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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1686

倫理・利益相反委員会受付番号No.1686

「高齢者てんかんの診断と治療効果の検討(倫理・利益相反委員会受付番号No.1686)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター脳神経内科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年3月10日

1.研究課題名

「高齢者てんかんの診断と治療効果の検討」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1686)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター 脳神経内科部 医師 横井 克典

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 先端医療開発推進センター センター長 鈴木 啓介
  • 先端医療開発推進センター 治験・臨床研究推進室長 辻本 昌史
  • 脳神経内科部 部長 新畑 豊
  • もの忘れセンター センター長 武田 章敬
  • もの忘れセンター 連携システム室長 堀部 賢太郎
  • 在宅医療・地域医療連携推進部 地域医療連携室長 山岡 朗子

4.本研究の意義、目的

アルツハイマー型認知症は近似記憶障害を特徴とする進行性の認知機能低下を認めます。記憶障害を始めたとした中核症状に加え、易怒性や抑うつ、妄想といった多彩な精神症状を中心とする周辺症状を認めることがあります。
併せて、一部の患者でてんかん発作を認めることがあります。日本人では、65歳以上の高齢層で1,000人あたり10.3症例との報告があります。
一方で、アルツハイマー型認知症患者のてんかん合併は多く、10~22%で非誘発性痙攣を認めるとの報告があります。また、てんかん診断のない者で、42%で脳波でてんかんを示唆する放電を認めるとの報告があります。
これらより、実数と予測される患者数の間に大きな乖離があることが予測されます。
アルツハイマー型認知症に合併するてんかん発作は痙攣を伴わない発作が大多数です。また、高齢者では痙攣を伴わないてんかん重積も多く、重積状態でも外観ではわからない場合もあります。このため、実臨床の中でアルツハイマー型認知症に合併するてんかんの症候を把握することは困難なことが多いです。
2021年より高齢者てんかん外来を開設しました。当院ではもの忘れセンターや脳神経内科外来を受診する認知症患者が多く、紹介していただくことも多いです。その中で、外来を受診する新規のてんかん患者は増加しています。
当院では施設の特性として高齢者てんかん患者が多く、高齢者てんかんの特徴の把握や、薬剤の有効性、認知機能の変化等、色々な側面からの検討が可能と考えられます。
本研究では受診した患者の情報を整理し、解析をすることで、アルツハイマー型認知症、軽度認知機能障害とてんかんの関連について検討します。また、アルツハイマー型認知症患者のてんかん発作を早期に診断するための簡易な問診表も臨床に使用できるようなものは現在一般的ではなく、今回、同時に策定を試みたいと考えています。
認知症とてんかんの関係について、治療介入の余地や、治療の効果判定、高齢者てんかんの診断法の検証等を行うことが可能になります。これにより、高齢者てんかんの診断の重要性の把握と、啓蒙が可能になり、今後の高齢者医療への重要な警鐘になることが予測されます。
これらの研究成果を論文発表・学会発表を通し国内外へ周知することで、診断・治療の普及に貢献することが可能になります。

5.本研究に使用する情報

  • 生年月日、性別、病歴、神経学的所見、合併症、既往症、家族歴、服用薬剤名、教育歴、職業歴、病歴
  • 認知機能、高次脳機能に関わる検査の結果
  • 脳波検査
  • 画像検査(DAT-SPECT、MIBG-シンチグラフィ、MRI、CT、レントゲン検査等)

6.本研究の方法

高齢者てんかん外来を受診した患者の既存カルテを参照し各種情報のデータベースを作成します。データベースを基に、薬剤の有効性や、認知機能への影響等を解析します。対象群として、認知症診断されている患者についての、もの忘れ外来のデータベースを利用し、比較検討します。また、受診時に施行している問診表を基に診断に有効な項目を抽出し、新規の問診表の作成を試みます。

7.研究期間

2023年3月10日 ~ 2025年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

  • 2020-2023年にてんかんと診断されている患者
  • 国立長寿医療研究センターを受診した患者
  • 高齢者てんかん外来、もの忘れ外来、脳神経内科外来で十分な経験を持った医師により診断された患者、対照として、てんかん以外の診断の患者

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所など)を削除した状態で抽出しています。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータについては脳神経内科部にて、対応表については脳神経内科部にて、保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかに紙媒体の情報はシュレッダーで裁断し、再現不可能な状態にした上で破棄し、電子媒体の場合は、物理的に破壊してデータ読み取り不可能にした上で適切にデータを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

利益相反はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら下記のお問い合わせ先まで御連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 脳神経内科部 医師 横井 克典

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)