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「NILS-LSA対象者における運動習慣と健康寿命に関する縦断研究」についてのお知らせ
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2025年10月16日
記
「NILS-LSA対象者における運動習慣と健康寿命に関する縦断研究」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1974)
この研究課題は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼
日本の65歳以上の人口は、2040年には3,921万人に達するといわれ、健康・介護・老後資金にかかわる3つの「不」(不安・不便・不足)を解消していくことがより一層重要とされています。現在、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である健康寿命と平均寿命には約10年の差が生じており、この差の解消が課題となっています。
本研究では、中高年期における運動習慣が、どの程度、無障害生存期間(要支援・要介護認定を受けずに生存している期間)を延伸するかを検討することによって、中高年期の運動習慣と健康寿命延伸との関連性を明らかにすることを目的とします。
中年期から運動習慣を身につけると、高齢期になってからも身体・認知機能が維持されることが報告されており、中年期の運動習慣は高齢期の健康増進に寄与することが知られています。しかしながら、運動習慣を有する現役世代は男女ともに23%程度に留まっており、現役世代の運動意欲を高める科学的根拠が必要です。本研究を通し、中年期および高齢期に運動習慣がある場合、どの程度、無障害生存期間を延伸できるかに関する科学的根拠を示すことにより、運動習慣のない方の運動意欲の向上や、運動習慣がある方の運動の継続性が図られることにより、広く国民の健康増進が促されることが期待されます。
以下の、NILS-LSA第1次から第7次調査のデータを用います。
身体活動量、生活時間調査(坐位時間、余暇活動時間)、外出頻度、余暇活動
公的情報(要介護認定情報)の二次利用
性、年齢、教育年数、経済状況、婚姻状況、抑うつ(CES-D)、食品・栄養素等摂取量(写真撮影を併用した3日間の食事秤量記録調査)、就業状況、喫煙、飲酒等
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
*上記の情報については、被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。
*SOMPOホールディングス株式会社へのデータ提供はありません。
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次調査から第7次調査(1997年から2012年)のいずれかに参加した方を対象とし、中高年期の運動習慣の有無によって、要支援・要介護認定を受ける年齢にどの程度の差が生じるかを統計学的に推定することで、中高年期の運動習慣と健康寿命延伸との関連性を明らかにします。
2025年10月16日から2029年3月31日
NILS-LSA第1次調査から第7次調査(1997年から2012年)のいずれかに参加した男女のうち、解析に使用する変数に欠損のない約3,800名を対象者とします。
NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など、追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。また、SOMPOホールディングス株式会社へのデータの授受はありません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は、個人が特定されない状態で完全に消去します。
NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究遂行に際しては、主としてSOMPOホールディングス株式会社との共同研究費を利用しますが、一部、長寿医療研究開発費からも支出いたします。
SOMPOホールディングス株式会社と、国立長寿医療研究センターおよび本研究に参加する両組織の研究者の間に、一切の利害関係はありません。利益相反については、当センターの利益相反対処方針に従い、利益相反行為防止規則を遵守し、適正に本研究を実施します。尚、共同研究成果の学術的公表に際しては、利益相反事項を明示し、研究成果に歪みが生じないよう細心の注意を払います。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)