本文へ移動

 

文字サイズ

ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1594

倫理・利益相反委員会受付番号No.1594

「健常な状態から認知症発症, 重症化に至るまでの経時変化とその関連因子の解明に向けた探索的縦断研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1594)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター もの忘れセンター、認知症先進医療センター予防科学研究部、老年学・社会科学研究センター老化疫学研究部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた情報、および老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)の情報を用いて解析を行うものです。
国立長寿医療研究センターバイオバンクではお預かりした情報の利用にかかる包括的同意をいただいており、NILS-LSAにおいても対象者の皆様から、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした将来の研究に使用することについて同意をいただいております。そのため、 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省共管の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2022年4月6日

1.研究課題名

「健常な状態から認知症発症, 重症化に至るまでの経時変化とその関連因子の解明に向けた探索的縦断研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1594)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

国立長寿医療研究センター もの忘れセンター センター長 櫻井 孝

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター 認知症先進医療開発センター 予防科学研究部
 主任研究員 黒田 佑次郎
 研究員      杉本 大貴
国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
 部長         大塚 礼
 副部長      西田 裕紀子
 客員研究員  下方 浩史
 研究員      丹下 智香子
 特任研究員  富田 真紀子
 研究員      張 姝
国立長寿医療研究センター もの忘れセンター
 医師         岸野 義信
 特任研究員  松本 奈々恵
 特任研究員  内田 一彰

4.本研究の意義、目的

本邦では高齢化に伴い認知症高齢者が急速に増加しており 2025年には高齢者の5人に1人(730万人)が認知症を有すると推計されています。認知症の中でも最も割合が多いアルツハイマー型認知症では、個人差はありますが健常な状態から、軽度認知障害 (Mild Cognitive Impairment: MCI)、軽度認知症、中等度認知症、重度認知症と長い年月をかけて進行する場合が多くを占めます。そのため、健常な状態から認知症発症、その予後に至るまでの臨床経過およびその全体像を把握することが、認知症の発症および重症化予防のための介入を適切なタイミングで行うために重要です。しかし、日本において臨床上利用可能な参考情報はまだ少ないのが現状です。
国立長寿医療研究センター(以下、当センター)では、愛知県大府市と東浦町の40歳から79歳(初参加時)の住民を対象とした「老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」を1997年から実施しており、認知機能や身体機能、精神機能など様々な因子の調査を行っています。また、当センターでは2010年9月からもの忘れ外来が新設され、受診患者の認知機能や脳画像など詳細な医療情報が経時的に蓄積されています。2021年9月までの約11年間にもの忘れ外来に受診した患者のうちNILS-LSAの対象地域である大府市と東浦町の在住者は約1500名であり、NILS-LSAの対象者がその後当センターもの忘れ外来に受診している可能性は十分に考えられます。
そこで本研究は、NILS-LSAデータともの忘れ外来データを統合したデータベースを作成し、健常な状態から認知症発症、重症化に至るまでの経時変化とその関連因子を検討することを目的とします。

5.本研究に使用する情報

本研究では、もの忘れ外来における通常診療で得られた情報、およびNILS-LSAの調査において得られた情報を使用します。もの忘れ外来における診療情報は、バイオバンクから提供を受けます。もの忘れ外来データには、受診時に収集した情報 (主に病名、年齢、性別、認知機能、身体機能、脳画像、血液検査の結果、ApoE情報、体組成、栄養状態など) が含まれます。NILS-LSAデータにおいても同様に、調査時に収集した情報 (主に病名、年齢、性別、認知機能、身体機能、脳画像、血液検査の結果、ApoE情報、体組成、食物摂取量、栄養状態など) が含まれます。
今回、これらの情報を統合したデータベースを作成し、対象者の方の認知機能や身体機能、精神機能など様々な機能の経時的な変化を調査します。また、その経時的な変化や認知症発症に関連する因子も調査します。

6.本研究の方法

NILS-LSA調査に参加し、その後当センターもの忘れ外来に受診した患者さんを対象とし、その患者さんの情報を分析します。

7.研究期間

2022年4月6日~2032年3月31日

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

本研究の対象者は、2010年9月1日から2031年3月31日までにもの忘れ外来に受診した患者さんの中で受診以前にNILS-LSA調査に参加した方です。また、本研究では前述の対象者とは別に対照群も設定する場合があり、その場合はもの忘れ外来に受診せず長期的なフォローが可能であったNILS-LSAの参加者も本研究の参加者として含めます。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

国立長寿医療研究センターバイオバンクに収集されている情報、およびNILS-LSA調査において収集されている情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには、その研究結果に含まれるあなたの情報を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、当センターのホームページや学会発表、論文投稿などにて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究では、もの忘れ外来に受診した患者さんの診療情報を、国立長寿医療研究センターバイオバンクより分譲を受けて使用いたしますが、匿名化されたうえで研究者に提供されています。研究者に提供された試料・情報がどなたのものであるかが分かる対応表はバイオバンクのみが保有しており研究者に提示されることはありません。NILS-LSAにおいても、対象者の情報は匿名化した状態で保管されております。データ統合の際には、対象者の「氏名・性別・生年月日」の情報を使用しますが、データ結合後は氏名・生年月日は消去し、匿名化した状態で結合データを保管・解析します。尚、対象者からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータと本研究のIDとの対応表を作成していますが、国立長寿医療研究センター内の本研究に直接関わらない者が厳重に保管します。研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも個人を特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で利用する全ての情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター老化疫学研究部、認知症先進医療開発センター予防科学研究部、およびもの忘れセンター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。また、本研究で利用する匿名化された統合データベースおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなども研究終了後も10年間は同サーバー内に保管します。特定の個人を識別可能なデータと本研究のIDとの対応表に関しては、国立長寿医療研究センター内の本研究に直接関わらない者が研究終了後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。研究期間終了から10年後以降は、当該研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

研究資金は、以下の研究資金によりまかなわれています。本研究の計画・実施・報告・作成するデータベースおよび結果の解析と解釈に影響を及ぼすような利益の衝突は存在しません。この研究に関する利益相反に関しては、当センターの利益相反対処方針に従い、利益相反行為防止規則を遵守し、適正に本研究を実施します。
 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 長寿医療研究開発費 (21-18)
  代表:大塚 礼
  老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)の活用と追跡調査
 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 長寿医療研究開発費 (22-2)
  代表:櫻井 孝
  認知症予防と栄養・代謝、がんに関する研究 〜1次予防から3次予防を考える~

16.遺伝情報の開示および遺伝カウンセリング

本研究では、アルツハイマー病に関連する可能性があるApoEフェノタイプという遺伝子の情報を利用しますが、その結果は、対象者本人、ご家族、主治医には開示しません。その理由は、認知症に関連する遺伝子異常が判明しても、今の医学では遺伝子異常を治療できる可能性が低く、遺伝子の情報によって治療方針が変わらないからです。また、遺伝カウンセリングは実施しません。

17.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究に対するお問い合わせがございましたら下記のお問い合わせ先まで御連絡ください。研究責任者が対応いたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
もの忘れセンター センター長 櫻井 孝

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)