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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1932

倫理・利益相反委員会受付番号No.1932

「高齢者皮膚潰瘍の発症部位・形態と高齢者に特有な基礎疾患・薬剤情報との関連性」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター皮膚科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年6月30日

1.研究課題名

「高齢者皮膚潰瘍の発症部位・形態と高齢者に特有な基礎疾患・薬剤情報との関連性」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1932)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者

国立長寿医療研究センター 皮膚科部 医師 長谷川佳子

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター

  • 皮膚科部 部長 磯貝善蔵
  • 薬剤部 薬物治療管理主任 溝神文博

4.本研究の意義、目的

高齢者の皮膚潰瘍は頻度の高い疾患ではありますが、その形態、部位と基礎疾患の関連はよく知られていません。認知症やパーキンソン病をはじめとした認知機能や運動機能が低下した患者さんは、予期せぬ行動をとったり、危険を避ける行動がとりづらかったりして、創傷を負うことがありますが、その実態は明らかではありません。また、認知機能や運動機能に応じた発症部位や形態がある可能性もありますが、詳細な記述は過去の報告ではありません。
本研究では、当センター皮膚科部にあります過去の診療記録から、皮膚潰瘍(熱傷・褥瘡を含む)に関連する臨床情報を抽出し、認知機能や運動機能などを低下させる基礎疾患と潰瘍発症機序の関連、さらに形態や部位との関連を調査し、記述いたします。

5.本研究に使用する情報

利用する情報

電子カルテ内の記載情報

  • 患者基本情報:皮膚潰瘍発生時の年齢、性別、併存疾患、急性疾患(感染症、脳卒中、虚血性心疾患、骨折)の有無、認知症・パーキンソン病の有無、運動障害(麻痺や四肢欠損)・感覚障害の有無(脊損や糖尿病性神経障害)
  • 薬剤情報:皮膚潰瘍発症直前の服用薬剤情報(薬剤名、薬剤が開始1ヶ月以内であるか否か、薬剤の減量、増量が1ヶ月以内に行われたか否か、飲み忘れがあるか否か)
  • 潰瘍情報:潰瘍の発生部位、潰瘍発生時の場所(入院、自宅、介護施設、その他)、発生状況
  • 褥瘡の場合:上記に加えて、発生時のDESIGN-R2020®の情報、褥瘡危険因子評価(日常生活自立度[J1、J2、A1、A2、B1、B2、C1、C2]、基本的動作能力[ベッド上の自力体位変換ができる・できない][椅子上の坐位姿勢の保持、除圧できる・できない]、病的骨突出あり・なし、関節拘縮あり・なし、栄養状態の低下あり・なし、皮膚湿潤[多汗、尿失禁、便失禁]あり・なし、皮膚の脆弱性[浮腫]あり・なし、皮膚の脆弱性[スキンテアの保有・既往]あり・なし)、薬剤関連褥瘡の可能性(なし、低、高)、創の形態、治癒までの経過と期間
  • 熱傷の場合:上記に加えて、原因、初期対応までの時間、創の深さ、治療および治癒までの期間

利用を開始する予定日

上記の情報については、利用前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1ヶ月以上経過後から、利用予定です。

6.本研究の方法

2005年1月1日から2025年3月31日の期間に、国立長寿医療研究センター皮膚科部にて診療した患者さんの診療情報を分析して、実際に認知機能、運動機能の低下がどのような種類の皮膚潰瘍の形成にどのように影響し、また、どのような形態になるのかを検討します(後ろ向き研究)。なお、得られたデータは匿名化し、個人が特定できない形で解析を行います。

7.研究期間

2025年6月30日から2028年3月31日
(対象患者調査期間:2005年1月1日から2025年3月31日)

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

2005年1月1日から2025年3月31日の期間に、国立長寿医療研究センター皮膚科部に受診した皮膚潰瘍(熱傷・褥瘡を含む)の患者さんを対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に利用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開についてはホームページ、論文発表にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して利用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年または学会や論文等での発表から10年間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータ、対応表については国立長寿医療研究センター皮膚科部にて、保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかに紙媒体をシュレッダーにかけ、USB等の記録媒体は物理的に破壊しデータを廃棄いたします。また、パソコン上のデータは専用のソフトウエアを使用し情報を完全に消去いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究は、国立長寿医療研究センター長寿医療研究開発費を資金源としています。また、本研究に係る利益相反および研究者の収益はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら、下部のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
皮膚科部 医師 長谷川佳子

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)