ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.25TB10
「シングルセル空間トランスクリプトーム解析基盤技術の開発およびそれを用いた疾患病態解明」についてのお知らせ
国立長寿医療研究センター神経遺伝学研究部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2025年7月17日
記
「シングルセル空間トランスクリプトーム解析基盤技術の開発およびそれを用いた疾患病態解明」(倫理・利益相反委員会受付番号No.25TB10)
本研究課題については、国立精神・神経医療研究センター倫理委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 病態生化学研究部 部長 星野幹雄
近年、疾患の病態解明において、オミクス解析技術は不可欠な研究手法となっています。特に、空間トランスクリプトーム解析は、従来のオミクス解析では得られなかった、組織内の空間的な不均一性を詳細に解析することが可能になり、それにより疾患特異的な細胞の空間分布や細胞間の相互作用といった、病態メカニズムを新たに解明できると期待されます。
本研究では、国立精神・神経医療研究センターがその解析拠点となって、空間トランスクリプトーム解析技術基盤を構築します。さらに、その解析技術を共有し、国立高度専門医療研究センター(6NC)の連携を強化することで、各センターが保有する疾患モデルや臨床検体を対象とした大規模な解析を可能とし、疾患の病態解明や新たな治療法開発へと繋げることを目指します。
本研究において使用する情報は、脳標本所見、症例番号、年齢、性別、病歴に関する情報(診断、発病期間、治療経過、処方歴)になります。上記の情報については、被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1ヶ月以上経過後から、利用・提供予定です。
本研究では、先行研究課題(No.1616-7)の研究計画に基づき、東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンクより提供を受けた、脳標本と付随する臨床情報を利用します。脳標本については、個人が特定できないよう、国立長寿医療研究センターにて新しい研究用番号を付与した上で、国立精神・神経医療研究センターに提供し、シングルセル空間的トランスクリプトーム解析(Xenium in situ解析)を実施します。
2025年7月17日から2027年3月31日
本研究は、シングルセル空間トランスクリプトーム解析により、アルツハイマー病プレクリニカル期から初期の神経変性機序の解明と、その変性を抑止するための新規治療標的の同定を目標としています。その目的ために、研究対象となる方は、故人で剖検を受けられ、その剖検脳が東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンクで管理されている方の中から、臨床診断が確定している、認知機能健常の高齢層、およびアルツハイマー病の初期病理を呈する認知機能健常から軽度認知障害(MCI)の高齢層を選定し、パラフィン脳切片を作製して空間トランスクリプトーム解析により比較解析します。
既存の脳標本と診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。また、研究対象者個人に対する直接の利益は想定されません。
研究対象となる方のご遺族において、研究対象者となる方の脳標本と診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報から研究対象者となる方にかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
本掲示をもって、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載、学会発表、論文発表などにて行う予定でおります。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
本研究の対象となる方の脳標本と診療情報には、剖検時に患者名等の個人情報とは関係のない検体番号が付され、厳重なセキュリティー下で保管されています。個人情報と検体番号の対応は、東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンクのスタッフのみがアクセス可能な、データベース(外部から遮断された専用サーバで、アクセスにはスタッフ個別の認証が必要なもの)でのみ確認することができ、それ以外の者に個人情報が漏洩しないよう管理されています。本研究において、国立長寿医療研究センターに提供される情報は、脳組織所見、症例番号、年齢、性別、病歴に関する情報(診断、発病期間、治療経過、処方歴)のみであり、個人を特定できる情報は含まれません。提供された情報は、当センターにおいて厳重に保管されます。解析に際しては、新しく研究用の番号を付与した上で、国立精神・神経医療研究センターへ提供します。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも、研究の対象となられた方を特定できるような内容を含むことはございません。
試料・情報の提供に関する記録は、東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンク、国立長寿医療研究センター神経遺伝学研究部、および国立精神・神経医療研究センター病態生化学研究部にて、当該論文等の発表後10年間まで保管します。
匿名化された研究データについては、国立長寿医療研究センター神経遺伝学研究部のコンピュータおよびバックアップ用記憶媒体に、当該論文等の発表後10年間まで保管します。匿名化されたデータと個人の識別情報との対応表については、東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンにてパスワードを設定したファイルとして管理し、外部と接続できないコンピュータで厳重に取り扱います。保管期間満了後は、専門家とも相談しながら、保存媒体ごと安全な形でデータを廃棄します。
試料は、混合や盗難、紛失等が起こらないように、本研究の関係者のみがアクセスできる国立長寿医療研究センター神経遺伝学研究部、および国立精神・神経医療研究センター病態生化学研究部の試料保管庫にて保管します。解析等に使用した試料は、当該論文等の発表後5年間まで保管し、保管期間満了後は医療廃棄物として廃棄します。
本研究は、国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部(JH)横断的研究推進費によって行われ、研究に係る利益相反は生じません。
国立長寿医療研究センター神経遺伝学研究部 飯島浩一にて対応いたします。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
神経遺伝学研究部 部長 飯島浩一
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)