ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1827
国立長寿医療研究センターでは、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」、「ロコモフレイル外来レジストリ研究(診療情報)」、「東浦研究」の情報を用いて解析を行うものです。NILS-LSAおよび東浦研究では、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。また、ロコモフレイル外来レジストリ研究の診療情報については、レジストリ研究登録への同意をいただいております。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2024年7月18日
記
「NILS-LSAデータを利用したフレイルティ指標の開発:診療情報および地域健診事業データでの検証を踏まえて」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1827)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
フレイルティ(加齢に伴って生じる身体の虚弱)を評価する方法はいくつかありますが、国内で統一された基準はありません。また既存の評価方法は項目数が多いため、評価者・被評価者双方にとって負担が軽く、多職種間で情報共有可能、かつ健常から終末期まで時系列的にフレイルティを評価できる汎用性の高い指標が求められています。
近年、人として尊厳のある幸せな最期を迎えるためには、加齢に伴う心身機能の低下への着目だけでなく、心身機能の保持に焦点をあてる「内在的能力」の評価も重要と考えられています。既存のフレイルティ指標は加齢に伴いスコアが悪くなるというネガティブな一方向性の指標ですが、これからは健康障害の程度だけでなく、こころの健康を含む内在的能力も評価し、個人のもちうる能力を生かしたフレイルティ対策を展開することが望まれます。
本研究では、保持能力(ポジティブな側面)を示す内在的能力も評価可能な新しいフレイルティ指標を開発することを目的とします。開発するフレイルティ指標を医療や介護分野だけでなく、保健分野でも活用することにより、個人が持つ内在的能力を生かす包括的ケアの展開につながることが期待されます。
フレイルティ対策では周囲のサポートだけでなく本人の健康増進に対する前向きな姿勢が肝要となりますが、評価者・被評価者双方が保持能力(ポジティブな側面)に気づくことで良い行動変容がもたらされ、介護・医療分野の経済的負担の軽減にもつながることが期待されます。
本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。また、他機関に情報の提供はいたしません。
上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳~79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第7次調査(2010年~2012年)に参加した60歳以上の男女のデータを用いて、フレイルティ指標の候補項目の抽出とフレイルティスコアを算出し、そのスコアが要介護認定や死亡をどの程度予測するかを検証することによってフレイルティ指標の作成を行います。その後、国立長寿医療研究センター病院ロコモフレイル外来患者の診療情報(ロコモフレイル外来レジストリ研究)と地域健診事業(東浦研究)情報の2つの既存データベースを用いて、作成したフレイルティ指標と既存の尺度との関連を検討し、妥当性の検証を行います。
2024年7月18日 ~ 2028年8月31日
NILS-LSA、「ロコモフレイル外来レジストリ研究」および「東浦研究」に提供いただいた既存の調査票記録、調査結果および診療情報を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
本掲示により研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
ロコモフレイル外来レジストリ研究の情報は、個人を特定できる情報が除かれ、研究IDが付与された状態でロコモフレイル外来研究事務局にて保管しております。なお、調査対象者からの申し出による同意の撤回が生じた際は、ロコモフレイル外来研究事務局へ連絡し、ロコモフレイル外来研究事務局から該当する研究IDのみ伝達を受け、解析から除外いたします。
東浦研究の情報は、個人を特定できる情報が除かれ、研究IDが付与された状態で東浦研究事務局にて保管しております。なお、調査対象者からの申し出による同意の撤回が生じた際は、東浦研究事務局へ連絡し、東浦研究事務局から該当する研究IDのみ伝達を受け、解析から除外いたします。
NILS-LSAデータ、ロコモフレイル外来レジストリ研究データおよび東浦研究データのいずれにおいても、解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。また、解析は外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパソコンのみで行います。研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。本研究で利用するNILS-LSA、ロコモフレイル外来レジストリ研究および東浦研究に関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。
本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
NILS-LSA、ロコモフレイル外来レジストリ研究および東浦研究の情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。
本研究は、日本医療研究開発機構・長寿科学研究開発事業費および長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)