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倫理・利益相反委員会受付番号No.1832

「NILS-LSA対象者における食・栄養学的要因と内在的能力に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1832)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2024年8月19日

1.研究課題名

「NILS-LSA対象者における食・栄養学的要因と内在的能力に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1832)

この研究課題は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚礼

3.研究分担者名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
    • 副部長 西田裕紀子
    • 研究員 張姝 

4.本研究の意義、目的

世界的規模で進む高齢社会では、加齢に伴って高齢者に多くみられる症状である老年症候群の予防や治療と並行し、心身機能の保持に焦点をあてた健康増進策の展開が望まれています。高齢者に対する従来のケアモデルは、高齢期の機能低下や健康障害に着目するものが主流でしたが、2017年に世界保健機関(WHO)は高齢期の身体的および精神的な潜在能力である「内在的能力」を新概念として提唱し、心身機能の保持に焦点を当てることの重要性を示しました。高齢期の内在的能力は、認知機能、移動能力、活力、視力、聴力、および心理機能の6領域から構成されます(WHO, 2017)。先行研究では、高齢期の内在的能力を評価し、その能力を生かした適切な介入を行うことは、個々の慢性疾患に焦点を当てる介入よりも高齢者のヘルスケアに効果的とされています。近年、内在的能力の評価や測定法の検証に関する研究は増加しつつありますが、信頼性の高い調査や長期縦断研究に基づく根拠は少なく、内在的能力に寄与する要因は明らかではありません。
本研究では食・栄養学的要因に焦点を当て、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の縦断データを用い、食・栄養学的要因と内在的能力の関連を明らかにすることを目的とします。本研究により内在的能力の保持に資する食・栄養学的要因を明らかにすることで、高齢者人口が増加する我が国における高齢期の新たなヘルスケア介入戦略として、内在的能力に着目した介入戦略を創出できる可能性があります。

5.本研究に使用する情報

以下の、NILS-LSA第1次~第9次調査のデータを用います。

  • 食・栄養学的要因
    • 栄養素等摂取量:写真撮影を併用した3日間の食事秤量記録調査
    • 食事に関するアンケート(孤食、食事の美味しさ等)
    • 栄養関連バイオマーカー:血清中の脂肪酸24分画、ミネラル(Mg、Fe、Zn他)、ビタミン(25-OHビタミンD、カロテノイド他)
 
  • 内在的能力
    • 認知機能:MMSE(ミニメンタルステート検査)、WAIS-R-SF(ウェクスラー成人知能検査改訂版簡易実施法)
    • 移動能力:通常歩行速度
    • 活力:体格指数、体重減少、食欲、生きがい等
    • 視力:主観的視力評価、遠見常用・矯正視力、近見常用・矯正視力
    • 聴力:主観的聴力評価、純音気導聴力
    • 心理機能:抑うつ状態(CES-D)
 
  • 個人背景要因:性、年齢、教育年数、経済状況、婚姻状況、経済状況、就業状況、喫煙習慣、飲酒、主観的健康観、疾患既往(脳卒中、高血圧、心疾患、糖尿病、脂質異常症、認知症、がん、骨粗鬆症等)

*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。また、他機関に情報の提供はいたしません。
*上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。

6.本研究の方法

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの、無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次調査から第7次調査(1997年~2012年)のいずれかに参加した男女を研究対象者として、食・栄養学的要因と内在的能力の関連についての検討を行います。

7.研究期間

2024年8月19日 ~ 2029年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第1次調査から第7次調査(1997年~2012年)のいずれかに参加した40歳以上の男女のうち、解析に必要なデータに欠損のある方を除いた、約3,900名を対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や、転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、一般社団法人糧食研究会からの受託研究であり、解析および学術的発表に係る経費は一般社団法人糧食研究会特定委託研究費を主な資金源としますが、一部、データ管理やデータ抽出等に係る費用は国立長寿医療研究センター長寿医療研究開発費から支出します。一般社団法人糧食研究会と国立長寿医療研究センターおよび本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

長期縦断疫学調査センター

老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)