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倫理・利益相反委員会受付番号No.1687

「パーキンソン病・パーキンソン症候群の腰曲がり・首下がりに対するリドカイン注射療法の検討(倫理・利益相反委員会受付番号No.1687)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター脳神経内科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年3月16日

1.研究課題名

「パーキンソン病・パーキンソン症候群の腰曲がり・首下がりに対するリドカイン注射療法の検討」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1687)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 脳神経内科部 医師 横井 克典

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 先端医療開発推進センター センター長 鈴木 啓介
  • 先端医療開発推進センター 治験・臨床研究推進室長 辻本 昌史
  • 脳神経内科部 部長 新畑  豊
  • もの忘れセンター センター長 武田章敬
  • もの忘れセンター 連携システム室長 堀部 賢太郎
  • 在宅医療・地域医療連携推進部 地域医療連携室長 山岡 朗子

4.本研究の意義、目的

パーキンソン病はアルツハイマー型認知症に次いで2番目に多い神経変性疾患であり、その頻度は年齢とともに上昇し、75歳以上では3.1%、85歳以上では4.5%の有病率と報告されています。 
パーキンソン病ならびにパーキンソン症候群の患者では、腰曲がりや首下がりを中心とする姿勢の異常が認められることがあります。姿勢障害が原因で、生活の中での食事を始めとする基本動作や、歩行等への影響を与えることは少なくありません。
姿勢障害の原因は確定はしておらず、治療についても現在まで確立したものはありません。その中で、現在、国内の複数の施設で、パーキンソン病、パーキンソン症候群への首下がり・腰曲がり患者の緊張筋へリドカインという薬剤を注射する治療が施行されており、国立精神・神経医療研究センターで行われた腰曲がり患者へのリドカイン注射の後ろ向き研究において有効性が示されています。また、首下がり症候群にも近年有効性が示されています。しかし、確立した手法は存在せず、国内外で一般的に施行される標準治療法とはなっていません。
現在までに、自施設での治療で、10例程度施行しています。一部症例では、筋緊張筋の特定のために筋硬度計を用いて注射部位の確認も施行しました。筋硬度計を用いることで、リドカインの注射部位の特定を効率的に特定することが可能になり、効果的であることを確認しています。
本研究の目的・趣旨は、これまでに施行したリドカイン治療の症例を検討することで、首下がり、腰曲がりの定量的な評価を試み、治療の有効性を確認することと、この治療における筋硬度計の使用の有意性を確認することです。
論文化を進めることで、今後、国内外の施設での新規導入の閾値を下げることが可能になり、国内外での治療の普及の端緒になることを見込むことができます。
高齢化率の高い本邦において、パーキンソン病患者は今後さらに増加の一途を辿ることが見込まれ、これまで多くの施設で治療の対象になっていなかった姿勢障害への治療が可能になることから、患者への利益も高いと考えられます。

5.本研究に使用する情報

  • 生年月日、性別、病歴、神経学的所見、合併症、既往症、家族歴、服用薬剤名、教育歴、職業歴、病歴
  • 認知機能、高次脳機能に関わる検査の結果
  • 画像検査(DAT-SPECT、MIBG-シンチグラフィ、MRI、CT、レントゲン検査)
  • リドカイン注射に関する部位や薬剤量等

6.本研究の方法

リドカイン注射を試行した患者の既存カルテを参照し、効果判定に用いているレントゲン画像を基に有効性を再検証します。また、筋硬度計を用いた場合と用いなかった場合での有効性の違いも検証します。

7.研究期間

2023年3月16日 ~ 2025年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

  • パーキンソン病およびパーキンソン症候群の診断がされた成人の患者
  • 腰曲がりまたは首下がり症候群のために生活に支障をきたしていた患者
  • 2019年~2023年に国立長寿医療研究センターで入院、リドカイン注射を施行した患者

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータについては脳神経内科部にて、対応表については脳神経内科部にて、保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかに紙媒体の情報はシュレッダーで裁断し、再現不可能な状態にした上で破棄し、電子媒体の場合は、物理的に破壊してデータ読み取り不可能にした上で適切にデータを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

利益相反はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら下記のお問い合わせ先まで御連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 脳神経内科部 医師 横井 克典

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)