本文へ移動

 

文字サイズ

ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.21TB21

倫理・利益相反委員会受付番号No.21TB21

1.1版 2021年7月5日

国立長寿医療研究センター職員の皆様へ

ナショナルセンター職員における新型コロナウイルス感染症の実態と要因に関する研究についての統合解析(受付番号No.21TB21)

研究情報公開文書

 本書は、国立長寿医療研究センターの職員の皆様を対象とした、『ナショナルセンター職員における新型コロナウイルス感染症の実態と要因に関する研究についての統合解析』(受付番号No.21TB21)についての情報公開文書です。
 本研究は、各ナショナルセンターですでに収集された、あるいはこれから収集されるデータを匿名化した上で事務局にて統合し、そのデータを研究班で分析するものです。
 本書をお読みいただき、本研究へのデータ提供についてご同意いただけない場合は、当センターの研究問い合わせ担当者にお申し出ください。ご同意いただける場合にはお申し出いただく必要はございません。

研究代表者
溝上哲也(国立国際医療研究センター臨床研究センター疫学・予防研究部・部長)

各NCにおける研究責任者
井上真奈美(国立がん研究センター 社会と健康研究センター予防研究部・部長)
大久保亮(国立精神・神経疾患研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター情報管
理・解析部・室長)
小嶋雅代(国立長寿医療研究センターフレイル研究部・部長)
西村邦宏(国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部・部長)
溝上哲也(国立国際医療研究センター臨床研究センター疫学・予防研究部・部長)
山口晃史(国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター・診療部長)

 

  1. この説明書について
    病気の診断や治療の方法の開発のためには多くの研究が必要です。現在行われている診断や治療の方法も長い時間をかけて研究され、進歩してきました。国立長寿医療研究センターも、医療の発展に貢献するため、さまざまな人を対象とする医学系研究に積極的に取り組んでいます。医学系研究は、ご参加いただく方々の安全や人権を守るために、また研究の意義や妥当性を検討するために、法律や国の指針に基づいて倫理審査委員会で審査・承認された後、実施機関等で必要な手続きを経てから実施されます。医学系研究は、皆様のご理解とご協力によってはじめて成り立つものであり、現在の医療も、これまでの研究にご参加いただいた多くの方々の、ご協力の結果によるものです。
    この研究は各ナショナルセンターですでに行われた新型コロナウイルス抗体調査、あるいはこれから行われる同調査にご参加いただいた方のデータを全ナショナルセンターで統合して行う研究です。この研究を実施するにあたっては、研究にご参加いただく方々の人権や安全への配慮について、医学の発展に役立つかどうかについて国立国際医療研究センター研究倫理審査委員会で審査され、承認を受け、理事長の許可を受けています。また、その際、国の定めた倫理指針にしたがって計画された研究であることも審査されています。
    この説明文書は、各ナショナルセンターでの職員抗体調査に参加された方を対象に、本研究へのデータ提供について説明するものです。お読みになって、分からない点などがありましたら末尾の研究問い合わせ担当者に遠慮なくお尋ねください。
  2. 参加の自由について
    本情報公開をお読みになり、研究の内容をご理解いただいた上で、この研究にデータを提供されるかどうかは、あなたの自由な意思で決めることができます。データを提供しない場合でも、その後の勤務や待遇において何ら不利益を受けることはありません。
    データを提供することにご同意いただけない場合のみ、本書の末尾に記載しています研究問い合わせ担当者にお申し出ください。お申し出がなかった場合には、ご同意いただけたものと判断させていただきます。
  3. この研究の対象となる方について
    この研究のデータ提供の対象となる方は、本センターでこれまでに行われた職員抗体調査に参加された方、あるいは今後参加される方です。本センターでの該当する研究名、研究責任者、研究分担者は以下の通りです。
    研究名:国立長寿医療研究センター職員における新型コロナウイルス感染症の実態と要因に関する観察研究
    研究責任者:フレイル研究部 小嶋雅代
    研究分担者:研究所長、メディカルゲノムセンター長 新飯田 俊平
    臨床検査部長 徳田 治彦
    感染管理室長 北川 雄一
    バイオセーフティ管理室長 錦見 昭彦
    バイオリソース管理部・副部長 渡邉 研
    共同利用推進室長 渡邉 淳
    フレイル研究部・研究員 安岡 実佳子
    フレイル研究部・研究員 渡邉 良太
  4. この研究の意義と目的について
    4.1. 研究の意義
    2020年1月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が国内ではじめて確認されて以来、暫くはクラスターに特徴づけられる散発的な発生が続いていましたが、3月下旬以降、東京や大阪など大都市を中心に患者が急増しました。4月初旬には全国に緊急事態宣言が発出され5月にはいったん、新規感染者は大幅に減少し緊急事態宣言が解除されました。その後7月、11月に第2波、第3波が到来し、終息の見通しが立っていません。2021年2月、医療従事者を対象にワクチン接種が開始され、その予防効果が期待されています。
    新型コロナウイルスは感染しても はっきりした症状がでないことが多く、その実態はよく分かっていません。感染後に体内でつくられる「抗体」を調べることで、感染の広がりを把握することができますが、抗体がどのくらい持続するのか、あるいは再感染しにくいのかという防疫上の役割はよくわかっていません。ワクチンについては、抗体の持続期間やウィルス変異種への予防効果などはっきりしない点があり、実際に接種した集団において検証する必要があります。
    このような背景から、日本国内の健常人の新型コロナウイルス感染症の感染実態とその背景要因との関連を明らかにするために、各ナショナルセンターでは職員を対象に、血中SARS-CoV-2抗体調査および調査票による疫学的要因調査を2020年度より開始しました。
    各ナショナルセンターでの解析を進める一方、同じ枠組みで調査を行っている6つのナショナルセンターの調査データを集約・統合し、様々な観点から共同で解析を行い、安定性の高いデータを社会に発信することが求められています。
    4.2 研究の目的
    ナショナルセンター職員における新型コロナウイルス感染の広がりを血中SARS-CoV-2抗体により把握します。新型コロナウイルス感染およびCOVID-19罹患に関わる諸要因(属性、職種、勤務場所、通勤形態、生活様式、生活習慣、検査値等)を調べます。
    COVID-19蔓延期におけるナショナルセンター職員の心身の健康状況を把握し、その要因を調べます。
    抗体価と風邪様症候群との関連を調べます。
    抗体陽性者における中和抗体力価を調べます。
    ワクチン接種後の抗体保有の状況やその持続期間、ワクチン接種に伴う感染・発症・重症化のリスク低減について評価します。
  5. 研究の方法
    研究の流れ
    各ナショナルセンターでは2021年3月までに初回抗体検査を実施し、同時期にウェブサイトまたは書面による質問調査と採血を行なわれます。ここまでは各ナショナルセンターでの研究として別途、説明と同意取得が行われます。
    本研究では、各ナショナルセンターで収集されたデータを匿名化し、研究事務局である国立国際医療研究センターで集約・統合し、そのデータを研究班として共同で解析します。
    2021年度、2022年度も同様の手順で調査およびデータ統合を行います。
  6. 研究参加により予想される利益と不利益
    6.1. 予想される利益
    本研究が直接あなたのためになることはないと考えられます。しかしながら、医療現場での感染状況を推定、把握し、ワクチン接種に関する新たな情報を得ることができれば、感染症の予防や医療現場の体制維持に役立てることができます。本研究により、新型コロナウイルス感染の実態やその要因が解明されれば、国民の本感染症対策の推進に貢献できます。
    6.2. 予想される不利益
    本研究でのデータ提供に伴い、ご本人が直接的に受ける特段の不利益はございません。
  7. データ提供に不同意の申し出をされた場合について
    この研究へのデータ提供への同意・不同意は、あなたの地位や待遇、勤務状況に一切影響しません。
  8. 研究の実施予定期間
    2021年7月5日から2025年3月31日まで
  9. あなたが負担する費用について
    抗体検査を含め調査に関わる費用は研究費から負担し、皆さまのご負担はありません。また、この研究へのデータ提供に伴い、謝礼などをお支払いすることはありません。
  10. 健康被害が発生した場合の対応・補償について
    本研究では各センターで行われた調査の参加者についての調査データを研究事務局に提供いただくのみですので、健康被害は発生しません。
  11. 個人情報の保護について
    本研究では匿名化された状態で各ナショナルセンターから情報を収集します。個人のデータには調査専用の番号を付与します。
  12. 試料や情報の取り扱い、二次利用について
    この研究で集約・統合したデータは研究事務局および解析を行う各ナショナルセンターで保管されます。このデータはとても貴重なものであり、研究が終わった後も保管しておけば、将来新たな研究成果を生み出す可能性があります。研究期間中に本研究データを医学研究に二次利用する場合には、研究計画書を改めて作成し、倫理審査委員会の承認を受けます。研究期間終了後は、個人を同定できないようにデータを匿名化し、期限を定めず保管し、後世の研究者も活用できるようにします。
  13. 研究の結果の公表と返却について
    この研究から得られた結果は、医学関係の学会や医学雑誌などで公表いたします。研究結果の発表に際しては統計処理をした結果のみを示し、個人が特定されることはありません。抗体陽性に関わる業務との関連を統計的に調べますが、個人や部署が同定される形で公表することはなく、偏見、差別、待遇面への影響はありません。なお、この研究の解析結果は研究段階のものであり、不正確なデータが多数混ざっているため、原則としてあなたにお伝えすることはありません。
  14. 研究の資金と利益相反について
    14.1. 「利益相反」の説明
    研究における利益相反とは、研究者が企業等から経済的な利益(謝金、研究費、株式等)の提供を受け、その利益の存在により研究の結果に影響を及ぼす可能性がある状況のことをいいます。
    14.2. 研究における利益相反の有無および内容
    本研究は国立高度専門医療センター医療研究連携推進本部(JH)運営費交付金によって実施します。
    本研究に関与する研究機関・実施施設や研究者・調査担当者が組織としてあるいは個人として申告すべき本研究に係る利益相反はありません。
    14.3. 利益相反の管理方法
    利益相反の状況については各ナショナルセンターの利益相反委員会に報告し、その指示を受けて適切に管理しています。本研究に関する利益相反の内容について詳細をお知りになりたい場合は、各ナショナルセンターの研究責任者までお問い合わせください。
  15. 研究組織・連絡先
    この研究全体の責任者・研究組織は以下のとおりです。
    研究代表者
    溝上哲也(国立国際医療研究センター)
    各NCにおける研究責任者
    井上真奈美(国立がん研究センター)
    大久保亮(国立精神・神経疾患研究センター)
    小嶋雅代(国立長寿医療研究センター)
    西村邦宏(国立循環器病研究センター)
    溝上哲也(国立国際医療研究センター)
    山口晃史(国立成育医療研究センター)
    この研究について何か知りたいことや、何か心配なことがありましたら、以下の研究相談担当者に遠慮なくおたずねください。

本研究に関するお問い合わせ先

 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 老年学・社会科学研究センター フレイル研究部
 部長 小嶋 雅代

 〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
 電話:0562-46-2311(代表)