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倫理・利益相反委員会受付番号No.1551

「NILS-LSAデータを利用したアドバンス・ケア・プランニングの普及・推進に向けた死生観の解明に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1551)」:人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした将来の研究に使用することについて、同意を得ております。
 この度、国立長寿医療研究センターにおいて「NILS-LSAデータを利用したアドバンス・ケア・プランニングの普及・推進に向けた死生観の解明に関する研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2021年11月4日

1.研究課題名

「NILS-LSAデータを利用したアドバンス・ケア・プランニングの普及・推進に向けた死生観の解明に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1551)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

丹下 智香子(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 研究員)

3.研究分担者名(部署名)

大塚 礼(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長)
西田 裕紀子(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長)
富田 真紀子(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 研究員)

4.本研究の意義、目的

各個人が最期まで本人らしく、よりよく生きることを可能にするよう支援することを目標とした「アドバンス・ケア・プランニング(ACP:人生の最終段階を含めた将来の医療・ケアに関する本人の要望や、本人の価値観、信念、人生観、死生観や人生の目標などを理解・尊重し、支援・実践することを目標として行われる、本人・家族等と医療・ケアチームによる話し合い/共有の継続的なプロセス)」の普及・推進が求められています。
このACPを行う際に共有されるべき重要な情報の一つとして、個人が持つ「死に対する態度(死生観)」が挙げられます。成人中・後期において死の主題に取り組むことは、「よりよく生きる」ための重要な課題であると考えられていますが、死に対する態度の発達的変化に関しては、解明されていない部分がたくさんあります。
また、ACPは諸条件の変化により、本人の希望する医療・ケア等が変わり得ることを前提に、継続的に実施することを想定しています。そのため、ACPの普及に向けては、死に対する態度がライフイベント(死別、疾患の罹患等)や心身の健康状態の変化によって、どのような影響を受けるのかを解明する必要があります。
そこで本研究では、将来的なACPの普及に資する知見を提供することを目的として、成人中・後期における死に対する態度の縦断的変化について、心身の健康状態やライフイベント、心理的発達等の影響も考慮しつつ検討を行います。
多死社会が進行する中でのACPの普及には、特に成人中・後期者の死生観を含む知見の蓄積が不可欠であります。本研究により、人が最期まで能動的に、よりよい人生を生きるために役立つ、死生観に関する基礎的かつ有用な資料を提供できると考えられます。
また、将来的なACPの普及への寄与を通して、終末期を迎える人の家族の心理的負担の軽減や、本人が望まない医療ケアの抑制による医療費削減につながることも期待されます。

5.本研究に使用する情報

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第1次調査(1997年~2000年)・第3次調査(2002年~2004年)・第5次調査(2006年~2008年)・第7次調査(2010年~2012年)・第8次調査(2013年~2016年)・第9次調査(2018年~2022年予定)のいずれかに参加した40歳以上の男女を対象として、死に対する態度の縦断的変化およびその変化に対する心身の健康状態やライフイベント、心理的発達の変化の影響を明らかにします。

6.本研究の方法

・死に対する態度(第1次・第3次・第5次・第7次・第8次・第9次調査)
・ライフイベント(続柄別の死別体験、傷病経験)、身体的健康状態(既往歴、フレイル判定、
 生活機能)、心理的健康状態(抑うつ症状、認知機能、自尊感情)、心理的発達、幸福感
 (第1次-第9次調査)
・死亡情報(人口動態調査の2次利用申請)、要介護情報(地方自治体との協定により取得)
・その他:性、年齢、婚姻状況、居住形態、教育歴、経済状況、就労状況、社会活動、
 社会的関係、パーソナリティ、生活習慣(第1次-第9次調査)
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。

7.研究期間

2021年11月4日 ~ 2025年 3月 31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第1次調査(1997年~2000年)・第3次調査(2002年~2004年)・第5次調査(2006年~2008年)・第7次調査(2010年~2012年)・第8次調査(2013年~2016年)・第9次調査(2018年~2022年予定)のいずれかに参加した各調査時点で、40歳以上の男女約3750名を対象とします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また、研究成果は集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
研究期間の途中であっても構いません。情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。
ただし、ご連絡をいただいた時点で、学会報告や論文等ですでに研究結果が公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿にて発表します。また、研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回、転居、死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。
尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。
本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費および日本学術振興会の科学研究費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター 
老化疫学研究部長 大塚 礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)(平日9時-15時)