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倫理・利益相反委員会受付番号No.23TB8

「ヒト血液中の全糖鎖構造(グライコーム)解析(ヒューマングライコームプロジェクト)(受付番号No.23TB8)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ


 国立長寿医療研究センター 研究所 研究推進基盤センターでは、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報等を用いて解析を行うものです。
 国立長寿医療研究センターバイオバンクでは、お預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

 2023年7月7日

1.研究課題名

「ヒト血液中の全糖鎖構造(グライコーム)解析(ヒューマングライコームプロジェクト」
(受付番号No.23TB8)
本研究課題については、名古屋大学大学院医学系研究科医学部附属病院生命倫理審査委員会の承認を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

名古屋大学大学院医学系研究科

  • 分子細胞化学 教授 岡島 徹也

3.研究分担者名(部署名)

名古屋大学大学院医学系研究科

  • 教授 門松 健治
  • 特任教授 尾崎 紀夫
  • 教授 勝野 雅央
  • 准教授 松井 佑介
  • 病院講師 久島 周
  • 特任准教授 森 大輔
  • 特任助教 郷 詩織
  • 特任助教 小倉 礼
  • 大学院生 平賀 経太

名古屋大学糖鎖生命コア研究所

統合生命医科学糖鎖研究センター
分子生理・動態部門
  • 教授 佐藤ちひろ
  • 助教 羽根 正弥
細胞・個体制御部門
  • 教授 北島 健
  • 助教 呉 迪
糖鎖ビッグセンター
数理解析部門
  • 特任教授 梶 裕之
  • 特任教授 古川 潤一
 
  • 特任教授 平林 淳
  • 特任准教授 郷 慎司

岐阜大学糖鎖生命コア研究所

糖鎖分子科学部門
  • 教授 安藤 弘宗
  • 教授 木塚 康彦
構造解析部門
  • 准教授 中嶋 和紀
  • 研究員 半澤 健
  • 研究員 村上 怜子

創価大学糖鎖生命システム融合研究所

  • 所長/教授 西原 祥子
  • 副所長/教授 木下フローラ聖子
  • 教授 栂谷内 晶
  • 講師 伊藤 和義
  • 研究員 安形 清彦
  • 助教 細田 正恵

国立長寿医療研究センター研究所

 研究推進基盤センター
  • センター長 新飯田俊平
バイオバンク バイオデータ管理室
  • 技術員 山下小百合
メディカルゲノムセンター
  • センター長 尾崎 浩一
バイオインフォマティクス研究部
  • 部長 重水 大智
老年学・社会科学研究センター
  • センター長 島田 裕之
認知症先進医療開発センター
バイオマーカー研究部
  • 部長 中村 昭範

 

4.本研究の意義、目的

意義

糖鎖はゲノム、タンパク質とともに、生命現象の真の理解に必須の研究対象である。糖鎖には分岐構造、異性体の存在があるため、非常に複雑で多様な構造をとる。どのタンパク質のどの部位にどんな糖鎖がつくかなど、糖鎖構造のみならず、その結合相手との組み合わせで膨大な構造多様性が存在する。それゆえ、これまで網羅的な糖鎖情報の解読は技術的に困難であったが、近年の質量分析技術等の進展によってその解読が可能になってきた。ヒト血漿中糖鎖を皮切りに、ヒト体内に存在する全糖鎖情報の解読は生命現象の真の理解につながるとされている。
一方、認知症の早期診断・治療法開発においては、疾患の重症度や進行を反映する指標(バイオマーカー)の重要性が指摘されている。とくにアルツハイマー病などの神経変性疾患では、神経症状の発症のかなり前から病理学的な変化が始まっており、それがバイオマーカーにも反映されることが明らかとなってきている。また、神経機能・神経変性疾患と糖鎖の関係性を示す報告も多数なされており、糖鎖構造情報の網羅的解析は認知症等の早期診断・予防法の開発につながるだけでなく、生命現象、疾患メカニズムを解き明かす重要な基盤情報となる。

目的

糖鎖構造は上記のように、人体の中で膨大な数の構造多様性が存在する。そして、体内の状況を反映し刻々と変化する。そのため、一部の糖鎖構造だけでなく、各個人が持つすべての糖鎖構造情報を網羅的に取得し、個人差、環境による変化、疾患との関係性、生物学的意義とのつながりを明らかにすることが求められている。
本研究では、バイオバンク等において採取・保存されているヒトの血漿(血清)サンプルを用いて、存在する全糖鎖情報(グライコーム)を網羅的に解析する。この糖鎖情報を臨床・画像・ゲノミクス情報などと組合せて解析することにより、糖鎖構造と老化等の各種生命現象、認知症など、各種疾病との関係性を明らかにしていく。

5.本研究に使用する情報

匿名化の上で保管された診療目的および研究目的で取得された既存情報(年齢、性別、認知機能検査結果、MRI/PET等の脳画像データ、教育年数、初診時診断・最終診断結果、血液生化学・バイオマーカー(血糖値、脂質、Aβ、Tauなど)、ゲノム解析情報等)と、解析する糖鎖網羅情報を紐づけて解析を行う。

6.本研究の方法

  1. 国立長寿医療研究センターバイオバンク、名古屋大学脳とこころ研究センター(名古屋大学神経内科、精神医学)にて保存してある血清・血漿を使用する。保管には、3号館9階908室の超低温フリーザー、および基礎棟地下1階のバイオバンク用フリーザーを用いて、温度管理とフリーザー開閉の管理を行う。検体を96 wellチューブに分注後、冷蔵もしくは冷凍状態にて、糖鎖生命コア研究所糖鎖解析施設(工学部新7号館8階、生物機能開発利用研究センター505、名古屋大学生命農学研究科(A665, B419)岐阜大学糖鎖生命コア研究所)に、世界保健機関策定の「感染性物資の輸送規則に関するガイダンス」に従って、輸送する。
  2. 血清・血漿に含まれる糖タンパク質、糖脂質、遊離糖鎖を抽出・精製する。
  3. 質量分析、レクチン・抗体糖鎖認識分子などによる解析、化学的分析法を用いて、各糖鎖構造を網羅的に同定・定量する(グライコプロテオミクス、グライコミクス解析(総称してグライコーム解析))。
  4. 被験者がこれまで受診してきた既存健診データ(年齢、性別、認知機能検査結果、MRI/PET等の脳画像データ、教育年数、初診時診断・最終診断結果、血液生化学・バイオマーカー(血糖値、脂質、Aβ、Tauなど)、ゲノムデータ等)と、上記4のグライコーム、場合によっては、ゲノム、プロテオーム(酵素活性測定を含む)を加えたオミックスデータについて、相関関係を解析する。解析方法は、例えば各認知症患者と健常人との比較についてはDunnett検定などの多重比較を行い、各指標間の関連性はPearsonの積率相関係数等を用いて相関を見る。そして、疾患を精度良く予測可能な組み合わせ指標を同定する。また、各因子のネットワーク解析やメンデルランダム化解析などにより、因果関係の推測を行う。
  5. 上記2,3,4で得られる全糖鎖情報(グライコームデータ)、グライコームデータと疾患関連解析結果を、ナレッジベース・アトラス化する。

7.研究期間

2023年7月7日 ~ 2028年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

名古屋大学脳とこころ研究センター受診者および医学研究のためのバイオバンク事業に同意し、登録された患者・健常高齢者の方々。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

名古屋大学脳とこころ研究センター受診者および国立長寿医療研究センターバイオバンクに保存されている既存の試料・情報を利用するため、プライバシー保護には十分に配慮されています。また、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の保存試料・情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除できます。削除を希望する場合は、下記に示されている「問い合わせ先」にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中でも構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはありません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載・学会発表・論文投稿などを通じて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、国立長寿医療研究センターバイオバンクより上記5.の試料・情報の分譲を受けて使用いたしますが、匿名化されたうえで研究者に提供されています。研究者に提供された試料・情報がどなたのものであるかが分かる対応表は、バイオバンクのみが保有しており、研究者に提示されることはありません。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも対象者の方を特定できるような内容を含むことはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

国立長寿医療研究センターバイオバンクおよび名古屋大学脳とこころ研究センターから提供された試料・情報については、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間、情報は電子媒体に記憶する形で、東海国立大学機構 名古屋大学 医学系研究科内において施錠保管いたします。保管期間満了後は、速やかに記憶媒体から削除いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

該当するものはありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先まで御連絡ください。研究責任者が対応いたします。この研究は、研究対象者を識別できる個人情報は扱っていませんので、保有する個人情報についての開示は行っておりません。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 研究所 研究推進基盤センター センター長 新飯田俊平

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)