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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1893

倫理・利益相反委員会受付番号No.1893

「NILS-LSA対象者におけるフレイル・サルコペニア・認知機能低下予防に関する学際的研究」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年3月24日

1.研究課題名

「NILS-LSA対象者におけるフレイル・サルコペニア・認知機能低下予防に関する学際的研究」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1893)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

部長 大塚礼

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

副部長 西田裕紀子

4.本研究の意義、目的

平均寿命および健康寿命の延伸と、その差である不健康寿命の短縮は高齢者保健の重要課題であり、特に介護予防に資する公衆衛生学的な取り組みが求められています。
要介護に至る要因の首位は認知症であり、次いで脳卒中、骨折や関節疾患、加齢に伴う虚弱(フレイル)等が主要な要因とされています(国民生活基礎調査2022年)。これらの要因は相互に関連し合い、個人においては合併していることも少なくありません。しかしながら、各要因の規定因子(危険因子や保護因子)、それらの相互関係や予後(死亡や要介護発生)への影響に関する疫学的検討は十分ではなく、各種の生活習慣を含め多面的な検討が必要です。
本研究では、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging: NILS-LSA)」で長期にわたり収集してきた一般住民の医学・栄養学・運動生理学・心理学等、多領域の縦断データを用い、特に高齢期に発症しやすいフレイル・サルコペニア・認知症の予防に資する要因と、これらの相互関係および予後への影響を学際的に明らかにすることを目的とします。老年医学領域の重要課題であるフレイル・サルコペニア・認知症予防に有用な疫学的知見を得ることは、要介護予防に向けた公衆衛生学的アプローチの基盤となり、長寿科学研究への貢献が見込まれます。

5.本研究に使用する情報

以下の、NILS-LSA第1次から第9次調査のデータを用います。

  1. フレイルに関する変数:身体的指標(体重、握力、歩行速度、疲労感、身体活動量)、認知的指標(MMSE:ミニメンタルステート検査)、社会的指標(独居、外出頻度、友人との交流、社会的役割)
  2. サルコペニアに関する変数:握力、歩行速度、四肢筋量
  3. 認知症に関する変数:認知機能(MMSE、ウェクスラー成人知能検査簡易実施法)、脳画像データ(脳画像解析用ソフトウエアを用いて事前の処理を行い、個人の同定ができない情報)、要介護認知症(公的情報(要介護認定情報)の二次利用)
  4. 生活習慣に関する変数:身体活動、食品・栄養素等摂取量、喫煙習慣、飲酒習慣
  5. その他の変数:性、年齢、教育年数、経済状況、婚姻状況、就業状況、主観的健康感、疾患既往(脳卒中、高血圧、心疾患、糖尿病、脂質異常症、認知症、がん、骨粗鬆症等)、抑うつ(CES-D:うつ病(抑うつ状態)自己評価尺度)、ADL(老研式活動能力指標、Katz Index)、APOE遺伝子多型
  6. 死亡、要介護度(公的情報(人口動態統計、要介護認定情報)の二次利用)

*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
*上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。

情報の提供を行う機関の名称およびその研究責任者氏名

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

6.本研究の方法

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次調査から第9次調査(1997年から2022年)のいずれかに参加した方を対象とし、各種生活習慣とフレイル・サルコペニア・認知症の関連、フレイル・サルコペニア・認知症の相互関係、フレイル・サルコペニア・認知症と死亡や要介護発生との関連についての検討を行います。

7.研究期間

2025年3月24日から2031年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第1次調査から第9次調査(1997年から2022年)のいずれかに参加した男女約4,000名のうち、解析に使用する変数に欠損のない約3,800名を対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など、追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

外国への情報提供について

本研究では、国立長寿医療研究センターの研究責任者から、研究協力者であるCARVALHO SAMPAIO, Ricardo Aurelio(ブラジル Federal University of Sergipe所属)、李毓珊(台湾 Taichung Veterans General Hospital所属)、賴璽宇(台湾 National Yang Ming Chiao Tung University所属)に情報を提供します。提供する情報は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態であり、個人が特定されることはありません。
ブラジルでは一般個人データ保護法(Lei Geral de Proteção de Dados Pessoais)が、台湾では個人情報保護法(Personal Data Protection Act)が制定されており、本研究を実施する研究者には同法が適用されます。その規程に基づき、研究者は研究対象者の個人情報保護の措置を講じます。各国の法律の内容は、下記の通りです。

ブラジル:https://www.ppc.go.jp/enforcement/infoprovision/laws/offshore_report_brazil/
台湾:https://www.ppc.go.jp/enforcement/infoprovision/laws/offshore_report_taiwan/

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、国立長寿医療研究センター内に設置のユーザ保護されたNILS-LSA専用サーバ内で保管します。国立長寿医療研究センター老化疫学研究部内の所定のパソコン以外で解析を行う場合は、VPNを介したアクセスを許可された操作端末から、データサーバにアクセスします。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。
また、国立長寿医療研究センター老化疫学研究部外来研究員であり、本研究の研究協力者であるCARVALHO SAMPAIO, Ricardo Aurelio(Federal University of Sergipe)、李毓珊(Taichung Veterans General Hospital)、賴璽宇(National Yang Ming Chiao Tung University)が解析を行うため、各研究協力者が所属する施設内の、パスワード管理されたサーバ内あるいは施錠管理された研究室のコンピュータにおいても、解析結果と解析プログラムを保管します。研究期間終了時には、各施設に保管した解析結果と解析プログラムを国立長寿医療研究センターに移管し、各施設に保管したすべての情報は破棄します。
特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費および公的研究費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

長期縦断疫学調査センター

老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)