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栄養判定に用いる血液検査について

長寿NSTニュースレターVol.25
2015年12月

血液検査項目の追加

2016年1月より、NST介入患者において、より効果的な栄養評価を実践するため、血液検査項目を追加でオーダさせていただきます。オーダ入力につきましてはNST担当医師よりさせていただきますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。そこで今号では、追加される血液検査項目とその意義をご紹介したいと思います。

アルブミン・レチノール結合タンパク・トランスサイレチン・トランスフェリン・CRP

タンパク栄養障害の状態を反映する血清タンパクには、アルブミン、レチノール結合タンパク、トランスサイレチン、トランスフェリンがあります。半減期は、アルブミン21日、レチノール結合タンパク0.5日、トランスサイレチン2日、トランスフェリン7日と異なっており、アルブミンは長期に及ぶ栄養状態、レチノール結合タンパク、トランスサイレチン、トランスフェリンは急性期のタンパク合成能を反映すると言われています。レチノール結合タンパク、トランスサイレチン、トランスフェリンは栄養状況以外に感染や炎症でも変動することから、それと区別するため、感染・炎症マーカーであるCRPを同時に測定します。

ビタミンB1

ビタミンは微量で体の機能を調整する働きをしますが体内ではつくれず、必ず食事などで体の外からとらなければなりません。ビタミンB1が不足すると疲労や脚気のほか、うつ状態に陥りやすく、感染症やアレルギー疾患にもかかりやすくなります。ビタミンB1が欠乏すると代謝経路が止まり、乳酸アシドーシスになります。中心静脈栄養、末梢静脈栄養の際にもビタミンB1は欠乏しやすいです。

鉄・フェリチン・TIBC・ビタミンB12・葉酸

栄養素の欠乏による貧血には、鉄欠乏性貧血、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠貧血があります。鉄欠乏性貧血として鉄、フェリチンを測定します。ビタミンB12欠乏性貧血と鉄欠乏性貧血との鑑別にTIBCを測定します。葉酸かビタミンB12のどちらか一方でも不足すると巨赤芽球性貧血の発症の原因となります。