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倫理・利益相反委員会受付番号No.2007

「プロテオーム解析を用いたライフスタイル多因子介入の認知症リスク低減メカニズムの解明」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターバイオインフォマティクス研究部、オミクスデータ統合解析室、予防科学研究部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。

 本研究は、認知症リスクをもつ高齢者に対する進展予防を目指した多因子介入によるランダム化比較研究(J-MINT研究)のデータおよび国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。

 J-MINT研究では、対象者の皆様から、様々な調査を実施し認知症予防を目的とした研究に使用することについて同意をいただいております。また、国立長寿医療研究センターバイオバンクでは、お預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。

 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2026年2月5日

1.研究課題名

「プロテオーム解析を用いたライフスタイル多因子介入の認知症リスク低減メカニズムの解明」(倫理・利益相反委員会受付番号No.2007)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者

  • 国立長寿医療研究センター 理事長 荒井秀典

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター

  • 研究所 研究所長 櫻井孝

バイオインフォマティクス研究部

  • 部長 重水大智

オミクスデータ統合解析室

  • 研究員 山川明子

予防科学研究部

  • 主任研究員 杉本大貴
  • 研究員 内田一彰
  • 特任研究員 横山陽子、小野山絢香、篠﨑未生

4.本研究の意義、目的

認知症は急速に拡大している世界的な公衆衛生上の課題であり、認知症リスクを低減するための介入方法の開発は喫緊の課題です。近年、認知症発症には多様な危険因子が複合的に関与することが明らかとなっており、その結果として、複数の危険因子に同時に対策を行う多因子介入研究が国際的に進められてきました。

日本においても、2019年より認知症リスクを有する高齢者を対象とした多因子介入によるランダム化比較試験(J-MINT研究)が実施され、軽度認知障害を有する高齢者に対し、運動、栄養指導、認知トレーニング、生活習慣病管理から構成される、多因子介入プログラムの有効性が検証されてきました。J-MINT研究では、主要アウトカムである認知機能のコンポジットスコアの変化に全体として統計学的な群間差は認められなかったものの、APOEε4保因者4、ポリジェニックリスクスコアで認知症リスクの高い者、GFAP高値群、高血圧・高血糖などの、血管リスクを有する集団において介入効果が認められました。

しかし、介入効果が得られたこれらの集団において、アミロイドβやp-tau181、NfL、GFAPなど代表的な認知症に関連した血液バイオマーカーが必ずしも変化しておらず、認知機能低下の抑制に寄与する生物学的メカニズムは依然として明らかになっていません。

本研究の目的は、多因子介入の前後に採取した血液サンプルに対し、測定可能な約17,000種以上のタンパク質の網羅的プロテオーム解析を実施し、認知機能の改善または低下抑制に寄与する因子ならびに生物学的経路を明らかにすることです。さらに、得られたタンパク質プロファイルを用いて介入効果を受けやすい参加者の特徴を同定し、将来的な個別化予防の基盤構築を目指します。また、プロテオーム解析によって、加齢、代謝、血管、炎症など多領域にわたる生物学的情報を包括的に取得することで、認知症のみならず生活習慣病やフレイル等に関連するタンパク質も探索し、新たな病態機序の仮説生成や治療標的候補の抽出につながる知見を創出することを目的としています。

5.本研究に使用する情報

本研究では、J-MINT研究において取得された試料・情報を使用します。具体的には、J-MINT研究の初回および18か月評価で得られたバイオバンク採血の保存検体より必要量を分譲依頼し、米国のAlzheimer’s Disease Data Initiative, Inc.(AD Data Initiative)へプロテオーム解析の実施依頼を行います。J-MINT研究は、プロテオーム解析をAD Data Initiativeへ測定依頼するにあたって、データ提供者として、Global Neurodegeneration Proteomics Consortium (GNPC)に参加します。GNPCは、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、前頭側頭型認知症などの神経変性疾患を対象に、既存コホートのバイオサンプルから得られた大規模プロテオームデータと臨床データを統合・調和し、研究コミュニティに広く共有することを目的とした国際共同研究コンソーシアムです。GNPCでは、プロテオーム解析に係る費用をAD Data Initiativeが負担し、米国のDiscovery Life Sciences, LLC、SomaLogic, Inc.、Banner Health (Bunner Sun Health Research Institute)において、プロテオーム解析が行われます。つまり、バイオバンクで保管された血液検体は、ID化され個人が特定されない形で以下の委託業者に移送され解析されます。

Discovery Life Sciences

住所:900 Hudson Way Huntsville, AL 35806 米国
責任者:Donald Skifter, Vice President, Scientific Affairs.

SomaLogic Operating Co., Inc.

住所:2945 Wilderness Place Boulder, CO 80301 米国
責任者:David Panzarella,  Vice President, Commercial operations

Banner Health, an Arizona nonprofit corporation(Banner Sun Health Research Institute)

住所:10515 West Santa Fe Drive Sun City, AZ 85351 米国
責任者:Steven Sorosky,  Associate General Counsel

また、J-MINT研究で得られた、年齢、性別、生活歴などの基本情報に加え、身体機能や認知機能、生活機能、ライフスタイル、血液検査、脳画像検査、身体活動量、介入に関するデータなどを使用します。J-MINT研究で得られた対象者特性や検査結果の情報は、ID化され個人が特定されない形で、AD Data Initiativeへ提供されます。

Alzheimer’s Disease Data Initiative, Inc.

住所:4110 Carillon Point Kirkland, WA 98033 米国
責任者:Niranjan Bose, Interim Executive Director

上記の試料・情報の提供先が所在する国は、米国です。米国における個人情報の保護に関する制度として、医療情報の取扱いに関する枠組みの一つであるHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)があり、同法に基づくID化(de-identification)の基準(45 C.F.R. §164.514)が定められています。本研究において、各社へ試料・情報を提供する際には、米国HIPAAのID化基準(45 C.F.R. §164.514(a))に準拠して個人が特定されない形で提供します。また、提供先は、契約に基づき、研究目的の範囲内でのみ試料・情報を取り扱い、目的外利用の禁止、守秘義務、アクセス制御等の情報セキュリティ対策および残余検体の適切な廃棄等の措置を講じます。

AD Data Initiativeにおいて、上述のプロテオーム解析を担当するベンダー(SomaLogic, Discovery Life Sciences, Banner Health)から提供されるアッセイデータと、J-MINT研究が提出したメタデータを紐づけ、AD Workbench上で統合データセットに統合されます。統合データセットは、まずJ-MINT研究を含むGNPCのメンバーのみが利用できるエンバーゴ期間(最長12か月)に入り、この期間中はGNPCのメンバーが共同研究の枠組みでデータ解析を実施することができます。エンバーゴ期間終了後、統合データセットは、AD Data InitiativeによりAD Workbench上で一般研究者にも公開され、所定のアクセス手続きを経て広く研究に利用可能となります。

これらの試料・情報は、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後、提供予定です。

6.本研究の方法

J-MINT研究において取得された血液検体を活用し、合計約17,000種類のタンパク質情報の取得をします。また、J-MINT研究で取得された情報と新たに取得したタンパク質情報を用いて、1)多因子介入の効果と関連因子の同定、2)多因子介入プログラムのResponder(効果が得られやすい集団)の検討、3)認知機能および関連指標の変化に影響をおよぼす因子の検討、4)GNPCに登録されたデータを活用した外部妥当化および比較研究、5)遺伝子多型とタンパク質発現の関連解析(pQTL)を実施する予定です。これにより、多因子ライフスタイル介入が、認知機能および関連する因子や生物学的経路におよぼす影響を多面的に評価します。

7.研究期間

2026年2月5日から2029年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

J-MINT研究に参加し、国立長寿医療研究センターバイオバンク事業へ同意された方を対象とします。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

本研究では、J-MINT研究と国立長寿医療研究センターバイオバンクにすでに収集されている試料・情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の試料・情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、その研究結果に含まれるあなたの情報を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、当センターのホームページや学会発表、論文投稿などにて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、試料・情報はID化した上で提供されるので、個人情報が研究者に提示されることはありません。研究者に提供された情報がどなたのものであるかがわかる対応表は、J-MINT研究の情報はJ-MINT研究事務局、試料についてはバイオバンクが保有しており、外部に流出することはありません。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも個人を特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

J-MINT研究の血液検体は、バイオバンクに保存されています。保存された試料は、ID化して、検査会社に送付され解析されます。検査会社に送付されない試料については、バイオバンク事業の規定にのっとって保存・管理されます。また、検査会社で解析後の残余検体は、検査会社の規定にのっとって廃棄されます。

本研究で作成するデータセットおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も、国立長寿医療研究センター、バイオインフォマティクス研究部、オミクスデータ統合解析室、予防科学研究部で保管します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

研究資金は、以下の研究資金によりまかなわれています。なお、プロテオーム解析に係る費用は、AD Data Initiativeが負担します。また、本研究の計画・実施・報告・作成するデータベースおよび結果の解析と解釈に影響をおよぼすような、利益の衝突は存在しません。この研究に関する利益相反に関しては、当センターの利益相反対処方針に従い、利益相反行為防止規則を遵守し、適正に本研究を実施します。

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 長寿医療研究開発費(25-4)

課題名:MCIの早期発見・早期介入と認知症合併症の予防に関する研究
代表:櫻井孝

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 長寿医療研究開発費(獲得予定)

課題名:ライフスタイル多因子介入の認知症リスク低減メカニズムの解明
代表:櫻井孝

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら、下部のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

理事長 荒井秀典

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)