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受付番号No.20TB6

「血液脳関門機能障害に着目した中枢神経系疾患早期診断技術の開発(受付番号No.20TB6)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター分子基盤研究部では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。
 国立長寿医療研究センターバイオバンクではお預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2021年1月29日

  1. 研究課題名
    「血液脳関門機能障害に着目した中枢神経系疾患早期診断技術の開発」
    (受付番号No.20TB6)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者の(部署名)(他の研究機関と共同して研究を実施する場合には、共同研究機関の名称及び共同研究機関の研究責任者の氏名を含む。)
    大阪大学大学院薬学研究科 教授 近藤 昌夫
    国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部 部長 里 直行
  3. 研究分担者名(部署名)
    大阪大学医学部附属病院 特任講師 平山 龍一
    大阪大学大学院薬学研究科 講師 橘 敬祐
  4. 当該研究の意義、目的
    超高齢化社会においてはアルツハイマー病や認知症等の増加が問題となっており、治療を早い時期から始めることにより、疾患の進行を抑制することが健康寿命の延伸に重要です。しかし、治療を早い時期から始めるためには、指標になるバイオマーカー(血液検査や機能検査など)が必要ですが、実用化されていません。脳をいろいろな外的な物質(毒)から守るために、脳の血管の構造は、血液中の物質が脳に漏れにくくなっており、そのような構造は血液脳関門と呼ばれています。血液脳関門ができるしくみとしましては、血管の細胞同士が非常に密着し、隙間がない状態にあることが重要であるとされています。アルツハイマー病や認知症等では、その密着した構造をつくるのに必要な物質が、血液で測れないかを本研究では検討します。それらの物質を測ることで、これら疾患に対する新たな早期診断技術の開発ができます。
  5. 研究に使用する情報
    バイオバンクに収集されている、軽度認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病等の中枢神経系疾患及び健常対象者の血液検体(血清あるいは血漿)及び匿名化された患者情報(匿名化された番号、性別、年齢、診断名、病期、グレード、既往歴)を用います。
  6. 当該研究の方法
    <解析の方法>
    BBBを形成する密着結合関連分子に対する特異的抗体を用いたELISA法により、臨床検体中の密着結合関連分子を定量し、各疾患における血中濃度範囲を解析します。提供していただく患者背景と検体解析結果の関連性を解析し、バイオ―マーカーとしてのPOCを確立するとともに、中枢神経系疾患の早期診断技術の開発を目指します。
    なお、試料としてin vitroで転写・翻訳した密着結合関連分子を用いた時は、0.03125 ng/mL以上の濃度で検出できています。
    <試料の管理>
    入手した血漿・血清・脳脊髄液サンプルは、大阪大学大学院薬学研究科、医薬品・医療機器規制科学研究室の鍵のかかる部屋に設置した鍵のかかる超低温フリーザーで凍結保存・維持します。
    研究終了時に試料が残った場合はバイオバンク事務局と相談して返却ないし廃棄します。
    入手した臨床情報データは、インターネットに接続しない専用のPCのみで管理します。
  7. 研究期間
    2021年1月29日 ~ 2025年3月31日
  8. 対象となる方・研究対象者として選定された理由
    バイオバンクに収集されている、軽度認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病等の中枢神経系疾患及び健常対象者の方
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    国立長寿医療研究センターバイオバンクに収集されている既存の試料(血漿・血清・脳脊髄液サンプル)および情報(検査データ・診療記録)を利用するのみです。プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご自身の試料・情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表や論文発表にて行う予定でおります。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い(匿名化する場合にはその方法を含む。)
    この研究では、国立長寿医療研究センターバイオバンクより上記5.の試料・情報の分譲を受けて使用いたしますが、匿名化されたうえで研究者に提供されています。研究者に提供された試料・情報がどなたのものであるかが分かる対応表はバイオバンクのみが保有しており研究者に提示されることはありません。
    また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
    バイオバンクより血液検体を受け取り、大阪大学大学院薬学研究科 医薬品・医療機器規制科学の研究室の鍵のかかる冷凍保管庫において保存します。それらの試料を用いて、大阪大学大学院薬学研究科 医薬品・医療機器規制科学の実験室において実施します。また、患者情報(匿名化された番号、性別、年齢、診断名、病期、グレード、既往歴)を記載した印刷物は、管理者となる近藤昌夫の居室の鍵のかかる書庫で保管します。また、電子情報は、ネットワークに接続しないパソコンにて解析、保管します。なお、それらデータは匿名化されたものであり、個人情報が漏洩することはありません。
    国立長寿医療研究センターバイオバンクより分譲された情報については、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間、大阪大学で保管します。使われなかった試料はバイオバンク事務局と相談し、研究終了後に返却ないし廃棄します。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    本研究の分担研究費は発生いたしませんので、研究に係る利益相反は生じません。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    大阪大学大学院 薬学研究科 教授 近藤 昌夫を通じて、分担研究者の里直行が行います。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
    国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部 部長 里 直行
    TEL:0562-46-2311(代表)