ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1580
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした将来の研究に使用することについて、同意を得ております。
この度、国立長寿医療研究センターにおいて、「NILS-LSA対象者における血球検査の基準値、貧血罹患率ならびに、その臨床的アウトカムに及ぼす影響」を実施することとなりましたので、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2022年2月21日
記
「NILS-LSA対象者における血球検査の基準値、貧血罹患率ならびに、その臨床的アウトカムに及ぼす影響」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1580)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
勝見 章(国立長寿医療研究センター 血液内科部 部長)
大塚 礼(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長)
西田 裕紀子(国立長寿医療研究センター 研究所老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長)
下方 浩史(国立長寿医療研究センター 研究所老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 客員研究員)
【背景】
貧血は、WHO(世界保健機関)では男性でヘモグロビン13.0g/dl未満、女性でHb12.0g/dl
未満と定義されています。しかしながら、日本人における貧血の基準値や高齢の方の何割が
貧血状態なのかという報告はほとんどありません。海外では、高齢者の貧血は転倒、認知力
低下、うつ状態、フレイル、死亡率等との関連が報告されています。
【目的】
(1)地域の中高齢者を対象とした縦断的な疫学研究(NILS-LSA)における血球検査の基準
値同定と貧血罹患率推定を行います。
(2)貧血の死亡、要介護認定情報におよぼす影響を明らかにします。
【意義・研究の科学的合理性の根拠】
本研究を遂行することにより、日本における貧血の基準値と、貧血の罹患率、貧血の死亡率
等への影響についての知見が期待されます。
本研究では、情報のみを使用し、試料は使用しません。
すべての変数に関して、NILS-LSA第5次調査および第7次調査の両方のデータを用います。
調査開始時に40歳以上の中高齢者のすべての参加者を対象とします。
使用する情報:
・死亡(人口動態統計の2次利用)、要介護認定情報
・血球検査値(白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、
血小板数)
・年齢、性別、現病歴および既往歴、薬剤治療(経口糖尿病薬服用、糖尿病の薬)、月経
(月経以外の出血)
・服用薬物調査:ホルモン剤(タンパク同化ステロイド剤、副腎ホルモン剤、混合ホルモン
剤)、代謝性医薬品(ビタミンB剤(B1除く))、滋養強壮薬(無機質製剤)、糖尿病用剤、
インスリン、経口糖尿病薬、腫瘍用薬、 化学療法剤、生物学的製剤(血液製剤類)
・検査値:クレアチニン、高感度CRP、鉄、フェリチン、銅、甲状腺機能、身体計測・身体組成
・検査:身長、体重、BMI、喫煙歴、飲酒歴
2022年2月21日 ~ 2025年3月31日
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第5次調査(2006年~2008年)と第7次調査(2010年~2012年)のいずれかに参加した40歳以上の男女のうち、解析に必要なデータに欠損のある方を除いた、約2,500名を解析対象者とします。
NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また、研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の検査結果を、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。
ただし、ご連絡をいただいた時点で、学会報告や論文等ですでに研究結果が公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また、研究成果の内容によっては、ホームページ掲載や広報紙にて、研究対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報と試料は匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回、転居や死亡などの追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータ並びに学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。
尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は、個人が特定されない状態で完全に消去します。
本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費および日本学術振興会の科学研究費補助金を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)