたなどの理由で登録された情報の消去を希望される場合は、遠慮なく申し出てください。当センターに保管された情報は、すべて消去いたします。ただし、学会発表や論文作成、データベース公開等、外部発表のための情報確定後に同意撤回を意思表示なさった場合は、個人が特定される情報は消去できますが、研究データからは消去できないことがあります。研究終了後に本研究より得られた情報を廃棄する予定はございませんが、もし廃棄する必要がある場合には、後述の方法で消去いたします。廃棄する場合の最小限の保管期間は、研究結果の最終の公表について報告した日から10年を経過した日とします。データの消去については、紙で記録されたデータについては、シュレッダーで処理して廃棄いたします。データを消去する場合、紙以外の記録メディアで記録されたデータ(電子データ)に関しては、それぞれの記録メディア上から消去いたします。試料を廃棄する場合も、個人が特定される情報が含まれていないことを確認して廃棄します。

15.外国への試料・情報提供について

本研究は、コンソーシアム内にてデータを使用し、他機関への情報提供方法や試料・情報の扱いについては、研究代表者Joe Vergheseが所属するAlbert Einstein College of Medicineにおいて倫理審査を受けた計画書に則り、「14)試料・情報の保管および廃棄の方法」に記載のとおり扱います。コンソーシアムに参画する機関は、Monash University, Australia; University of Tasmania, Australia; McGill University, Canada; Angers University Hospital, France; National Institute for Mental Health and Neurosciences, Indiaがあげられます。

16.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

この研究は、NIH(R56 AG05754)(研究代表者:Joe Verghese)、科学研究費補助金・基盤B(18H03185)(研究代表者:土井剛彦)、長寿医療研究開発費(主任研究者:島田裕之)によって実施されます。それ以外に申告すべき利益相反情報はありませんし、本研究の計画・実施・報告において、研究の結果および結果の解釈に影響を及ぼすような「起こり得る利益の衝突」は適切に管理されますので、研究の実施が対象者の権利・利益を損ねることはございません。なお、本研究の結果に基づいて、特許等の知的所有権が生じた場合は、研究者あるいは研究機関がその知的所有権を持つことになります。

17.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究のことでわからないこと、不安なこと、もっと詳しく知りたいこと、伝えたいことなどがある場合には、下記のお問い合わせ先にご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 予防老年学研究部

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)