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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1924

倫理・利益相反委員会受付番号No.1924

「日本人高齢者における地中海食型の食生活が認知機能障害に及ぼす影響:NILS-LSAデータを用いた検討」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年6月16日

1.研究課題名

「日本人高齢者における地中海食型の食生活が認知機能障害に及ぼす影響:NILS-LSAデータを用いた検討」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1924)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2-1.研究代表者の氏名

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

2-2.研究機関の名称および研究責任者の氏名

  • 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼
  • 愛知学院大学 健康科学部 健康栄養学科 教授 丸山和佳子
  • 中部大学 生命健康科学部 作業療法学科 教授 平山正昭

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

  • 副部長 西田裕紀子
  • 客員研究員 下方浩史

4.本研究の意義、目的

高LDLコレステロール血症や糖尿病、高血圧、肥満などのいわゆるメタボリックシンドロームに関係する要因は、認知症の発症リスクを増加させると考えられています。メタボリックシンドロームの発症リスクを低下あるいは予防する食事パターンとして、地中海地域の食生活を表す「地中海食」があり、諸外国では地中海食と認知症リスクの関連についての研究が進められています。しかし、日本を含む非欧米諸国においては、食文化(調理法等)あるいは用いられる食品群が欧米と異なるため、先行研究で使用されている既存の地中海食スコアをそのまま使用することができません。
本研究では、地中海食スコアに含まれ、メタボリックシンドロームあるいは脳神経の老化に対して改善/増悪効果が報告されている食品群と栄養素に着目し、これらの摂取状況と認知機能低下との関連を検討することで、日本人高齢者においても地中海食型の食生活が認知機能障害の発症抑制に関与する可能性があるかを明らかにします。
また、地中海食以外の認知症発症リスクと関連する食事パターンとして、高血圧予防食を表す「DASH(Dietary approach to stop hypertension)食」が知られています。地中海食型の食生活に加えてDASH食の要素についてもあわせて検討することで、日本人高齢者の認知機能低下予防に資する食事パターンを明らかにすることを目的とします。
超高齢社会が進む日本において、認知症高齢者の増加は個人のQOLを増悪させるだけでなく、医療、介護、社会保障費の増大等の多方面の社会的問題を引き起こしています。認知機能低下のリスクを低減させる、日本人に適した食事パターンを明らかにすることで、認知症患者数の減少に繋げることができる可能性があります。

5.本研究に使用する情報

以下の、NILS-LSA第2次から第7次調査のデータを用います。

  • 食品群・栄養素摂取量:写真撮影を併用した3日間の食事秤量記録調査
  • 認知機能:MMSE(ミニメンタルステート検査)、WAIS-R-SF(ウェクスラー成人知能検査改訂版簡易実施法)知識・符号
  • その他の変数:性、年齢、既往歴(心臓病、脳卒中、高血圧、高脂血症、糖尿病)、教育年数、年間世帯収入、喫煙状況、身長、体重、追跡年数、エネルギー摂取量、ApoE遺伝子多型
  • 本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
  • 上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用・提供予定です。
  • 上記の情報を、中部大学に提供します。愛知学院大学への情報提供はありません。

情報の提供を行う機関の名称およびその研究責任者氏名

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

6.本研究の方法

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第2次調査から第7次調査(2000年から2012年)のいずれかに参加した方を対象とし、地中海食型の食生活に関連する食品群・栄養素の摂取状況と認知機能低下との関連を検討します。また、地中海食の食品群・栄養素の摂取にDASH食の特徴を加えての検討も同様に行います。

7.研究期間

2025年6月16日から2028年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第2次調査から第7次調査(2000年から2012年)のいずれかに参加した男女のうち、解析に使用する変数に欠損のない約3,500名を対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や、転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は、集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。解析に先立ち、国立長寿医療研究センター研究責任者から、中部大学の研究責任者に、本研究で使用する、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態の情報を提供します。愛知学院大学に情報の提供は行いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内および中部大学 生命健康科学部 作業療法学科内の施錠管理されたキャビネット内で保管する、パスワード保護されたUSBフラッシュメモリで保管します。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内および中部大学 生命健康科学部 作業療法学科内の施錠管理されたキャビネット内で保管する、パスワード保護されたUSBフラッシュメモリで保管します。尚、研究期間終了後、中部大学の研究責任者が異動等により中部大学の所属が無くなる場合は、中部大学に保管したNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムは、国立長寿医療研究センターに移管し、上述の通り保管します。
特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

長期縦断疫学調査センター

老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)