ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1560-2
国立長寿医療研究センター循環器内科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2023年8月22日
記
「知多半島心臓リハビリテーション多施設観察研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1560-2)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
知多半島では、一つの地域として循環器領域、中でも心臓リハビリテーション(以下、心リハ)において、医師、理学療法士を中心に、定期的に勉強会を行い情報共有し、レベルアップを図っております。特に、半田市立半田病院、西知多総合病院などは、心リハに力を入れており、都市部でない知多半島の地域在住の心疾患患者さんに対して、心リハを行っている共通点があります。どの施設も心リハを熱心に取り組んでいるものの試行錯誤でもあり、その成果を発信できる体制にまでは至っていないのが現状です。そこで、当センターが中心となり、知多半島で心リハの情報を共有し、多施設共同研究を行うことにより、この地域の心リハの臨床的なレベルアップを図り、研究成果を高めていくことが目的です。
このような背景から、本研究では循環器疾患で入院した高齢者(65歳以上)の方を対象として、退院時、4ヵ月後にフレイルを評価し、心予備能とフレイルの評価項目との関連を調べ、入院中および退院後の心リハを含めた包括的治療によりフレイルの回復状況を確認します。高齢循環器疾患患者さんでは、不整脈の増悪、貧血、腎機能悪化など内因的要因から、家庭環境、喫煙、服薬状況などの外的要因を合わせて、フレイルが悪化する症例が存在します。さらに1年後の予後追跡調査を行うことにより、退院時、4ヵ月後、1年後のフレイルおよび病状改善程度が予後にどのような影響を及ぼすのか調査を行います。可能な限り、心肺運動負荷試験(CPX)による運動耐容能の評価を退院時、4ヵ月後に取り入れ、心予備能の指標とフレイルの指標との関連を調べます。退院後と4ヵ月後の運動耐容能、フレイルを比較し、最終的には、1年後の予後追跡調査を行い、どのような因子がフレイルの悪化や予後の予測因子となるか調査を行います。
年齢、性別、既往歴、居住地、生活歴、教育歴、心リハ実施状況
本研究では、循環器疾患を抱えて入院した患者さんの、退院時における運動耐容能およびフレイルを評価し、可能な方は外来でリハビリを行い、退院4ヵ月後、1年後に再び同じ評価を行うものです。また1年後に予後追跡調査を行います。
本研究で当センターのデータは、別の研究課題No.1272(課題名:循環器疾患を有する高齢患者のフレイルの進行予防における観察研究)の取得した既存のデータを、2次利用いたします。
循環器疾患により当センターに入院し、重篤な合併症が無く、現在治療により安定している患者さんを対象者としています。
既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・患者ID番号など)を削除した状態で抽出しています。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は、研究に使用する抽出データとは別にされ、各施設内にて厳重に保管されます。
また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。当センターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。患者情報はすべて各登録施設内で匿名化され、当センターに送付される臨床情報にはすべて匿名化された収集データのみを記載し、個人を同定できる情報は記載されません。解析を行う際には収集データのみを参照し、解析を担当する者が個人を同定できる情報を取り扱うことはありません。抽出したデータ、匿名化されたデータについては各施設の循環器内科にて、識別コードと患者を連結する対応表は、各施設の研究責任者が管理し、研究に関係しない第三者が施錠保管します。情報提供の記録は研究計画書をもって代用とし、研究終了報告後10年経過したのち紙媒体はシュレッダーで、USB等の電子媒体は物理的に廃棄します。
本研究は長寿医療研究開発費を用いて実施しますので、本研究による内外の利益団体は存在しません。また、本研究遂行による研究機関・研究者個人の利益はありません。なお本研究において特許などの知的財産権が生じた際には、研究者と研究機関がその知的財産権を持つこととします。
研究に対するお問い合わせがございましたら、下部のお問い合わせ先まで御連絡ください。研究責任者が対応いたします。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
循環器内科部 医長 平敷安希博
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)