ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1623-2
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした将来の研究に使用することについて、同意を得ております。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方から直接同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2024年9月9日
記
「骨密度と筋肉量および筋力の低下との縦断的関連:BLSA・NILS-LSAの共同研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1623-2)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
骨密度が低下した状態であるオステオペニアと、筋力および筋肉量が低下した状態であるサルコペニアは、合併して生じやすいと考えられています。また、オステオペニアとサルコペニアが合併した状態は、単独の状態よりも骨折や総死亡率などの重大な健康関連の問題と強い関連があるため、その病態を明らかにすることは超高齢社会における喫緊の課題です。
そこで本研究では、地域住民を対象とした前向きコホート研究である、米国の「Baltimore Longitudinal Study of Aging(BLSA)」および日本の「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究:National Institute for Longevity Sciences– Longitudinal Study of Aging(NILS-LSA)」の縦断データを用いて、骨密度と骨格筋量・筋力の関連を検討することを目的とします。オステオペニアとサルコペニアがどのように関連するかを明らかにすることは、骨の脆弱性と筋委縮が併存した状態や、老化に伴う運動器疾患について研究する上で重要な知見となります。また、国・人種の違いを考慮することにより、我が国のみならず、高齢化が進行する世界における有益な資料を得ることができると期待されます。
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
*上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。
*情報の提供を行う機関の名称およびその研究責任者氏名
本研究では、愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第1次調査から第7次調査(1997年~2012年)のいずれかに参加した65歳以上男女と、米国メリーランド州ボルチモア地域在住の成人男女を対象とした「Baltimore Longitudinal Study of Aging(BLSA)」の2003年以降の調査に参加した65歳以上男女を対象として、骨密度と骨格筋量・筋力の関連を検討します。
2022年7月6日 ~ 2027年9月30日
NILS-LSA:第1次調査から第7次調査(1997年~2012年)のいずれかに参加した40歳以上男女、約3,000名を対象者とします。
BLSA:2003年以降の調査に参加した40歳以上男女、約1,600名を対象とします。
NILS-LSAおよび BLSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は学会報告・論文投稿にて発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙(ニュースレター)にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
BLSAの情報は、氏名など個人を特定できる情報と、それ以外の情報に分けた状態で保管し、BLSA 研究を行うNational Institute on Aging (NIA)のデータ管理専任スタッフが管理しております。
NILS-LSAデータ、BLSAデータともに、解析にあたっては氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。また、データの結合および解析は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパソコンのみで行います。
研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。BLSAの情報は、外部からアクセスできないNIA内のサーバー内で保管します。NILS-LSAとBLSAの結合データは、国立長寿医療研究センター内の、外部からのアクセスが不可能なパスワード管理されたサーバー内に保管します。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
本研究は、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費、日本学術振興会の科学研究費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)