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GFOの食物繊維が変わりました。

長寿NSTニュースレターVol.42
2021年6月

GFO は消化管粘膜の機能維持を目的に開発されたグルタミン・ファイバー・オリゴ糖の混合粉末です。2021年5月にリニューアルし、食物繊維の質が改善されました。

図:リニューアルした GFO 

GFOの構成成分 

グルタミン(Glutamine)

アミノ酸の一種で、腸粘膜細胞および腸管のリンパ球細胞のエネルギー源として利用されるため、腸粘膜細胞の活性化を図ることが期待できます。

水溶性食物繊維(Fiber)

リニューアルにより、中発酵性の難消化性デキストリンからより発酵性の高いグアガム分解物(PHGG)になりました。PHGGは ESPENの経腸栄養ガイドラインで、経管栄養の下痢を改善する食物繊維として言及されています。(Lochs H, et al. Clin Nutr, 25:180–186, 2006) 

オリゴ糖(Oligosuccharide)

糖質の一種でビフィズス菌などの乳酸菌の基質となり、宿主に好ましい腸内細菌が増殖し、腸内細菌叢の改善が期待できます。GFO にはフラクトオリゴ糖が使用されています。

食物繊維の種類

食物繊維はヒトの消化管では消化しにくい炭水化物で、不溶性・水溶性で生理作用が異なります。

不溶性食物繊維

腸内で保水して膨らむ物理的な作用があり、便量を増やし、物理刺激により腸の蠕動運動を促進し、排便リズムを作るとされています。食品では、繊維のかたい野菜、きのこ、豆、穀類(玄米など)、海藻、甲殻類の殻に含まれています。

水溶性食物繊維

粘性が高くコレステロールや糖質の吸着をするほか、腸内細菌により発酵されて、短鎖脂肪酸を産生します。短鎖脂肪酸は腸粘膜細胞を活性化するとともに、腸内環境を酸性化して、乳酸菌などが増加し、腸内細菌叢の改善が期待できます。食品では果物や柔らかい野菜・昆布・豆などに含まれています。水溶性食物繊維は種類により発酵性が異なります。発酵性の高い繊維は、当院の製剤では、栄養管理室で提供する栄養剤のラクフィアに含まれているほか、サンファイバー粉末や新しい GFOでも利用することができます。 

表:水溶性食物繊維の発酵性と種類
発酵性(発酵分解率)  中発酵性(25~75%未満)  高発酵性(75%以上) 
成分の種類 難消化性デキストリン  グアガム分解物、ペクチン、イヌリン 
含まれる製品  旧 GFO、MA ラクフィア  新 GFO、サンファイバー、MA ラクフィア ハイネイーゲル、Ref-P1、イノラス

まとめ 

食物繊維により腸内環境の改善を図り、長期絶食後の経管栄養開始時に起こりやすい下痢の発生の抑制を期待できます。経管栄養の開始時や排便コントロールにお困りの際は新しくなったGFOやサンファイバーのご利用をご検討ください。