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倫理・利益相反委員会受付番号No.881-22

「ロコモ・フレイル・サルコペニアのレジストリ研究」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター(ロコモフレイルセンター)では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年7月18日

1.研究課題名

「ロコモ・フレイル・サルコペニアのレジストリ研究」(倫理・利益相反委員会受付番号No.881-22)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者

国立長寿医療研究センター ロコモフレイルセンター センター長 赤津裕康

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター

  • 理事長 荒井秀典(患者登録、外来診察、研究指導)
  • 糖尿病・内分泌内科部 部長 浅原哲子(患者登録、外来診察)
  • 長寿医療研修センター センター長 前島伸一郎(患者評価)
  • 摂食嚥下・排泄センター センター長/リハビリテーション科部 部長 加賀谷斉(患者評価)
  • 老年学・社会科学研究センター センター長 島田裕之(地域からのリクルート)
  • 老年内科部 部長 佐竹昭介(患者登録、外来診察)
  • 整形外科部 部長 酒井義人(患者登録、外来診察)
  • 循環器内科部 部長 清水敦哉(データ解析)
  • 老年内科部 老年内科 客員研究員 前田圭介(患者登録、外来診察)
  • ロコモフレイル診療部 サルコペニア診療科 医長 竹村真里枝(患者登録、外来診察)
  • ロコモフレイルセンター 副センター長 渡邉剛(患者登録、外来診察)
  • リハビリテーション科部 リハビリテーション科 医長 大沢愛子(患者評価)
  • 泌尿器外科部 医師 西井久枝(患者登録、外来診察)
  • 整形外科部 医師 足立維(患者登録、外来診察)
  • 老年内科部 老年内科 医師 宮原周三(患者登録、外来診察)
  • 歯科口腔外科部 歯科医師 中村純也(データ解析)
  • ロコモフレイルセンター 外来研究員 櫻井圭太(脳画像評価)
  • ロコモフレイルセンター 特任研究員 松井康素(データ解析)
  • ロコモフレイル診療部 理学療法士 平野裕滋(運動機能測定および解析)
  • 在宅医療・地域医療連携推進部 特任研究 鈴木みずえ(データ解析)

4.本研究の意義、目的

本研究の目的は、高齢者のロコモ・フレイル・サルコペニアに関連する様々な研究を行うため、患者さんの登録を行い、データベースを作り病態の検討や要介護になるリスク等を調べることです。
我が国では急速な高齢化の中で、介護予防を念頭に色々な概念が挙げられてきています。日本整形外科学会からは、運動器(筋肉、骨、関節、軟骨など)の障害により「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態を表す概念として、ロコモティブシンドローム(ロコモ)が提唱され、ロコモが進行すると介護が必要になる危険性が高くなります。同様に、生活する機能が障害され、健康長寿の妨げになるものとして、虚弱(フレイル)や筋肉減少症(サルコペニア)が近年注目されています。フレイルは、健康な状態と要介護状態(日常生活で支援が必要な状態)の中間の状態で、機能障害、要介護状態などの転機に陥りやすい状態とされ、筋力などの低下により転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、一人暮らしや経済的に困っているなどの社会的問題を含む概念ですが、その概念についての合意は得られておらず、診断、予防、介入方法や予後など多くの検討事項が残っています。サルコペニアは、歩行移動能力の低下や転倒の基礎になる病気で、フレイルの多くの方に存在し、フレイルの増悪要因であり、栄養障害とも強く関連しています。サルコペニアの診断は筋肉の量の減少をもとにされますが、筋肉が脂肪に変化することなど検討すべき課題が残っています。このように、ロコモ、フレイル、サルコペニアへの関心が多くの領域で高まっているのですが、実際には、わが国において、これらについての臨床研究に基づく病態の検討や予後の調査は、まだ十分行われてきていないのが現状です。
当センターには、要介護を予防するための方法を先導的に研究する役割があります。
そこで本研究では、ロコモ、フレイル、サルコペニアについての評価を受けられた方の情報をデータベースに登録(ロコモ・フレイル・サルコペニアレジストリ)していき、フレイルについての臨床研究を行う上での基礎データとしたいと考えています。
このデータを元に、フレイルに該当する方が、どの程度ロコモやサルコペニアも併存しているかを調べたり、栄養状態や、見たり聴いたりする機能が、ロコモ、フレイル、サルコペニアとどのように関連しているのかを調べたりします。また追跡調査を行うことにより、フレイル、ロコモ、サルコペニアの併存の有無や栄養状態が要介護のリスク等とどのように関連するのか、また、年を経過した際のロコモ、フレイル、サルコペニアの状態にどのくらい影響するのかを調べていきます。データ解析の際には、フレイルに該当しない方は、フレイルに該当している方と比較するための対照群として取り扱います。

5.本研究に使用する情報

本研究に参加同意いただき、初回登録から2年後、4年後、6年後、8年後に受診された方の以下の診療情報を利用します。

1.問診・質問票

基本属性(家族構成、要介護認定など)、高次脳機能評価、生活機能評価、社会性評価、フレイル評価、ロコモティブシンドローム評価(ロコモ25)、栄養評価、転倒評価、診療情報、併存疾患数、服薬状況、QOL評価、Baecke評価、感覚器評価、採血前10時間以内の食事の有無患者基本情報

2.身体測定

身長、体重、下腿周囲長、血圧、脈拍入院時、入院中、退院/転院時の身体機能評価の指標

3.身体機能検査・生理検査

歩行速度、握力計測(新型握力計)、脚力計測、立ち上がりテスト(ロコモ度テスト1およびタニタ社製測定器使用、SPPB:椅子立ち上がりテスト)、2ステップテスト(ロコモ度テスト2)、Timed Up & Goテスト、バランス機能(SPBB:閉脚立位・セミタンデム立位・タンデム立位、片脚起立時間)、下肢荷重検査(ウォークway)、足の背屈角度測定、足関節底屈背屈筋力測定、身体組成(Inbody)、重心動揺検査、DEXAによる全身撮影、大腿部CT1断面(研究目的)、腹部CT2断面(研究目的)

4.血液検査

血算(白血球数、赤血球数、血小板数)、白血球分画、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、血液化学(総Bil、ALP、ChE、AST、ALT、γ‐GTP、CK、UN、CRE、Na、K、Cl、Ca、P、TP、ALB、CRP、TG、HDL、血糖、T-Cho、HbA1c)、骨代謝マーカー(骨型ALP、ucOC、TRAPC5b)、PTH、25(OH)ビタミンD、Cys-C、IRI生理学検査

5.尿検査

一般物質定性半定量、アルブミン定量、クレアチニン、蛋白定量

上記の情報については、利用前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。

6.本研究の方法

本研究では、ロコモフレイル外来を受診され、本研究への参加同意をいただいた方を対象とし、ロコモ・フレイル・サルコペニアレジストリに登録し、初回登録時の患者さんの様々な情報についての相互の関連や、身体的フレイルや軽度認知障害、抑うつ、社会的フレイルの割合、サルコペニア、骨粗鬆症、ロコモの合併する割合やそれぞれの合併状況を調べていきます。また、フレイル、サルコペニア、ロコモ、栄養状態などとの関連も調べていきます。
研究期間は、2016年1月29日から2046年3月31日です。すなわち、追跡調査ならびに縦断的解析終了の2036年3月の後も、ロコモ・フレイル・サルコペニアレジストリとして、2046年3月まで登録データを利用します。

7.研究期間

2016年1月29日から2046年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

本研究に参加同意いただき、初回登録から2年後、4年後、6年後、8年後に受診された方を対象とします。これまでは、初回登録から1年後、3年後、5年後、7年後、9年後、10年後に受診された方を対象とし直接同意を得ておりましたが、外来の混雑状況により対象外の年に受診されるケースもある為、どの年度に受診しても診療情報を利用できるように改訂いたしました。
本公開文書でのお知らせは過去の受診に対してであり、これから受診いただく際には直接ご説明をし、同意を得られた場合にのみデータを利用します。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

個人が、研究参加および不参加により不利益を被ることはありません。個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、個人情報が外部に漏れることが一切ないよう細心の注意を払います。解析にあたっては、ID化されたデータを用いるため、集団として集計した結果から個人が特定されることはありません。個人が、研究参加により直接的な利益を得ることはありませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に利用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載・学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して利用いたしますが、患者さんが特定できる情報(ID、氏名、住所など)を削除した状態で抽出しています。研究上取得した情報等は、個人情報が特定されない処理をして、扱う事に、細心の注意を払います。収集する個人情報は、電子カルテから抽出される臨床情報であり、研究者の手元には個人を特定しうる情報が残ることはありません。また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも、患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。計測情報と被験者の個人情報は完全に分離されているとともに、各コンピュータはインターネットに接続せず、データは匿名化し、対応表は研究に携わらない第三者(ロコモフレイルセンターの事務担当)が保管いたします。研究期間中は、研究責任者がデータを保管し、終了後は、ロコモフレイルセンター長の研究室で10年以上保管します。破棄が必要となった場合、ハードディスクに保存したデータは、粉砕処理などをして適切に破棄します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

この研究の資金源は、当センターの研究費である長寿医療研究開発費(26-12、27-23、29-12、20-12、22-24他)と、医療機器開発推進研究事業(AMED/2016から2017年度分、他)、認知症対策官民イノベーション実証基盤整備事業(AMED/2019から2021年度)、文部科学省科学研究費助成事業、牛乳乳製品健康科学学術研究、株式会社タニタ共同研究費、およびマクセル株式会社共同研究費です。
また、この研究は、タニタ社製の立ち上がりテストに使用する測定機器(無料借用)と、マクセル社製の手指運動計測に使用する機器(当センターで購入済)を用いて実施されますが、この研究にかかわるすべての関係者は、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの役職員として、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター利益相反行為防止規則にのっとり、本研究を適正かつ円滑に遂行します。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら、以下のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
ロコモフレイルセンター センター長 赤津裕康

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)