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倫理・利益相反委員会受付番号No.868-12

「アルツハイマー病の病態を反映する血液バイオマーカーの開発と、その実用化に向けた多施設共同研究による検証(倫理・利益相反委員会受付番号No.868-12)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターバイオマーカー開発研究部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。
 国立長寿医療研究センターバイオバンクではお預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2022年11月16日

1.研究課題名

「アルツハイマー病の病態を反映する血液バイオマーカーの開発と、その実用化に向けた多施設共同研究による検証」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.868-12)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)(他の研究機関と共同して研究を実施する場合には、共同研究機関の名称および共同研究機関の研究責任者の氏名を含む。)

研究代表者

  • 国立長寿医療研究センターバイオマーカー開発研究部 中村 昭範

研究責任者

  • 株式会社島津製作所田中耕一記念質量分析研究所 金子 直樹
  • 近畿大学医学部放射線医学教室放射線診断学部門 石井 一成
  • 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所神経画像研究チーム 石井 賢二
  • 国立量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 徳田 隆彦 
  • 東レ株式会社先端融合研究所 信正 均
  • 名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学 勝野 雅央
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所細胞分子工学研究部門 夏目 徹
  • 東京大学大学院医学系研究科リピドミクス社会連携講座 徳岡 涼美
  • 株式会社ヒューマノーム研究所 瀬々 潤
  • 特定非営利活動法人バイオ計測技術コンソーシアム 中江 裕樹
  • 日本イーライリリー株式会社研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部バイオ医薬品領域本部&臨床薬理メディカル 畠山 直久
  • メルボルン大学Florey研究所 Colin L. Masters
  • Austin Health PET センター Victor L. Villemagne
  • Lund University Oskar Hansson
  • Harvard Medical School Reisa A. Sperling

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 研究推進基盤センター 新飯田 俊平
  • 放射線診療部 加藤 隆司
  • 理事長特任補佐 伊藤 健吾

株式会社島津製作所田中耕一記念質量分析研究所

  • 岩本 慎一
  • 田中 耕一

4.本研究の意義、目的

アルツハイマー病は、数ある認知症の中で最も多いタイプの認知症で、「アミロイド」という特殊なタンパク質が脳に蓄積することが原因とされています。この蓄積はアルツハイマー病を発症する20-30年以上も前から始まるため、これを捉えることがアルツハイマー病を早期診断する上で重要ですが、これまでそれができるのはポジトロンCT (PET) か脳脊髄液検査といった特殊な検査しか方法がありませんでした。最近私達は、島津製作所 田中耕一記念質量分析研究所と共同で、血液検査によってこのアミロイドの蓄積を捉える方法(血液バイオマーカー)の開発に成功致しました。この方法を実際に臨床応用していくためには、多くの試料・データを用いてその有用性を更に検証していく必要があります。また、私達は、アルツハイマー病以外の認知症の病理や病態を捉える血液バイオマーカーの開発も進めています。複数の認知症関連の血液バイオマーカーを組み合わせることにより、認知症あるいはそのリスクをもった方を背景病理や進行病態に応じて層別化することが可能となれば、認知症の治療薬の開発や、有効な予防・発症遅延法の開発を促進するだけでなく、認知症のタイプや進行予測に基づくケアプランを立てるといった個別医療にも力を発揮すると考えられます。本研究はそのために行われます。

5.本研究に使用する試料・情報

血液サンプル約0.5cc、髄液サンプル約1㏄、PETやMRI等の脳画像検査データ、神経心理学的検査データ、臨床診断、合併症、性別、年齢、APOEタイプ(バイオバンクで解析済みの結果)、髄液検査データ、一般血液検査データを使用致します。

6.本研究の方法

当センターバイオバンクに凍結保存された血液サンプル約0.5ccを用い、血液バイオマーカーを測定します。また、東京都健康長寿医療センター研究所、近畿大学医学部、名古屋大学医学部に保存された血液サンプルもバイオマーカーの測定に用います。一方、PET等の画像検査のデータも独立して解析して病理的な異常の有無(例えば、アミロイド異常蓄積の有無)を判定し、これを「正解」とした場合の血液バイオマーカーの診断能力を解析します。また、血液バイオマーカーと上記5.に挙げた他の検査データとの関連についても検討していきます。
本研究は、国立長寿医療研究センター、島津製作所 田中耕一記念質量分析研究所、東京都健康長寿医療センター研究所、近畿大学医学部、国立量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所、東レ株式会社先端融合研究所、産業技術総合研究所、東京大学、株式会社ヒューマノーム研究所、特定非営利活動法人バイオ計測技術コンソーシアム、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社、株式会社ERISA、日本イーライリリー株式会社および、オーストラリアの研究チーム(AIBL: The Australian Imaging, Biomarker & Lifestyle Flagship Study of Ageing)との共同研究として行われます。血液サンプルは供給機関から島津製作所・田中耕一記念質量分析研究所、島津テクノリサーチ社、東レ株式会社、国立量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所、産業技術総合研究所、東京大学、アクセリード株式会社、日本イーライリリー株式会社に送り、血液バイオマーカーの測定に用います。髄液サンプルが利用可能な場合は測定をし、血液バイオマーカーと比較評価を行います。PET画像等の画像データは国立長寿医療研究センター、東京都健康長寿医療センター研究所、近畿大学医学部、株式会社ERISAおよびAIBLの研究グループにより解析されます。DLBアンケート結果および関連データは匿名化した上で名古屋大学に送付し、解析を行います。その他の検査データも両研究グループによって解析に用いられます。解析結果を基にAIも用いて統合的な層別化アルゴリズムを開発します。

7.研究期間

2015年10月13日 ~ 2024年3月31日

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

開発された血液バイオマーカーの有用性を検証するために、アルツハイマー病、非アルツハイマー型認知症性疾患、軽度認知障害、および健康成人の血液や画像などのデータが必要となります。そのために当センターバイオバンクに登録された方の試料・データを利用させていただきます。
また、当センターバイオバンク登録とは直接関係ございませんが、本研究では、以下のデータも同じように解析していく予定です。
日本の他研究(J-ADNI、ORANGE Registry、J-MINT、NCGG-SGS、NILS-LSA、J-TRC、AMED中村班研究(脳内アミロイドβ蓄積を反映する血液バイオマーカーの臨床応用に向けた多施設共同研究、層別化マーカー研究)、AMED新飯田班研究(血液バイオマーカーを用いた超早期アルツハイマー病コホートの構築)、名古屋大学の臨床研究等) 、AMED新美班(画像・バイオマーカー縦断コホート研究によるプレクリニカルアルツハイマー病進行機序の解明/プレクリニカル期ADコホートの構築と病態解析)、東京都健康長寿医療センターと共同研究)や、米国やヨーロッパの研究機関のデータ

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

国立長寿医療研究センターバイオバンクに収集されている既存の試料・情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の試料・情報が、本課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問合せ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会や論文での発表、ホームページ掲載やメディアを通じての情報発信によって行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問合せ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、国立長寿医療研究センターバイオバンクより上記5.の試料・情報の分譲を受けて使用いたしますが、匿名化されたうえで研究者に提供されています。研究者に提供された試料・情報がどなたのものであるかが分かる対応表はバイオバンクのみが保有しており研究者に提示されることはありません。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

国立長寿医療研究センターバイオバンクより分譲された試料・情報については、研究期間終了後、あるいは論文発表から10年間、国立長寿医療研究センターにおいて保管します。保管期間終了後は、紙媒体データはシュレッダーにて、デジタルデータは保存メディアから速やかに削除いたします。また、外部協力機関は、それぞれの機関における規定に則ってデータ保管、および削除を行います。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究に関わる資金は、国立長寿医療研究センター長寿医療研究開発費、日本医療研究開発機構認知症研究開発事業等の公的資金によってまかなわれています。
本研究は企業(株式会社島津製作所および東レ株式会社先端融合研究所、ヒューマノーム研究所、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社、株式会社ERISA、および日本イーライリリー株式会社)との共同研究のため、利益相反は存在しえます。しかし、当センター利益相反行為防止規則もしくは外部協力機関それぞれの機関の規則に則り、本研究は適正に遂行されます。尚、本研究に関わる国立長寿医療研究センターの職員が、上記企業との共同研究によって何らかの報酬や利益を受けることはございません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究にご相談等がございましたら、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。また、提供いただいた試料・情報が研究に使用されることについて、ご家族のご了承をいただけない場合には研究対象といたしませんので下部に記載されているお問い合わせ先にお申し出下さい。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 バイオマーカー開発研究部 部長 中村 昭範 

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)