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倫理・利益相反委員会受付番号No.1761-3

「高齢者心房細動の発症および併存疾患発症推定バイオマーカーの探索(倫理・利益相反委員会受付番号No.1761-3)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター循環器内科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、バイオバンク試料・情報を使用する研究で、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2024年8月2日

1.研究課題名

「高齢者心房細動の発症および併存疾患発症推定バイオマーカーの探索」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1761-3)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

国立長寿医療研究センター 循環器内科部、病院手術・集中治療部集中医療科 上原敬尋

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 先端医療開発推進センター 木ノ下智康、田中誠也、川野伶緒
  • 循環器内科部 平敷安希博、小久保学、清水敦也
  • 看護部 伊藤瞭
  • リハビリテーション科部 植田郁恵、橋本駿、谷奥俊也、原克典、五十村萌華、杉岡純平、東祐磨
  • 長寿医療研修部 髙﨑将大

4.本研究の意義、目的

心房細動という、心臓がうまく収縮できなくなる不整脈は古くから欧米諸国において、もっとも頻度の高い不整脈として知られていましたが、世界的な高齢化の加速に伴い、グローバルな問題となりつつあります。わが国をはじめアジア諸国でもそれは例外ではなく、心房細動人口は年々増加傾向となり大きな問題となっています。心房細動が高齢化社会で増加していくことは、心房細動が老化に伴い発症していくことも示唆し、その基礎的なメカニズムの解明を目指す研究は多いですが、特にどのような方が脳梗塞や心不全、認知症をきたすのかという点に関しては臨床の場で種々の検査などはしているもののしっかりと解析できていません。本研究は、カルテ情報や日常診療から得られる病名、病歴、理学所見、採血・胸部レントゲン・12誘導心電図・ホルター心電図・心エコー、心電図モニターなどを中心とした検査所見、経過を解析することと、あわせて国立長寿医療研究センターバイオバンクにすでに保存されている血液などを用いて、高齢者の心房細動におけるさらなる病気の発症の推定することができる因子の探索を行います。本研究での必要項目はすでに日常臨床において用いられたもの、もしくはすでに採取された血液などを使用するもので、患者さん負担も増やすことなく行うことができます。

5.本研究に利用する試料・情報、利用を開始する予定日

国立長寿医療研究センターに受診されたり、入院された患者さんのいろいろな検査結果やカルテに書かれている情報を見るとともに、バイオバンクに保存された血液などの解析を行います。上記の試料・情報については倫理・利益相反委員会承認後から利用予定です。

6.本研究の方法

この研究は、すでに行われた医療行為の中で行うもので、カルテの情報とすでに採取された血液などのみを使用して行います。患者さんに新しく何かをするわけではない観察研究で、国立長寿医療研究センターに入院もしくは外来通院した患者さん、長寿ドックに受診した患者さんの所見とその後どうなったかを調査するものです。特に、バイオインフォマティクスという情報学を用いた解析によって関連がありそうな因子についてバイオバンクに保存された血液を測定していきます。測定をする時点でバイオバンクの血液とカルテ情報の連結も行います。カルテ所見や検査所見、医師記録、看護記録、リハビリ記録、そしてその後のカルテ追跡を行うことによってデータから患者さんがどのような病気になっていったのかの調査も行います。本研究は高齢者心房細動の発症メカニズムの解明を目指すことを主テーマの一つとしているため、心房細動患者さんだけでなく比較の対照として心房細動を発症していない洞調律(正常な脈)の患者さんの調査も行います。

7.研究期間

2023年11月14日 ~ 2028年12月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

2007年1月1日から2027年12月31日の間に、国立長寿医療研究センターに入院もしくは外来通院した者、および長寿ドックに受診した患者さんで、心電図にて心房細動もしくは洞調律と確認できた患者さんを対象とします。
選択基準としましては

  1. 国立長寿医療研究センターに1日以上入院もしくは外来通院した患者さんで、心房細動もしくは洞調律の患者さん
  2. 65歳以上の高齢の患者さんおよび成人に達している患者さん
  3. 性別不問

とします。除外基準として以下のいずれかに抵触する患者さんは、本研究に組み入れないこととします。

  1. 検査の記録がないもしくは参照することが不可能な患者さん
  2. 心電図もしくは理学所見にて、一度も心臓の調律を確認できていない患者さん

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

すでにある診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益ならびに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載・学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータおよび対応表については循環器内科部にて、対応表についても循環器内科部にて、保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかに電子媒体から復元できないように情報を削除いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

この研究では特にありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
循環器内科部医師、病院手術・集中治療部集中医療科医長

上原敬尋

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)