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輸液栄養の基礎知識

長寿NSTニュースレターVol.3
2010年3月

輸液は

  1. 治療薬剤の投与
  2. 脱水の改善や電解質の補正
  3. 栄養の補給

などを目的として日常診療で活用されています。今回のニュースレターでは、輸液の栄養面についてまとめてみました。PPN TPN の特徴を踏まえることが大切ですし、常に「経腸(消化管を使うこと)はできないのかな?」という意識を頭の隅においておくことも重要です。

輸液の投与経路

  1. 末梢静脈栄養;PPN;peripheral parenteral nutrition
  2. 中心静脈栄養;TPN;total parenteral nutrition

PPNの特徴

PPNは、投与できるカロリーは1000kcal程度までです。
このため、長期のPPNでは栄養状態が低下する恐れがあるため、2週間以内の短期間の栄養維持に用いられます。
特別な手技を必要としないこと、カテーテル穿刺や留置に伴う合併症などが少ないことが長所です。
短所は、末梢血管では高濃度の輸液は投与できないため十分なエネルギーが投与できない、血管痛や静脈炎を生じやすい、頻回の差し換えや腕などが自由にならないことなどがあげられます。
また、うっ血性心不全や腎不全など厳密な水分管理が必要な場合はPPNのみでの栄養は困難です。

TPNの特徴

高濃度、高浸透圧の薬剤の投与が可能なため必要十分な栄養が投与できます。
しかし、カテーテル挿入・留置操作による合併症やカテーテル敗血症、腸粘膜萎縮によるbacterial translocationなどの危険があります。
投与開始時には高濃度のブドウ糖の投与による高血糖に対する注意が、TPN管理が長期間に及ぶ場合には、必須脂肪酸の欠乏の恐れがあるため脂肪乳剤の投与が必要です。

末梢静脈栄養(PPN)の適用例 中心静脈栄養(TPN)の適用例
  • 経口摂取が不足している場合
    食欲不振、下痢、嘔吐など
  • 経口摂取不能である場合
    短期間(2 週間未満)
  • 中心静脈カテーテルの留置が危険な場合
    重症感染症、出血傾向など
  • 経口摂取が不十分または不可能な場合
    短腸症候群
    消化管通過障害など
  • 経口摂取が好ましくない場合
    炎症性腸疾患
    重症下痢・急性膵炎など

日本静脈経腸栄養学会で長寿医療センターNSTが発表!

平成22年2月25日~26日会場:幕張メッセ

昨年の鹿児島学会発表に続き、今年はNST医師の佐竹先生が「摂食不良高齢者の背景と介入達成状況」を発表。今後も長寿NSTの院外活動の一環として継続していきます!