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NST介入依頼シートをご活用ください

長寿NSTニュースレターVol.29
2016年12月

日頃よりNST活動にご協力していただきありがとうございます。前回のニュースレターVol.28にて、看護師からもNST介入依頼ができることを報告させていただきました。平成28年4月よりNST介入依頼シートの運用が開始され、12月までに12症例の介入依頼をいただきました。そこで、今回はNST介入依頼シートにて介入した症例を紹介させていただきます。

人が視界に入らない食環境の整備が奏功

89歳、女性、夫と2人暮らし、BMI13.8kg/m2、アルツハイマー型認知症。2ヶ月で約7kgの体重減少、食事やケアに対して拒否が強いため介入。食事中は注意力散漫。食事介助をすることにより食事拒否があり、嗜好に合わせて補食を提供しても必要量を確保できなかった。窓側にオーバテーブルを設置し、人が視界に入らないように遠くからスタッフが見守るようにして食事したところ摂取量安定。体重は退院時29.0kg、約1ヶ月で1kg増加した。看護師による食環境整備を行ったため改善を示した症例でした。

生まれ育った環境に注目

89歳、男性、妻と2人暮らし、BMI13.7kg/m2、バイクで転倒し胸椎圧迫骨折にて入院。入院前は堵好が激しいが普通食を摂取、ADL自立。入院中、肺炎を繰り返しており、嚥下機能低下、摂取量が十分に確保できず介入。本人の食意欲はあるが、嚥下調整食には抵抗あり。看護師やメデイカルソーシャルワーカーからの情報より、料亭を経営していた父の料理で育った背景に注目し、ST共同のもと嗜好と食形態に配慮しながらあいーとや補食を提供。あいーとに関しては8-10割を摂取。この症例より生活背景にも着目した介入が重要であることを、改めて実感しました。

“手でつかむ'’“食べたい時に食べる”を支援

85歳、女性、BMI16.5kg/m2、慢性心不全、認知症。食事を口から出したり、手で払いのけたりし、食事摂取量がすすまなく介入。手でつかめる食品の提供、車椅子の移乗など離床の促進、病棟での窓際にオーバーテーブルを配置するなど食環境整備などを実施。また、本人が食べたいときに摂取できるよう補食を提供。食事を吐き出してしまうことは依然あり、ばらつきはあるものの摂取量増加。約5割摂取可能となった。しかし、一時的改善が見られたが介入終了後、発熱あり嘔吐、意識レベル低下し死亡退院となった。

日々、患者様に寄り添う看獲スタッフの“力”は絶大です。体重減少がある、誤嚥のリスクがある、食事摂取量がすすまない、認知機能低下によって食事を目の前にしても食べないなど、補食・個人対応が必要な患者様がいらっしゃいましたら、ぜひNST介入依頼シートをご活用ください。また、必要に応じて栄養指導も実施させていただきます。ぜひ、一緒にNSTを盛り上げていきましょう。お待ちしております。