本文へ移動

 

文字サイズ

ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1846

倫理・利益相反委員会受付番号No.1846

「腰椎黄色靱帯肥厚と脊椎変性の関連についての横断研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1846)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター整形外科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2024年9月30日

1.研究課題名

「腰椎黄色靱帯肥厚と脊椎変性の関連についての横断研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1846)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 整形外科部 部長 酒井義人

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター 整形外科部

  • 脊椎外科医長 松井寛樹
  • 整形外科医師 竹市陽介

4.本研究の意義、目的

高齢者の脊椎変性疾患の代表である腰部脊柱管狭窄症では、原因の一つに、黄色靱帯が加齢により肥厚することで脊柱管が狭窄(神経の通り道が狭くなること)をきたすことがあります。この黄色靱帯肥厚は未だ病態が明らかではなく、靱帯肥厚の機序が解明されれば、治療および予防法の開発に繋がります。当センターから報告した過去の研究成果で、腰椎黄色靱帯において加齢変性に伴う肥厚においては、弾性線維の消失と膠原線維の増加の過程で炎症が介在することを明らかにしてきましたが、この変性を伴わない靱帯肥厚の存在が病態にあることが分かりました。この加齢変性の過程を経ずして起こる靱帯肥厚の病態機序を解明することを目的として、この研究では、変性を伴わない黄色靱帯肥厚の解析を行います。腰椎では、L1/2椎間からL5/S1椎間まで(腰椎の上から下まで)存在する、黄色靱帯の肥厚に関する各椎間の定義を作成する必要性があり、本研究では腰部脊柱管狭窄症を罹患していない若年者の腰椎MRIにおける黄色靱帯面積を各椎間で計測し、平均値と標準偏差から正常値を設定することと、高齢者において腰部脊柱管狭窄症の有無による各椎間での黄色靱帯肥厚の違いを評価することを目的としています。

5.本研究に使用する情報

主要評価項目

MRIにおける、L1/2~L5/S1の各椎間における黄色靱帯面積と脊柱管面積の比

副次的評価項目

  1. 登録時基本情報:MRI撮影時の生年月日、性別、身長、体重、腰部脊柱管狭窄症症状の有無、骨粗鬆症治療状況(ビスホスホネート製剤、PTH製剤、ビタミンD製剤、SERMなど)、鎮痛剤使用状況(非ステロイド性消炎鎮痛剤、オピオイド、ガバペンチノイドなど)、糖尿病および脳心疾患の有無、血液生化学データ(Hb、WBC、リンパ球数、CPK、Alb、GLU、HbA1C、Ca、T-cho、Cre、eGFR)
  2. 既往歴:骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、悪性腫瘍、血液内科疾患
  3. ADL評価:歩行状態(独歩、介助歩行、車椅子)
  4. 画像評価:MRI によるPfirmann分類、Modic 分類、脊椎アライメント計測(腰椎前弯、仙骨傾斜)、DXA法による骨密度、骨格筋量および脂肪量

上記の情報については、利用前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。

6.本研究の方法

以下に掲げる、国立長寿医療研究センターで腰椎MRIを行った患者さんが対象となります。

  • 理由を問わず腰椎MRIを撮像した50歳以下の患者さん
  • 腰部脊柱管狭窄症の診断のため腰椎MRIを撮像した65歳以上の患者さん
  • 腰部脊柱管狭窄症以外の疾患で腰椎MRIを撮像した65歳以上の患者さん

ただしMRI画像上、椎体骨折や悪性腫瘍、脊椎感染症を認めるものは除外します。

7.研究期間

2024年9月30日 ~ 2028年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

  • 50歳以下の患者:高齢者の腰椎黄色靱帯肥厚の基準を作成するため
  • 腰部脊柱管狭窄症の65歳以上の患者:腰部脊柱管狭窄症における黄色靱帯の肥厚の頻度を調べるため
  • 腰部脊柱管狭窄症以外の65歳以上の患者:腰部脊柱管狭窄症患者の黄色靱帯肥厚と比較するため

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益ならびに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表および論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。
抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータおよび対応表については整形外科部にて、保存媒体を保管いたします。保管期間満了後は速やかに、保存されているコンピュータ上から消去することによりデータを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究は、科研費基盤研究Cを資金源に予定しています。また、本研究に係る利益相反および研究者の収益はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご本人および家族関係者からの相談は、随時対応いたします。研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 整形外科部 部長 酒井義人

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)