ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1654
国立長寿医療研究センターでは、「長寿コホートの総合的研究(The Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan: ILSA-J)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。本研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方から直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2022年11月1日
記
「ILSA-J対象者における身体的フレイルと生活関連デジタル機器の利用に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1654)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
フレイルとは、高齢期に生理的予備能が低下することで、ストレスに対する脆弱性が亢進した状態のことであり、要介護状態や入院などの健康上の有害事象を引き起こす主要な要因の一つです。「長寿コホートの総合的研究(The Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan: ILSA-J)」では、2012年から2017年にかけて男女ともに70歳以上において身体的フレイルの有病率が低下していることを明らかにしましたが、一方で、20年後のわが国においては、平均余命の延伸に伴いフレイルの増加する可能性が指摘されています。フレイルのリスクと有病率を軽減することは、高齢者の健康寿命の延伸に重要な役割を果たすと考えられ、修正可能な要因を同定することが重要です。
近年、パソコン等を頻回に利用する高齢者は軽度認知障害のリスクが低下することが報告されており、生活関連デジタル機器などの新しい機器を利活用することは、高齢者の認知および身体的な機能を保護する可能性があります。しかしながら、新しい機器の利用と身体的フレイルとの関連を検討した報告は限られています。そこで、本研究ではJST(Japan Science and Technology Agency; 国立研究開発法人科学技術振興機構)版活動能力指標における新機器利用項目と身体的フレイルとの関連について検証することを目的とします。
高齢化を背景に、介護や支援を要する高齢者をできるだけ減らし、健康寿命を延伸することが喫緊のテーマとなっている現在、フレイル対策に向けたエビデンスの構築は重要な課題です。本研究の成果は、フレイル予防に効果的な生活関連デジタル機器の利用に関する基礎的知見を提供すると考えられます。
「長寿コホートの総合的研究(The Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan: ILSA-J)」の2017年調査に参加した男女を対象として、新機器利用と身体的フレイルとの関連を検討します。
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
2022年11月1日 ~ 2024年9月30日
「長寿コホートの総合的研究(The Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan: ILSA-J)」の2017年調査に参加した男女のうち、使用するデータに欠損のある方を除いた、約14,000名を対象者とします。
本研究は既存情報のみを用いる研究のため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、ILSA-Jデータは個人を特定できる情報を除いた状態で収集され、個人が特定できないIDにより管理されており、また、研究成果は集団として解析した結果のみを示すため、個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の情報が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
ILSA-Jの情報は個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。解析にあたっては、個人を特定できる情報を除いたデータを用いるため、解析を行う研究者も、情報がどなたのものであるかは分かりません。また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。
解析に先立ち、国立長寿医療研究センター研究責任者から、鹿児島大学の研究責任者に、個人を特定できる情報を除いたILSA-Jデータを提供します。本研究で利用する全ての情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内およびCD-R等の記録媒体に保存したうえで、それを鹿児島大学内の保健学研究科棟2階老年健康科学研究室の鍵付きロッカーで保管します。
また、本研究で利用する個人を特定できる情報を除いたILSA-Jデータなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間保管します。
ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
ILSA-Jの全ての情報は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
理事長特任補佐 鈴木 隆雄
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)(平日9時-15時)