ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1550
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。
NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
この度、国立長寿医療研究センターにおいて「NILS-LSA対象者におけるMRIで水頭症の所見を有する者の背景要因と自然経過についての症例対照研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2021年9月10日
記
「NILS-LSA対象者におけるMRIで水頭症の所見を有する者の背景要因と自然経過についての症例対照研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1550)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
文堂昌彦 国立長寿医療研究センター 脳神経外科部 部長
大塚礼 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長
西田裕紀子 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長
下方浩史 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 客員研究員
先行研究において、地域高齢者の1.5~2.3%の方にMRI脳画像上で特発性正常圧水頭症の所見がみられ、そのうち約半数の方は特発性正常圧水頭症らしい神経症状がないことがわかっています。そして、無症状な方を4~8年追跡すると、25%の方が症候性になると報告されています。特発性正常圧水頭症では髄液シャント手術が唯一の治療法ですが、患者や家族にとっての利益が必ずしも保証されていません。したがって、軽症のうちでの対策が肝要と考えられます。そこで、特発性正常圧水頭症の病態概念をより明確に整理し、治療戦略(特に早期治療戦略)を構築する研究プログラムを実施します。
本研究は、この研究プログラムの一部として、NILS-LSAで収集されたデータに基づき、地域住民の老化過程において、主に発症前期、軽度障害期の特発性正常圧水頭症が発生する頻度と背景を明らかにすることを目的とします。
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第6次調査の参加者(65歳以上)において、以下を検討します。
これにより、地域住民の老化過程において、特発性正常圧水頭症が発生する頻度と背景を明らかにします。
目的変数:MRIにおける水頭症所見およびその変化(第1次調査~第8次調査)
説明変数:既往歴(脳血管疾患、心血管疾患、脂質代謝異常、糖尿病)、生化学的指標(コレステロール値、血糖値)、生活機能(老研式ADL)、視力、聴力、身体機能(握力、歩行速度)、認知機能(MMSE)、栄養摂取状況(エネルギー摂取量)(第1次調査~第8次調査の該当項目)
その他の変数:性、年齢、生活習慣(喫煙・飲酒)(第1次調査~第8次調査の該当項目)
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
2021年9月10日 ~ 2023年3月31日
NILS-LSA第6次調査(2008年~2010年)に研究参加同意された、各調査時点で40歳以上の男女約2,300名のうち、65歳以上で研究に使用するデータが揃った方、約1,000名を対象者とします。
NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿、また研究成果の内容によってはホームページ掲載を通して発表します。
他の対象者の個人情報保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報と試料は、匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第3者が保管しております。
解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。
また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第3者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。
ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)