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倫理・利益相反委員会受付番号No.1920

「NILS-LSA対象者におけるBody Roundness Indexと全死亡および要介護との関連性に関する研究」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年6月16日

1.研究課題名

「NILS-LSA対象者におけるBody Roundness Indexと全死亡および要介護との関連性に関する研究」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1920)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2-1.研究代表者の氏名

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

2-2.研究機関の名称および研究責任者の氏名

  • 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼
  • 京都大学 大学院・医学研究科医療疫学分野 教授 山本洋介

3.研究分担者

京都大学 大学院・医学研究科医療疫学分野

  • 特定助教 板谷崇央
  • 大学院生 桧山きらら

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

  • 副部長 西田裕紀子
  • 客員研究員 下方浩史

4.本研究の意義、目的

肥満は関連疾患による死亡率の上昇をもたらしており、肥満と死亡率の関連性をより深く理解することで、リスク評価の最適化、肥満対策の策定、医療資源の合理的な計画の優先順位付けが可能になると考えられます。これまで古くから、肥満の判定にはBody Mass Index(BMI)が広く用いられています。しかし、BMIは対象者の身長および体重のみから算出されるため、体脂肪をとらえることが困難であり、同じBMI値であっても、脂肪の分布や体組成が大きく異なります。そのため、体脂肪の概念を含んだ指標の必要性が指摘されています。
近年提案されたBody Roundness Index(BRI)は身長と腹囲・臀囲から算出をし、BMIでは考慮できていなかった体脂肪の程度を、対象者の体型の「丸み:Roundness」としてとらえることが可能な指標です。本研究では、日本人中高年者におけるBRIを算出して、そのBRIと全死亡・要介護との関連性を検証することを目的とします。またBMIにおいても同様の解析を実施して、BRIによる結果との比較も行います。本研究は、日本在住の一般集団のデータからはじめてBody Roundness Index(BRI)の有用性の検証を行う研究です。今後のBRIに関連した研究の発展・推進に寄与するとともに、既存のBMIに加えて、新たな指標をもとにした肥満対策の公衆衛生戦略の立案につながると期待されます。

5.本研究に利用・提供する試料・情報、利用・提供を開始する予定日

以下の、NILS-LSA第1次から第7次調査のデータを用います。

  • Body Roundness Index(BRI):身長、臍位腹囲、臀囲
  • Body Mass Index(BMI):身長、体重
  • 死亡、要介護度(公的情報(人口動態統計、要介護認定情報)の二次利用)
  • その他の変数

併存疾患

脳血管障害・脳卒中(脳梗塞、脳血栓、脳出血)、高血圧、狭心症・心筋梗塞、その他の心臓病、脂質異常症、腎臓病、肝臓病、糖尿病、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性膝関節症、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、がん、骨折、認知症、パーキンソン病

薬剤使用の有無

中枢神経系用薬、循環器官用薬、消化器官用薬、ホルモン剤、ビタミン剤、肝臓疾患用剤、痛風治療剤、糖尿病用剤、インスリン、経口糖尿病薬、総合代謝性製剤、腫瘍用薬

生活習慣

喫煙の有無、アルコール摂取量、身体活動量

人口統計学的変数

年齢、性、就業状況、家族の年収合計、教育歴、結婚歴、同居家族

  • 本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
  • 上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用・提供予定です。
  • 本研究では、死亡、要介護度情報を除く上記の情報を京都大学に提供します。

情報の提供を行う機関の名称およびその研究責任者氏名

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

6.本研究の方法

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次調査から第7次調査(1997年から2012年)のいずれかに参加した方を対象とし、BRIと全死亡・要介護との関連性を検証します。また、BMIにおいても同様の解析を実施して、BRIによる結果との比較も行います

7.研究期間

2025年6月16日から2027年3月31日

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第1次調査から第7次調査(1997年から2012年)のいずれかに参加した男女のうち、解析に使用する変数に欠損のない約3,900名を対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で、保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や、転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。京都大学においても解析をおこないますが、その際はVPNを介し、アクセスを許可された操作端末からデータサーバにアクセスします。本研究で利用する、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究に関する解析結果や解析プログラムについては、京都大学大学院・医学研究科内の、施錠管理された研究室のパスワード管理されたコンピュータ内においても、研究終了(研究期間終了)後10年間、保管を行います。
尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

長期縦断疫学調査センター

老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)