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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1956

倫理・利益相反委員会受付番号No.1956

「当センターにおけるリハビリテーション効果に関する動作解析による調査」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。本研究は、通常の診療で得られた情報(動作解析データや電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年9月8日

1.研究課題名

「当センターにおけるリハビリテーション効果に関する動作解析による調査」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1956)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者

国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 部長 加賀谷斉

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部

尾崎健一、伊藤直樹、松村純、相本啓太、山崎栄晴、今村遼太郎、川瀬広大

4.本研究の意義、目的

動作解析の例

国立長寿医療研究センター(以下「当センター」という。)のリハビリテーション(以下「リハ」という。)科部では、身体に貼り付けた小さな球(マーカ)などを貼り付けての専用カメラでの撮影や、ビデオカメラで撮影した動画を用いて人の動き(歩幅や関節角度など)を解析するなどの、動作解析を実施しています。理学療法、作業療法の目的の1つには、基本的動作や日常生活動作の改善があげられます。これらの動作の効果的な改善を図るためには、客観的かつ定量的に動作を評価できる動作解析が不可欠であり、その活用が極めて重要です。

本研究の目的は、当センターにておいてリハを行っている患者さんの動作に関する臨床データと、日常的に収集している診療録データを後方視的に分析することで、動作の改善と理学療法および作業療法による身体機能などの特徴の変化との関係を、明らかにすることです。本研究の意義は、将来のリハの質の向上および個別化支援の実現に資する知見を提供できる点にあります。

5.本研究に利用する情報、利用を開始する予定日

本研究は、通常の診療で得られた情報(動作解析データやカルテなど)から、必要な情報を使用します。当センターでは、それぞれの病期におけるリハの開始時、終了時および日々の診療において臨床上必要な、心身機能の評価や情報収集を行っています。本研究では、動作解析計測を開始した過去4年から今後5年にわたる入院および外来におけるリハを利用する患者さんの、動作解析に関する臨床データを対象とした解析を行い、効果や特徴を明らかにすることを目的とします。当センターでは、リハの開始時、終了時および日々の診療において臨床上必要な、心身機能の評価や情報収集を行なっています。動作解析データとこれらの診療データとの関連の検討も行います。
使用する診療情報は、以下の通りです。

動作解析によるデータ

光学式動作解析(VICON、Kinema Tracer)、マーカレス動作解析(Theia3D、OpenPose、MediaPipe、LeapMotion、DeepLabCutなど)、加速度計などを搭載した9軸センサによる運動学データ、およびこれらと床反力データなどの力学データを組み合わせた運動力学データを使用します。具体的には、運動学データは、歩幅や関節角度、重心位置などで、運動力学データは関節モーメント、足圧中心などです。

その他の評価項目

すべての患者さんの診療情報

年齢、性別、疾患名、現病歴、症状発現からリハ開始までの期間、入院期間(入院患者さんのみ)、服薬状況、同居家族数、キーパーソン、生活歴、教育歴、要介護認定、介護サービスの利用状況、転倒歴(転倒歴のあるものはその状況や外傷の有無等を含む)、運動頻度

入院・外来リハ患者さん共通評価項目

  • 身体機能・構造:身長、体重、Body Mass Index(BMI)、Timed Up and Go Test(TUG)、下腿周径長、2ステップテスト、ロコモ25、握力、膝伸展筋力、膝関節関節可動域(屈曲/伸展)、10m歩行速度、Standing test for Imbalance and Disequilibrium(SIDE)、Short Physical Performance battery(SPPB)、片脚立位時間、Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)
  • 栄養状態:Mini Nutritional Assessment(MNA®)、Mini Nutritional Assessment- Short Form (MNA-SF®)、血液検査値(Alb、AST、ALT、T-CHO、CRE、eGFR、HbA1c)、CONUT score、GLIM criteria、Brief-type self-administered Diet History Questionnaire(BDHQ)
  • アドヒアランス(adherence):指示遵守、衝動性、メタ認知SIDEと実際のSIDEとの一致の有無

  • 神経心理学的検査:Mini mental State Examination (MMSE)、Mini mental State Examination Japanese (MMSE-J)、WAB失語症検査、CADL実用コミュニケーション能力検査

  • 日常生活活動: Barthel Index(BI)、Functional Independence Measure(FIM)、NCGG Practical ADL Scale(NCPAS)、Lawton手段的ADL尺度

  • フレイルの評価:基本チェックリスト、日本語版Cardiovascular Health study基準(J-CHS基準)、簡易フレイルインデックス、Clinical Frailty Scale(CFS)

  • サルコペニアの評価:AWGS2019基準による判定(握力、SPPB、筋肉量)、SARC-F

  • 自主トレーニング実施頻度:自主トレーニング(当センター在宅活動ガイドHEPOP®などを用いて指導された運動内容)の実施頻度(回/週)および実施項目

ロコモフレイル外来より紹介された患者さんの評価項目

  • 上記の共通評価項目
  • 生活範囲・社会活動:Life Space Assessment(LSA)
  • 身体機能・構造: 6分間歩行距離
  • ロコモティブシンドロームの評価:2ステップテスト、立ち上がりテスト、ロコモ25
  • 転倒不安感:Falls Efficacy Scale-International(FES-I)
  • 行動変容ステージ分類:Trans-Theoretical model(TTM)

上記の情報については、利用前に研究参加者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。

6.本研究の方法

2021年4月1日から2029年3月31日までの間に、当センターにて入院・外来リハを実施した患者さんを対象とし、その診療データを用いて分析を行います。

7.研究期間

2025年9月8日から2030年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

2021年4月1日から2029年3月31日までの間に、当センターにて入院・外来リハを実施した患者さん約10,000名の診療データを分析対象として行うものです。

9.研究の科学的合理性の根拠

理学療法、作業療法の目的の1つには、基本的動作や日常生活動作の改善があげられます。これらの動作の効果的な改善を図るためには、客観的かつ定量的に動作を評価できる動作解析が不可欠です。当センターが所有する動作を計測可能な機器を用いて、リハ対象者の方における動作の変化を示すことは、将来のリハの質の向上および個別化支援の実現に資する知見を提供できると考えています。

10.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。本研究の成果を生かすことで、歩き方など動作に対する、先駆的な対策・対応方法の構築に貢献できるものと考えます。

11.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたに関する情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合には、解析結果を削除できないことがあります。

12.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。また、対象者個別のデータ開示については予定をしていておりません。

13.個人情報等の取扱い

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

14.個人情報等の取扱い

プライバシー保護のため、対象者の個別の研究結果については秘密を厳守し、研究結果から得られるいかなる情報も研究の目的以外に使用致しません。
本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の、新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。個人情報を除いた抽出データファイルおよび対応表へのアクセス権は、研究責任者と研究分担者のみとします。個人情報を除いたファイルは、当センターリハ室内のパソコンならびに研究責任者および研究分担者のパソコン内における、当センターが契約しているOneDrive内にて共有します(研究責任者または研究分担者のOneDriveから、研究分担者に個別にアクセス権限を付与することで共有します)。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は、研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも個人を特定できるような内容を含むことはございません。

15.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、個人情報を除いたデータについては、研究期間終了後または学会や論文等での発表から、10年間保管いたします。これらの個人情報を除いたデータは、当センターが契約しているOneDrive内に解析する目的で移動することがありますが、個人が特定されることはありません。保存期間満了後は速やかに、電子媒体データの消去、紙媒体データのシュレッダー処理にてデータを廃棄いたします。

16.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究は、長寿医療研究開発費の助成にて行っております。その他に開示すべき利益相反はありません。

17.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関する疑問点や、知りたいことがあった場合、個人情報に抵触しない範囲であれば研究の資料(研究計画書や研究の方法に関する資料)を書面にて説明、また面談を実施いたしますので、以下のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

リハビリテーション科部 部長 加賀谷斉

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)