ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1848
国立長寿医療研究センター(研究所、病院)、神戸大学、秋田大学、鳥取大学では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、研究協力病院の電子的診療録のデータを活用した後ろ向き観察研究であり、既存情報を用いて解析を行うものです。そのため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2024年10月3日
記
「電子的診療録の後方視的調査に基づく認知症リスクスクリーニングの有効性検証:共生に向けた認知症早期発見・早期介入実証プロジェクト研究(J-DEPP)」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1848)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
理事長 荒井秀典
部長 中村昭範
認知症は徐々に進行していく疾患であり、将来認知症を発症するリスクをもつ方を早期に発見し、早期からの薬物的、非薬物的な介入を提供することが重要とされています。しかし、これまでに認知症を発症するリスクを発見し、適切な支援を提供するための体系立った仕組みは存在しません。このため、効果的な認知症リスクの早期発見・早期介入を達成するため、全国の各自治体が趣向を凝らして様々な取り組みを実施しているのが現状です。
本研究チームでは「共生に向けた認知症早期発見・早期介入実証プロジェクト研究(J-DEPP)」(代表:荒井秀典)にて全国規模の大規模実証プロジェクトを立ち上げ、「日本独自の認知症早期発見・早期介入モデル」の確立を目指しています。J-DEPP研究では、地域で認知機能のスクリーニング検査を実施し、適切な治療に繋げるための効果的な支援方法を検証します。
本研究では認知機能のスクリーニング検査を受検した結果、認知機能低下が疑われた方の医療的背景(診断名等)について、電子的診療録を用いて後方視的に調査します。これにより、認知機能のスクリーニング検査の正確性・妥当性を判断する資料とし、「日本独自の認知症早期発見・早期介入モデル」で活用すべき、認知機能のスクリーニング検査について示唆を得ることを目的とします。
本研究では、研究協力病院の電子的診療録のデータに登録された情報を使用します。具体的には、病名、診断日、服薬状況、主治医の見解などの情報が含まれます。今回、これらの情報をもとに、対象者の方の医療的背景を調査します。
上記の情報については、利用前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1ヶ月以上経過後から利用予定です。
研究協力自治体に在住の高齢者のうち、J-DEPP研究に参加し、認知機能/認知症リスクのスクリーニング検査を受検し、認知機能の低下の疑いのために受診勧奨を受けた後、研究協力病院を受診した方の情報を分析します。
2024年10月3日 ~ 2026年3月31日
本研究の対象者は、研究協力自治体に在住の高齢者のうち、J-DEPP研究に参加し、認知機能/認知症リスクのスクリーニング検査を受検し、認知機能の低下の疑いのために受診勧奨を受けた後、研究協力病院を受診した方です。
個人が研究参加および不参加により、不利益を被ることはありません。また既存情報のみを用いる研究のため、研究参加者の負担は一切ありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが別項【13.個人情報等の取扱い】の通りの対応を遵守するため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
個人が研究参加により直接的な利益を得ることはありませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
ご自身の情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、その研究結果に含まれるあなたの情報を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、厚生労働省または研究代表者、研究責任者、研究分担者が冊子、webサイト、市民公開講座、論文、学会発表等にて行う予定でおります。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
研究協力病院の電子的診療録の調査を遂行するにあたって、国立長寿医療研究センターの倫理・利益相反委員会で承認を受けた研究倫理(No.1803)で取得した、研究参加者の氏名の個人情報を活用します。なお、上記個人情報の提供は、国立長寿医療研究センター・老年学・社会科学研究センター・センター長の島田裕之が統括する、認知機能/認知症リスクスクリーニング検査の実施と同時に、研究同意とともに取得をします。なお、当該研究同意には、本研究への個人情報の移管も含まれています。
調査により取得したデータの解析に際しては、個人情報をID化することで、個人を特定し得ない状態で取り扱います。ID化にあたり、ID番号対応表等を用いて研究に関わらない事務員がID番号対応表を管理・保管します(個人情報管理者)。鳥取大学、秋田大学、神戸大学におけるカルテ調査においても、データ解析に際しては個人情報をID化し、ID番号対応表を作成します。なお、ID化済の解析用データは、研究代表者の責任の下で研究事務局の担当者が管理します。
原資料は、研究事務局内の鍵のかかるキャビネットに保管します。電子的データの保存媒体は、アクセス制御により管理し、専用のコンピュータ端末には盗難防止、ウイルス対策措置をとります。
本研究で利用するすべての情報は、国立長寿医療研究センター研究所認知症先進医療開発センター予防科学研究部、もの忘れセンターに設置され、外部からのアクセスが不可能なサーバ内でパスワード管理のもと、保管します。
本研究におけるデータを外部の研究責任者へ提供する場合は、個人情報の取扱い、提供先の機関名、提供先における利用目的が妥当である事等について倫理・利益相反委員会で審査をうけます。他の研究機関との個人情報・データの授受の記録については、本研究計画書をもって代用します。
なお、想定される情報の提供先は、本研究の分担研究機関(鳥取大学、秋田大学、神戸大学)が想定されています。提供予定の情報は、診断名、診断日、薬の処方、医師のその他の対応、医師のコメント、その他認知症診断のために取得した情報(認知機能、身体機能、血液指標、脳構造等)などになります。これらの情報は、倫理・利益相反員会承認後1ヶ月以上経過後(利用開始予定日:2024年11月1日)から提供される予定です。
研究データおよびデータ提供の記録(研究計画書)の保管期間については、情報提供元、提供先ともに、当該論文等の発表後あるいは研究中止後10年間とし、保管期間後は廃棄します。
本研究における一連の業務に係るすべての費用は、以下の研究資金によりまかないます。ただし、必要に応じて長寿医療研究開発費など他の研究資金獲得を行います。本研究の結果およびその解釈に影響を及ぼすような利益の衝突は、存在しません。
令和5年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(認知症政策研究事業)
課題名:共生に向けた認知症早期発見・早期介入実証プロジェクト研究
課題番号:23GB2001
研究代表者:荒井秀典
本研究では、アルツハイマー病に関連する可能性があるApoEフェノタイプという遺伝子の情報や遺伝子塩基配列多型情報を利用する可能性がありますが、その結果は、対象者本人、ご家族、主治医には開示しません。その理由は、認知症に関連する遺伝子異常が判明しても、今の医学では遺伝子異常を治療できる可能性が低く、遺伝子の情報によって治療方針が変わらないからです。また、遺伝カウンセリングも実施しません。
研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所長 櫻井孝
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)