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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1957

倫理・利益相反委員会受付番号No.1957

「NILS-LSA対象者における生活習慣病予防に関する学際的研究」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年9月8日

1.研究課題名

「NILS-LSA対象者における生活習慣病予防に関する学際的研究」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1957)

この研究課題は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2-1.研究代表者

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

2-2.研究機関の名称および研究責任者

  • 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼
  • 名古屋大学 大学院 医学系研究科 国際保健医療学・公衆衛生学 教授 八谷寛

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長 西田裕紀子

4.本研究の意義、目的

「生活習慣病」とは生活習慣、環境要因、遺伝的素因が、その発症や進展に関与する疾患を総括する概念で、心血管疾患、糖尿病、高血圧、脂質異常症、一部のがんなどが含まれます。生活習慣病は中高年期に発症率が高くなり、種々の後遺症や合併症により健康寿命の延伸を妨げることから、我が国の疾病対策・健康づくり対策の中心的課題の一つとされています。しかしながら、中高年期における各疾患に影響を及ぼす要因や、それらの相互関係、予後(死亡や要介護発生)への影響に関する疫学的検討は十分ではなく、各種の生活習慣を含め多面的な検討が必要です。
本研究では、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging: NILS-LSA)」で長期にわたり収集してきた、一般地域住民の医学・栄養学・運動生理学・心理学等、多領域の縦断データを用い、生活習慣病の発症予防・重症化予防にかかわる要因および予後への影響を学際的に明らかにすることを目的とします。

5.本研究に利用・提供する試料・情報、利用・提供を開始する予定日

以下の、NILS-LSA第1次から第9次調査のデータを用います。

1)生活習慣病に関する変数

  • 既往歴・現病歴:脳血管疾患、高血圧、心疾患、脂質異常症、腎臓病、肝臓病、胆石・胆嚢炎、糖尿病、胃・十二指腸潰瘍、結核・肋膜炎、喘息、慢性気管支炎、貧血、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性膝関節症、痛風・高尿酸血症、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、がん、骨折、前立腺肥大、認知症、パーキンソン病
  • 薬効別薬物使用状況
  • 循環器系検査:血圧、脈波伝播速度、頚動脈内膜中膜肥厚、眼底動脈硬化、心電図
  • 体組成検査:身長、体重、腹囲、臀囲、腹部前後幅、脂肪厚・筋肉厚測定、体脂肪率、部位別脂肪量・除脂肪量
  • 血液検査:インスリン、血糖、HbA1c、総蛋白、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、尿酸、クレアチニン、GOT、GPT、γ-GTP、コリンエステラーゼ、鉄、カルシウム、リン、アルブミン、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、血小板数
  • 頭部MRI

2)生活習慣に関する変数

食品・栄養素等摂取量、身体活動量、生活時間調査(睡眠時間、坐位時間、余暇活動時間)、外出頻度、余暇活動、就業状況、喫煙、飲酒等

3)その他の変数

性、年齢、教育年数、経済状況、婚姻状況、主観的健康感、抑うつ、認知機能、ADL(老研式活動能力指標、Katz Index)、フレイル(CHS基準)、身体機能(歩行速度、握力)、閉経、APOE遺伝子多型、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素遺伝子C677T多型、栄養関連血液マーカー(アミノ酸、脂肪酸、ミネラル、ビタミン等)

4)死亡、要介護度(公的情報(人口動態統計、要介護認定情報)の二次利用)

 *本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。

*上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用・提供予定です。

情報の提供を行う機関の名称およびその研究責任者氏名

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

*本研究では、死亡、要介護認定情報を除く上記の情報を、名古屋大学に提供します。

6.本研究の方法

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次調査から第7次調査(1997年から2012年)のいずれかに参加した男女を研究対象者として、各種生活習慣と生活習慣病の関連や、その関連に影響を与える要因についての検討、生活習慣病と死亡や要介護発生との関連についての検討を行います。

7.研究期間

2025年9月8日から2031年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第1次調査から第7次調査(1997年から2012年)のいずれかに参加した男女のうち、解析に使用する、変数に欠損のない約3,800名を対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や、転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は、集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。解析に先立ち、国立長寿医療研究センター研究責任者から、名古屋大学の研究責任者に、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態の情報(死亡、要介護認定情報を除く)を提供します。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する死亡、要介護認定情報以外のすべての情報は、名古屋大学大学院医学系研究科内の施錠管理されたキャビネット内で、パスワード保護されたハードディスクにおいても保管します。本研究で利用する、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また同様に名古屋大学においても、大学院医学系研究科内の施錠管理されたキャビネット内で、パスワード保護されたハードディスク(NILS-LSAデータ)および研究データ保管システム(学術的公表に関する解析結果や解析プログラム)にて保管します。尚、研究終了後10年間の保管期間内に、名古屋大学の研究責任者が異動等により名古屋大学の所属がなくなる場合は、名古屋大学に保管したNILS-LSAデータは国立長寿医療研究センターに移管し、上述の通り保管します。
特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いた全すべての情報は、個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費および日本学術振興会の科学研究費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係はなく、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 

研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

長期縦断疫学調査センター

老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)