ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.990-15
「日本人高齢者に多い疾患のゲノム解析および臨床ゲノム情報ストレージの整備」についてのお知らせ
国立長寿医療研究センター(メディカルゲノムセンター)では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。
国立長寿医療研究センターバイオバンクでは、お預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2025年5月2日
記
「日本人高齢者に多い疾患のゲノム解析および臨床ゲノム情報ストレージの整備」(倫理・利益相反委員会受付番号No.990-15)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
理事長特任補佐 伊藤健吾
もの忘れセンター 副センター長 佐治直樹
准教授 宮下哲典
特定研究員 鎌田真由美
准教授 坂田泰彦
助教 角田一
室長 竹内史比古
室長 岡崎敦子
上級研究員 河合洋介
専任講師 佐々木貴史
准教授 三橋里美
特任助教 野村征太郎
教授 前田士郎
助教 松下明子
教授 山内敏正
招へい教員 砂真一郎
近年、ゲノム配列情報解読技術の向上により高速・高精度・低価格でゲノム情報が得られるようになりました。この技術により疾患の原因やリスクとなる遺伝情報の解析が進み、ゲノム医療/個別化医療(患者個人に最適化した医療を提供すること)の原動力となっています。
本研究では、高齢期に発症する認知症や骨関節疾患などの患者疾患感受性遺伝子の同定を行います。それにより、たとえば、認知症や脊柱管狭窄症などになりやすい方の遺伝的特徴が明らかになり、患者一人ひとりに適した医療を供給する「個別化医療」の基礎情報を取得することが期待されます。さらに、未だ治療薬のない認知症の創薬標的などが見つかる可能性もあります。また、疾患感受性遺伝子が見つかった場合の開示方法などについて考察します。
遺伝子解析情報、診療情報(主に病名、年齢、性別、発症年齢情報など)
バイオバンクもしくは共同研究機関において蓄積された、または今後解析・蓄積される遺伝子解析情報(全ゲノム解析情報・全エクソン解析情報・SNP解析情報等)と臨床情報等を統合的に活用して、日本人症例における認知症等にかかわる遺伝子群の探索・同定を行います。同定した遺伝情報については、その遺伝子発現や機能に関する既知情報による、臨床的注釈付け(アノテーションといいます)を行います。また、得られた遺伝情報のパスウエイ解析・統計学的解析等を行い、本遺伝情報と疾患との関連の整理・精査(キュレーションといいます)を行います。解析には、自施設のコンピュータサーバに加えて、安全かつコンプライアンスに準拠したデータ環境をもつゲノム解析専門業者(イルミナ社等)が提供する、ゲノム解析専用の日本国内クラウドサーバを利用します。
また、認知症においては上記解析において、すでに知られている認知症関連遺伝子変異が同定された場合、患者本人もしくはご家族の方に対してどのように対応すべきかなどについて、共同研究機関の医師等を中心に検討を行います。
2017年2月8日から2027年3月31日
バイオバンク事業に同意し、本事業に登録された患者・健常者のゲノム解析情報のうち、認知症および関節症等の方々の情報。共同研究機関においては、認知症でゲノム解析・遺伝子解析に同意をされた方。
バイオバンクに収集されている既存の試料・情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益ならびに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
ご自身の試料・情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合は、解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載・学会発表・論文投稿などを通じて行う予定でおります。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
この研究で使用する情報(上記 項目5.)は、バイオバンクから分譲を受けます。分譲される情報に含まれる個人を特定する事項(氏名、生年月日、住所、病院ID等)は、バイオバンクの有する匿名化システムによって削除され、新たな符号が付されます。分譲以降はこの符号で管理されます。新たな符号と個人を結びつける対応表はバイオバンクのみが保有し、研究倫理指針の定める個人情報管理者によって保護されます。
バイオバンクより分譲された情報については、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間、保管されます。情報は、電子媒体に記憶する形でメディカルゲノムセンター内において施錠保管いたします。保管期間満了後は、速やかに記憶媒体から削除いたします。
日本医療研究開発機構委託研究開発費、運営交付金バイオバンク事業費、共同研究先(静岡県立総合病院、理科学研究所)からの共同研究費
本研究における利益相反はありません
この研究に対する問い合わせは、下部において随時受け付けます。この研究は、当該被験者が識別される保有する個人情報はございませんので、保有する個人情報についての開示は行っておりません。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
メディカルゲノムセンター センター長 尾崎浩一
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)