ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.22TB19-2
この度、国立長寿医療研究センターと慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室では、共同研究機関とともに下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。
国立長寿医療研究センターバイオバンクでは、お預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2023年8月8日
記
「認知症に関与する腸内細菌関連代謝物の探索」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.22TB19-2)
本研究課題については、慶應義塾大学医学部倫理委員会での審査、並びに国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
平均寿命が伸びる中、健康寿命(平均寿命から、寝たきりや認知症などによる介護が必要な期間を除いたもの)が重要となってきています。一方腸管は、「第二の脳」と呼ばれるほど神経細胞が張り巡らされ腸と脳が互いに影響を与えており、これを脳腸相関といい、腸に常在する腸内細菌が脳腸相関に影響を与えることがわかっています。
先行研究で認知機能障害と腸内細菌が関与する代謝物質の関連が示唆されおり、本研究では、さらに詳しく代謝物質を解析したり、関連する細菌株の同定等を行う予定で、対象者の血漿・血清・便サンプルの解析を行います。
分与された試料・情報を用いて腸内細菌叢や代謝産物を解析し、認知機能障害に関与する代謝物や細菌を探索します。
2022年10月11日 ~ 2032年3月31日
アルツハイマー病、非アルツハイマー病認知症、軽度認知障害、 認知機能に問題のない者のいずれかの20歳以上の方です。本研究では認知機能障害の方を研究対象とし、その比較対象として認知機能に問題のない方も対象としております。
国立長寿医療研究センターバイオバンクに収集されている既存の試料・情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
ご自身の試料・情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表・論文投稿・公共のデータベース登録等を行う予定です。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
腸内細菌解析の結果はまだ研究段階であり、ご本人へ結果をお知らせする予定はございません。
本研究では、国立長寿医療研究センターバイオバンクより上記5.の試料・情報の分譲を受けて使用いたしますが、匿名化されたうえで研究者に提供されています。研究者に提供された試料・情報がどなたのものであるかが分かる対応表は、バイオバンクのみが保有しており、研究者に提示されることはありません。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
国立長寿医療研究センターバイオバンクより分譲された情報については、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間、各研究機関にて施錠保管いたします。保管期間満了後は、速やかに特定の個人を識別することができないようにしたうえで、情報を廃棄いたします。試料については、研究期間終了後に速やかに廃棄いたします。
将来、同意取得時には特定できない機関や目的で試料を使用することがあります。これは、便中細菌や物質の解析の方法が日々進化しており、新たな解析方法が見つかる可能性があるからです。認知症以外にも腸内細菌叢に関わる新たな疾患や生理現象が明らかになった場合は、その研究に用いる可能性があります。更に有用な知見が得られた場合には、新たな共同研究機関や企業とともに試料の一部を用いて得られたデータや細菌を元に、病気の治療薬、診断薬の研究開発を行う場合があります。
以上のように、新たな研究機関を追加したり別研究に用いる際には、慶應大学倫理委員会の承認の上で行います。追加機関や別研究の内容は、以下問い合わせにご確認いただくか、随時ホームページで公開します。
本研究における研究者の利益相反については、各研究機関の利益相反マネジメント委員会等において、公正な研究を行うことができると判断を受けたうえで実施しています。
研究チームにはJSR株式会社を本務先としている研究員が参画し、JSR株式会社から物品提供を受けています。
本研究の解析結果から特許権が生じる可能性がありますが、その権利は研究共同研究機関・企業などの研究遂行者に帰属し、提供者の方々には属さないことをご理解ください。
この研究に対する問い合わせは下記において随時受け付けます。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 研究所
研究推進基盤センター長 新飯田俊平
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)
慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室
教授 本田賢也
〒160-8582 東京都新宿区信濃町35番地
電話:03-5363-3769