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第1回健康長寿と栄養の研修会 ~食を支える京の他職種・異業種連携~

長寿NSTニュースレターVol.26
2016年3月

今回のニュースレターでは、2016年2月22日に開催された「第一回健康長寿と栄養の研修会」の内容をご紹介します。講師には愛生会山科病院消化器外科部長荒金英樹先生をお招きし、「食を支える京の多職種、異業種連携」をテーマにご講演をいただきました。京都では食を支える地域作りを目的に様々な連携体制の構築に取り組んでおられ、医科歯科連携、多職種連携、京都府・滋賀県の食支援の三部に分けてご紹介頂きました。

医科歯科連携

山科口腔サポートセンター設立

設立のきっかけは、NST介入が必要となったある患者様。食欲不振・脱水で入院され意識レベル不良、ご本人とはコミュニケーションがとれず、ご家族は胃瘻に否定的であったことからどのように介入していくか模索中であった。NSTは何とか食べられないかとの視点から、歯がない点に着目した。愛生会山科病院には歯科が併設されていないため、京都府歯科医師会、歯科衛生士会が設立した京都府口腔サポートセンターと連携を図り義歯の調整をした。すると、食事が食べられるようになり無事に退院できたそうです。それを機に山科地区における病院、施設、在宅間で継続した歯科治療や口腔ケアを行うことができる体制<山科口腔サポートセンター>の設立につながることとなりました。

多職種連携

山科地域ケア愛ステーション設立

在宅医療の現場で専門職が必要になった際、相談事項をFAXにて送信すると、その内容が関連する職能団体へ転送され、介入できる仕組みを確立した。これにより、訪問管理栄養士や訪問薬剤師の人材確保にもつながることとなりました。

京都府・滋賀県の食支援

京滋摂食・燕下を考える会発足

本会では、施設間で異なる嚥下調整食の共通基準の作成、食事形態や栄養管理、口腔ケアや呼吸管理などの情報を共有する摂食・嚥下連絡票の作成に取り組んだ。運用については、京都府医師会、歯科医師会、栄養士会、言語聴覚士会、看護協会など関連職能団体へ働きかけを行い、京都府全体での推進・実現されています。また、連携は医療機関にとどまらず、京都の日本料亭や和菓子屋、老舗お茶屋と協働した嚥下食の作成や食器産業と協同した介護食器の開発など業種にとらわれない地域づくりを展開しています。

誰のための医療であるのかを考え、QOL維持・向上をするために医療スタッフにとどまらず、地域で共同する姿に感銘を受けました。また、「長く生きたいという希望 Science(医療)とよりよく生きたいという希望 Art(伝統・文化)を融合される」という先生のお言葉が印象に残っています。高齢化への対応に向けて、地域全体で取り組む姿勢を学ばせていただきました。