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嚥下調整食/高齢者の嚥下機能と食事介助

長寿NSTニュースレターVol.31
2017年8月

平成29年度第1回NST勉強会報告

 本年度第1回目のNST勉強会を平成29年6月29日に開催しましたので、その内容についてご報告致します。

1.NST依頼について(NST事務局)

 高齢者の栄養管理では、低栄養を早期発見し、早期介入する必要があります。このため、主治医からの依頼のみならず、患者さまに最も身近な看護師からもNST介入依頼ができるようになっています。病棟看護師が、NST介入依頼シートに、体重減少、誤嚥、食事摂取量の低下などの問題事項を記載し、NST事務局へ連絡して下さい。依頼は、NST事務局が主治医の承認を確認し、代行入力しています。

2.嚥下調整食について(服部管理栄養士)

 2013年に摂食嚥下リハビリテ―ション学会より発表された、嚥下機能の段階別ガイドラインに準じて、当院で提供されている下記の7段階の嚥下食が紹介されました。嚥下訓練食j(ゼリー)、嚥下訓練食t(とろみ)、嚥下調整食1はゼリー食、2aは粘度の高いとろみ食、嚥下調整食2bは中間のとろみ食、嚥下調整食2cは粘度の低いとろみ食、嚥下調整食3はゼリー+ミキサーとろみ食、嚥下調整食4はきざみ+とろみ食、となっています。

3.高齢者の嚥下機能と食事介助について(野本言語聴覚主任)

認知症の摂食嚥下障害の対応

 摂食嚥下のメカニズムと加齢による機能低下についての説明の後、認知症を伴う摂食嚥下障害への対応について解説されました。留意すべき重要点として、常に認知症の重症度とステージの特徴を考慮すること、CURE(治療)よりもCARE(援助)を視野に入れ、残存機能を生かした食事援助を行なうことが強調されました。例えば、アルツハイマー型認知症では「食べたことを忘れる」、「食器の使い方がわからない」というような症状が表れますが、進行すると全ての認知症の型において失行・失認が出現し、末期になると嚥下機能自体が障害され、誤嚥・窒息のリスクが高くなることが説明されました。最後に、認知症を伴う摂食嚥下障害の患者さまに、食事場面でよく見かける状況(食べ始めない、取りこぼしが多い、箸やスプーンをうまく使えない、むせる)を踏まえ、それぞれの対応方法を説明して頂きました。


 今回のNST勉強会の参加人数は61名でした。NST勉強会は、年に2回行っています。次回は、平成30年2月頃を予定していますので、是非ご参加ください。