ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1840
国立長寿医療研究センター 病院 リハビリテーション科部、国立循環器病研究センター 病院 看護部長室、国立がん研究センター 中央病院 リハビリテーション室では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2024年9月5日
記
「医療機関における転倒転落リスク低減の調査:施設間比較と疾患特性別の因子検討」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1840)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
本研究は、病院内での転倒転落問題に対する解決策の立案のための調査・検討を目的としています。それにより、転倒転落が引き起こすフレイルサイクル(身体機能が衰え、食欲不振や栄養不足などによって、筋肉量の減少や社会的孤立が進み、さらに身体機能の低下を引き起こす悪循環に陥った状態)や生活の質の低下、医療コストの増大などの社会的課題を解決することを目指します。
転倒転落の発生要因は内的因子、外的因子、行動要因に分けられますが、これらの要因は不明確であり、施設ごとに取り組みも異なるため、どのような予防策が有効であるかについては明らかにされていません。
そこで、本研究では3つの施設で調査を行い、疾患特性による転倒状況を明らかにし、施設ごとの転倒者率等の違いから、より効果的な転倒予防策の立案を目指します。これにより、入院患者さんにおける生活の質の向上と医療コストの削減に貢献することが期待されます。
本研究に利用・提供する情報は、以下の通りです。
転倒転落発生時の年齢、性別、診断名、診療科、認知症の有無、睡眠薬の内服の有無
転倒転落発生までの入院後経過日数、インシデント・アクシデントレベル、発生場所、発生時間、直前の行動もしくは目的、転倒時の状況(記述内容)、転倒時介助者の有無、転倒歴
入院時の転倒転落アセスメントの手法およびツールの具体的内容、転倒転落予防チームの取り組み内容、転倒転落が多発する場所における環境条件(移動有効幅や手すりの高さ、座面の高さ、照度等)
国立長寿医療研究センター、国立循環器病研究センター、国立がん研究センターの3施設におけるインシデント・アクシデントレポートより、転倒転落に関連する情報を収集して解析を行います。年齢区分や疾患などの因子により群分けを行い、転倒転落発生状況の差異について比較検討をします。
2024年9月5日 ~ 2027年3月31日
データ収集対象期間:2022年4月1日 ~ 2024年3月31日
データ利用開始日:2024年10月1日
データ提供開始予定日:2024年11月1日
国立長寿医療研究センター、国立循環器病研究センター、国立がん研究センターの3施設における、2022年4月1日~2024年3月31日の期間に生じた、転倒転落に関するインシデント・アクシンデントレポートを収集します。
既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益ならびに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に利用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に利用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に利用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記インシデント・アクシデントレポートの情報を抽出して使用しますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出します。抽出データに残されている患者ID番号については、患者ID番号とは別の新たな対象者識別コードに置き換えた上で、収集データファイルとして作成します。患者ID番号と対象者識別コードを連結するための対応表を各施設にて作成します。
患者IDが対象者識別コードに置き換えられた収集データファイルは、研究期間中、ISMAPクラウドサービスであるMicrosoft SharePointにて保管します。収集データファイルの展開・編集のためにはパスワードを必要としますが、このパスワードは研究責任者のみ共有し、他者が展開できないようにします。
対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、各センター内にて厳重に保管されます。対応表へのアクセス権は、研究責任者が所属する自施設のものに限りアクセスできるものとします。
収集データファイルについては、研究期間終了後においても当センターにてデータベース上に入力し、永続的に保管します。
抽出されたインシデント・アクシデントレポート、対応表のデータについては、各施設の規定に沿って保管し、研究期間終了後は破棄します。
紙媒体は研究期間終了後、シュレッダーにて裁断、破棄します。
本研究は、国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部 横断的研究推進費 若手研究助成「医療機関における転倒転落リスク低減の調査:施設間比較と疾患特性別の因子検討」(2024-若手-11、主任研究者:牧賢一郎)、長寿医療研究開発費(予定)にて行います。その他、開示すべき利益相反はありません。
研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。各施設の研究責任者が対応いたします。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 病院
リハビリテーション科部 作業療法主任 牧賢一郎
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)
国立研究開発法人国立循環器病研究センター 病院
看護部長室 副看護師長 兵頭昇
〒564-8565 大阪府吹田市岸部新町6番1号
電話:0570-012-545(代表)
国立研究開発法人国立がん研究センター 中央病院
リハビリテーション室 理学療法士 横田翔太
〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1
電話:03-3542-2511(代表)