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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.2004

倫理・利益相反委員会受付番号No.2004

「認知機能低下高齢者の行動・心理症状と指輪型ウェアラブルデバイスで取得した健康指標データとの関連性検証」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、札幌医科大学にて行われる「地域における認知症リスクの早期発見フローの検証(倫理番号:6-1-20)」に参加された方々を対象に、指輪型ウェアラブルデバイスの装着と簡単なアンケートを実施していただき、認知機能低下に伴う特徴的な行動特性および行動・心理症状を明らかにするものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる皆様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2026年1月26日

1.研究課題名

「認知機能低下高齢者の行動・心理症状と指輪型ウェアラブルデバイスで取得した健康指標データとの関連性検証」(倫理・利益相反委員会受付番号No.2004)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者

研究代表者

  • 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター センター長 島田裕之

研究責任者

  • 札幌医科大学保健医療学部理学療法学科 准教授 井平光
  • 北海道大学 環境健康科学研究教育センター 特任講師 牧野圭太郎
  • 株式会社SOXAI R&Dマネージャー 大塚直樹

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター

  • 荒井秀典
  • 研究所 櫻井孝
  • 予防老年学研究部 土井剛彦、片山脩、原田健次、西島千陽、藤井一弥、山口亨、下田隆大、中島千佳、崎本史生、松田総一郎、山際大樹、垣田大輔、野坂進之介、赤井田将真、奥谷卓音、相馬夏月、阿部夏音、川上歩花、森川将徳、杉本大貴、篠崎未生、
  • デジタルヘルス研究チーム 中窪翔

札幌医科大学 保健医療学部作業療法学科

  • 横山和樹

4.本研究の意義、目的

本研究は、認知機能低下高齢者を対象に、指輪型ウェアラブルデバイスを用いて、認知機能低下に伴う特徴的な行動特性および行動・心理症状を明らかにすることを目的とします。
高齢者の認知機能低下は早期の発見と介入が極めて重要である一方で、認知機能に関連する日常行動の変化や行動・心理症状に関する理解は十分とはいえず、評価手法の標準化も進んでいません。従来のスクリーニング検査や問診のみでは、生活習慣の微細な変化や生活リズムの乱れを的確にとらえることが困難です。
本研究では、指輪型ウェアラブルデバイスを用いて、皆様の行動特性を日常生活の中で継続的にモニタリングするとともに、行動・心理症状に関するアンケート調査を実施します。これにより、客観的データと主観的データを統合的に解析し、認知機能低下高齢者に特有の行動パターンや行動・心理症状の特徴を明確化し、指輪型ウェアラブルデバイスによる評価の有用性を検証します。さらに、本研究で得られた知見は、認知機能低下高齢者への生活支援や介入方針の策定、加えて早期診断や予防を目的とした実践的な評価手法の確立に貢献することが期待されます。

5.本研究に利用・提供する情報、利用・提供を開始する予定日

本研究対象者の氏名、郵便番号、住所などの個人情報

上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後2週間以上経過後から、利用・提供予定です。
(札幌医科大学井平光から国立長寿医療研究センター島田裕之に提供予定)

6.本研究の方法

本研究は、札幌医科大学が地域在住高齢者を対象に実施する認知機能スクリーニング検査を受検した方のうち(札幌医科大学倫理委員会承認済み[地域における認知症リスクの早期発見フローの検証])、国立長寿医療研究センターが実施するアンケート郵送調査(研究倫理No.1838-2)において、【質問14_脳の健康度チェックを受けた後、脳の状態を詳細に調べるために医療機関(かかりつけ医を含む)を受診しましたか(病気やケガなどほかの理由で受診した場合は除きます)。あてはまる番号「ひとつ」に〇をつけてください。】の質問項目に対して、「すでに医療機関を受診した」または「すでに医療機関の受診予約をしており、後日受診予定である」と回答した方を対象として、研究参加を依頼します。

同意取得は、郵送による書面にて取得します。本研究への同意取得と同時に、認知症に関連する行動・心理症状に関するアンケート用紙および指輪型ウェアラブルデバイスのサイズ測定キットも同封し、実施を依頼します。

その後、研究参加に同意した対象者情報は、札幌医科大学から国立長寿医療研究センターに提供されます。そして、国立長寿医療研究センターから指輪型ウェアラブルデバイスを郵送にて提供し、デバイス到着日をDay1とし、Day2からDay6までの5日間にわたり、指輪型デバイスを装着していただきます(図1)。

計測終了後、同封の返信用封筒にて機器一式を国立長寿医療研究センターにご送付いただき、調査は終了となります。

図1 指輪型ウェアラブルデバイスのプロトコール

7.研究期間

2026年1月26日から2036年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

本研究は、「厚生労働行政推進調査事業費補助金 認知症政策研究事業 共生に向けた認知症早期発見・早期介入実証プロジェクト研究(J-DEPP)」の一環として実施いたします。本研究では、認知機能スクリーニング検査の結果を受けて、すでに医療機関を受診した、あるいは受診予約を行っている方を対象者として選定しております。これらの方々は、認知機能の変化に関心が高く、かつ医療機関における精査につながる行動をとっていることから、認知症に関連する行動・心理症状の早期把握および関連要因の検討において、重要な情報を提供いただけると考えられます。また、指輪型ウェアラブルデバイスによる日常的な身体活動や生理指標の測定にご協力いただくことで、認知機能変化が生活行動におよぼす影響をより正確に評価できる点も、対象者としての適格性を満たす理由となっております。

以上の理由から、本研究の目的達成にもっとも適した方々として、皆様に研究協力をお願いするものでございます。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

負担

対象者に生じる負担として、指輪型ウェアラブルデバイスの長時間装着による違和感や圧迫感、睡眠中・家事・作業中などでの軽い不快感が生じる可能性があります。

リスク

本研究において、対象者が指輪型ウェアラブルデバイスを5日間装着することにより生じる可能性のあるリスクとして、以下が考えられます。

  • 皮膚への影響:長時間の装着により、まれに皮膚の発赤、かゆみ、発疹、圧痕などの皮膚トラブルが生じる可能性があります。
  • 不快感・違和感:指輪のサイズによっては、日常生活動作において軽度の違和感や圧迫感を覚える可能性があります。
  • 偶発的な紛失・破損:日常生活中にデバイスが外れたり破損したりすることに伴い、心理的負担や不便が生じる可能性があります。
  • 心理的負担:継続的にモニタリングされていることに対するストレスや、行動の制約感を感じる場合があります。

これらのリスクはいずれも重大なものではなく、発生頻度も低いと想定されますが、研究参加にあたっては十分に説明を行い、同意を得た上で実施します。

利益

本研究に参加することにより、対象者は自身の生活習慣や身体活動に関する客観的なデータを得る機会を有します。なお、本研究の調査フィードバックは、指輪型ウェアラブルデバイスの返却日より起算して2ヶ月程度をめどに対象者へ郵送します。これにより、ふだん意識していなかった活動量や睡眠の傾向に気づくことができ、生活習慣の改善に資する可能性があります。また、本研究を通じて得られた知見は、高齢者における健康維持や疾病予防に役立つ科学的根拠の蓄積に寄与し、将来的に対象者自身および社会全体の健康増進に貢献することが期待されます。

総合評価

以上のことより、本研究が対象者へもたらす利益は、予想される負担やリスクよりも大きいと判断されます。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身のデータが、本研究課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報から削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがありますので、あらかじめご了承ください。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、個人が特定されないようにデータを加工し、論文・学会発表・報告書・マスメディアへの公表の形にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

研究実施にあたり、生データや同意書などの個人情報を取り扱う際には、対象者の秘密保護に十分配慮します。研究結果を公表する際には、対象者が特定される情報を一切含めません。また、研究目的以外で対象者データを使用せず、プライバシー保護を徹底し、いかなる個人情報も外部に漏洩しないよう管理します。ID化された解析結果等は公開しますが、個人が特定されるデータは公表しません。

同意を得た方については、認知症の早期発見・早期介入を目的として、検査結果や検査実施日、指輪型ウェアラブルデバイスによる測定データなどをJ-DEPP事務局に提供する場合があります。また、対象者が住民登録している自治体に対して、必要に応じて情報提供を行う場合があります。具体的には、ウェアラブルデバイスや行動・心理症状の評価により軽度行動障害(Mild Behavioral Impairment)が疑われる方に対し、自治体の認知症初期集中支援チームや保健師、地域包括支援センター職員による支援を目的とする場合です。さらに、現時点で対象者が特定されない範囲において、国立長寿医療研究センターおよび札幌医科大学(以下「研究機関」という。)の倫理・利益相反委員会で承認された将来の研究案内を送付する場合があります。

データ管理責任者は研究代表者とし、個人情報管理者を別途指定して、対象者情報と研究用IDの対応表を適切に管理します。研究データは、物理的・技術的安全管理措置を講じた情報基盤等に厳重に保存します。データはすべて研究用番号で管理され、解析・分析は統計処理によって行うため、個人が特定されることはありません。

なお、本研究では研究機関の間でデータ授受を行います。対象データは、同意された方の氏名、郵便番号、住所や、指輪型ウェアラブルデバイスで測定した健康指標および認知症に関連する行動・心理症状です。これらの要配慮個人情報については研究用番号を付与し、セキュリティに配慮した手段で授受します。情報の授受に際しては、提供先では提供元の機関名および責任者氏名、提供元における取得の経緯、情報の項目を、提供元では提供先の機関名および責任者氏名、情報の項目を記載した記録を、毎回作成します。記録は、対象者の検査結果の情報とは別に保管します。情報の授受に関する記録の保管方法および保管期間は、試料・情報の保管および廃棄の方法に準じます。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

研究の実施にかかわる必須文書は、研究機関において保管します。各研究機関では、保管責任者を研究責任者とし、研究終了から10年間保管します。また、個人が特定される情報にかかわる資料については、特定の個人情報管理者が適切に保管および廃棄を行います。しかしながら、研究対象者から要請があった場合には、本研究で得られた情報を完全に抹消する形で廃棄します。

なお、長期的にデータを保存するため、文書類および紙媒体のデータは随時スキャンを行い、電子化データとして保管した後に廃棄し、電子化したデータをCertified copyとして取り扱い保存します。電子化データは、研究機関において暗号化した上で安全管理措置を講じた情報基盤に保存し、定期的にバックアップを実施します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究を実施するにあたり、厚生労働行政推進調査事業費(研究代表者:荒井秀典、研究分担者:島田裕之、井平光)および長寿医療研究開発費(主任研究者:島田裕之)から、費用が支出される予定です。また、株式会社SOXAIから研究機材として指輪型ウェアラブルデバイスの無償提供を受けますが、本件については共同研究審査委員会において承認済みです。その他、申告すべき利益相反情報はなく、本研究の計画・実施・報告において、研究結果および結果の解釈に影響をおよぼすような「起こり得る利益の衝突」は適切に管理されており、研究の実施が対象者の権利・利益を損ねることはありません。

なお、本研究の結果に基づいて特許等の知的所有権が生じた場合には、研究者あるいは研究機関がその知的所有権を有することとします。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に対する問い合わせは、下部において随時受け付けます。ご希望があれば保有する個人情報についての開示を行います。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

老年学・社会科学研究センター

センター長 島田裕之

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)(平日10時から16時)

札幌医科大学

保健医療学部理学療法学科

准教授 井平光

〒060-8556 北海道札幌市中央区南1条西17丁目

電話:011-611-2111(代表)(平日10時から16時)