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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1891

倫理・利益相反委員会受付番号No.1891

「貧血の高齢者運動器疾患治療に与える影響の評価(倫理・利益相反委員会受付番号No.1891)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター整形外科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年1月30日

1.研究課題名

「貧血の高齢者運動器疾患治療に与える影響の評価」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1891)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 整形外科部 部長 酒井義人

3.研究分担者名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター  整形外科部 関節科医長 渡邉剛

4.本研究の意義、目的

整形外科では老化に伴う運動器の障害について、臨床および基礎研究を推進してきており、治療成績に直結する老化的病態生理に着目して研究を行ってきました。その過程で、血球成分における赤血球大小不同が貧血や血液疾患に非依存的に高齢者のADLに関連していることを見出し、骨粗鬆症性椎体骨折後の歩行能力と関連すること、高齢者の慢性腰痛罹患との関連などについての研究成果を論文として報告してきました。しかし、これらの病態が運動器におよぼす影響の正確な機序については分かっていません。
一方で、赤血球大小不同は、赤血球容積分布幅(red cell distribution width:RDW)というものを計測して15%以上だと異常と判定されますが、この赤血球大小不同は、貧血の影響を受けることが知られています。また、RDWとの関連が報告されている、加齢に伴う筋肉の減少であるサルコペニアについても、貧血との関連や相乗効果などの研究結果も報告されています。そこで赤血球大小不同が骨格筋を介して運動器障害に影響をおよぼす契機として、貧血の存在を仮説として提唱し、貧血の有無とその推移から運動器障害の予後に相違が生じるか、運動器疾患別に論じることを本研究の目的とした臨床研究を立案しました。

5.本研究に利用する情報、利用を開始する予定日

主要評価項目

血液生化学所見:Hb、RDW(治療前および治療後1年)
二重エネルギー吸収法(DXA法):四肢各筋量、skeletal muscle mass index (SMI)

副次的評価項目

  1. 登録時基本情報:生年月日、性別、身長、体重、各疾患の発症時年齢、治療法(手術の場合術式、保存治療の場合使用薬剤)、糖尿病および脳心疾患の有無、血液生化学データ(Hb、WBC、リンパ球数、CPK、Alb、GLU、HbA1C、Ca、T-cho、Cre、eGFR)
  2. 既往歴:骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、悪性腫瘍、血液内科疾患
  3. ADL評価:JOAスコア、Barthel index、歩行状態(介助・自立)
  4. 画像評価:DXA法による骨密度、骨格筋量および脂肪量、脊椎レントゲン画像による姿勢評価(sagittal vertical axis: SVA)

上記の情報については、利用前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。

6.本研究の方法

以下に掲げる、運動器疾患の治療を国立長寿医療研究センター整形外科で行った65歳以上の患者さんで、1年以上経過観察されている方が研究対象となります。

対象運動器疾患

  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 慢性腰痛症
  • 変形性膝関節症
  • 変形性股関節症
  • 骨粗鬆症性椎体骨折
  • 大腿骨近位部骨折

上記5.に記した医療情報と、治療前と治療1年後に行った血液検査で、データを電子カルテから収集し統計解析を行います。

7.研究期間

2025年1月30日 〜 2028年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

上記6.に示した、運動器疾患の治療を国立長寿医療研究センター整形外科で行った65歳以上の患者さんで、1年以上経過観察された方が研究対象となります。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益ならびに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。
抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータおよび対応表については整形外科にて、保存媒体を保管いたします。保管期間満了後は速やかに、保存されているコンピュータ上から消去することにより、データを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究は、国立長寿医療研究センター長寿医療研究開発費を資金源としています。また、本研究に係る利益相反および研究者の収益はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご本人および家族関係者からの相談は、随時対応いたします。研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
整形外科部 部長 酒井義人

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)