ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1972
「薬局来局患者を対象とした薬剤調整支援者によるポリファーマシー対策の実施状況と影響の検討」についてのお知らせ
国立長寿医療研究センター高齢者薬学教育研修室では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、研究に同意した薬局薬剤師が日常業務で得た情報から必要な情報を取り出し、アンケートに回答することによって行われるものです。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2025年9月22日
記
「薬局来局患者を対象とした薬剤調整支援者によるポリファーマシー対策の実施状況と影響の検討」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1972)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
国立長寿医療研究センター 薬剤部 薬物治療管理主任 溝神文博
国立長寿医療研究センター 長寿医療研修部 高齢者薬学教育研修室 田口怜奈
厚生労働省では医薬局安全対策課委託事業において、高齢者の薬物療法の安全確保に向けた指針や業務手順書を作成し、令和7年度の事業として薬剤師に対する研修を進めてきました。本研究では、これらの国の方針をふまえて、業務手順書や指針に基づくポリファーマシー(多くのくすりを服用しているために、副作用を起こしたり、きちんとくすりが飲めなくなったりしている状態をいいます。)対策の実態と影響を観察することで、より多くの患者さんの薬物療法の安全性に貢献し、薬物有害事象の低減につなげたいと思います。
本研究では、研究に同意した薬剤師に対して、日常業務としてのポリファーマシー対策に関するアンケートを実施します。これにより、「地域における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方(地域版業務手順書)」および「高齢者の医薬品適正使用の指針」に基づく研修を受講した薬局薬剤師による、日常業務としてのポリファーマシー対策の実施状況と薬局に来局した高齢患者さんの薬物療法に与える影響について、比較・検討することを目的とします。
年齢、性別、身長、体重、腎機能、かりつけ薬剤師の登録、来局頻度、要介護認定状況、処方情報(受診医療機関数(診療科数)、通っている薬局数、アドヒアランス評価、服薬拒否、薬(来局日、薬剤名、数、内服・外用、1日服用回数)、ヒアリング内容(過去に副作用を経験したことがあるか、アレルギー歴、一般用医薬品・サプリメント・健康食品の使用、お薬の管理、お薬を使用するときに介助が必要か、お薬の管理方法について工夫していること、お薬について困っていること、お薬を飲むときの工夫、お薬に関する調整の希望)、薬の副作用チェック(日中の眠気が続くことがあった、この2週間で理由もなく疲れたような感じがした、周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われる、食欲が低下したと感じる、ふらつきやめまいを感じることがある、過去6ヶ月で転倒したことがある、排尿に関して困難を感じる、排便に関して困難に感じる、口の渇きが気になる、お茶や汁物でむせることがある)
上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1ヶ月以上経過後から、利用・提供予定です。
本研究のアンケート調査は、令和7年度厚生労働省医薬局安全対策課委託事業に参加しており、薬局において日常業務としてのポリファーマシー対策に従事している薬剤師で、研究参加に同意した方を対象としています。薬剤師は、報告対象者としての条件を満たした患者さんの、観察対象期間における、日常業務としてのポリファーマシー対策の記録を含めたアンケート調査に回答します。従来の方法でポリファーマシー対策を実施する薬剤師と、指針や手順書に基づく研修を受講した薬剤師で、ポリファーマシーに関する問題点、介入内容、処方の変化、医師・多職種との連携を比較します。また、研修を受講した薬剤師のポリファーマシー対策効果に関連する因子を明らかにします。
研究期間:2025年9月22日から2026年3月31日
データ入力期間:2025年9月22日から2026年1月31日
本研究は、薬局において日常診療としてポリファーマシー対策を行っている薬剤師を対象とした、アンケート調査です。ただし、従来の方法で業務を行っている薬剤師と、研修を受講した薬剤師とのポリファーマシー対策の実態を観察するために、2025年9月1日から2025年11月30日の間で来局された患者さんについて、診療業務の範囲内で得られたポリファーマシー対策の記録等の情報を使用します。2026年1月31日までに再来局した際の情報も、調査対象とします。
条件は、薬剤師による日常診療としてのポリファーマシー対策を受けた方のうち、75歳以上で、定期内服薬が10剤以上ある患者さん、または、自治体の発行するポリファーマシー対策通知を持参した患者さんが対象となります。ただし、すべての服用薬剤情報が正しく得られない患者さん、観察対象薬剤師が研究対象として登録に該当しないと判断した患者さんは、対象から除きます。
既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に利用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、厚生労働省高齢者医薬品適正使用検討会への報告書・学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
本研究では、診療情報より上記5.の情報を抽出して利用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態でアンケートに回答をいただきます。
また、研究成果は報告書・学会発表・論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、コード化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間、保管いたします。抽出したデータ、コード化されたデータについては国立長寿医療研究センター高齢者薬学教育研修室で、作成された対応表については各施設にて、保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかに紙媒体をシュレッダーにかけ、USB等の記録媒体は物理的に破壊の上廃棄いたします。また、パソコン上のデータは専用のソフトウエアを使用し、情報を完全に消去いたします。
本研究における研究資金については、令和7年度厚生労働省医薬局医薬安全対策課委託事業として、エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所からの再委託を受け、研究を実施いたします。当研究に係る、利益相反はございません。
研究に対するお問い合わせがございましたら、下部のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
薬剤部 薬物治療管理主任 溝神文博
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)