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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1525

倫理・利益相反委員会受付番号No.1525

「NILS-LSA対象者における体組成およびアディポサイトカインと認知機能低下との関連性の検討(倫理・利益相反委員会受付番号No.1525)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした医学系研究を実施しております。
 NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした将来の研究に使用することについて、同意を得ております。
 この度、国立長寿医療研究センターにおいて「NILS-LSA対象者における体組成およびアディポサイトカインと認知機能低下との関連性の検討」を実施することとなりましたので、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2021年6月14日

  1. 研究課題名
    「NILS-LSA対象者における体組成およびアディポサイトカインと認知機能低下との関連性の検討」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1525)
    本研究課題は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称および研究責任者の氏名
    杉本 大貴(国立長寿医療研究センター 認知症先進医療開発センター 研究員)
  3. 研究分担者名
    櫻井 孝(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター センター長)
    木村 藍(国立長寿医療研究センター メディカルゲノムセンター 特任研究員)
    佐治 直樹(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 副センター長)
    内田 一彰(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 特任研究員)
    大塚 礼(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長)
    西田 裕紀子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長)
    丹下 智香子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 研究員)
  4. 本研究の意義、目的
    人口の高齢化に伴い認知症患者は急速に増加し、急増する認知症患者が大きな医療・社会問題になっており、認知症発症予防および進行予防の手段を得ることが喫緊の課題となっています。これまでの研究では肥満やBMI、脂肪量などの体組成と認知機能低下の関連が検討されていますが、統一した結果は得られていません。また、体組成や脂肪組織の機能は加齢だけでなく、性別や人種によって異なっているため、BMI30以上の高度の肥満を多く含む諸外国のデータをそのままアジアや日本人の対象者にあてはめることは難しく、われわれ日本人を対象としたデータを蓄積する必要があります。
    加えて、体組成と認知機能低下との関連の背景には、脂肪組織から分泌されるレプチン*1やアディポネクチン*2などのアディポサイトカイン*3の関与が考えられています。そこで本研究では、加齢に伴い低下するアディポサイトカインの分泌能の影響も考慮して、地域在住高齢者を対象として体組成およびアディポサイトカインと認知機能の変化の縦断的関連性について、詳細に検討することを目的とします。
    本研究により、体組成やアディポサイトカインと認知機能低下との関連性が明らかになることで、認知症の前臨床期における体重減少と認知機能低下の関連について、体組成という観点から新たな知見を得ることができます。また、高齢期の認知機能低下予防のための新たな健康戦略を提言することができ、認知症予防およびケアに重要な貢献ができます。加えて、本研究は厚生労働省より認知症対策として策定された新オレンジプラン、7つの柱の(6)「認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発およびその成果の普及の推進」に寄与すると考えられます。
    用語解説
     *1レプチン:脂肪組織から分泌され、食欲の抑制に働くホルモン
     *2アディポネクチン:脂肪組織から分泌され、抗動脈硬化作用を有するホルモン
     *3アディポサイトカイン:脂肪組織から分泌される、脂質や糖の吸収を円滑にする働きを持つ
         物質の総称
     
  5. 本研究の研究計画
    愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第2次調査、あるいは第5次調査に参加した60歳以上の男女の、体組成に関するデータとアディポサイトカインに関するデータ、認知機能データを解析して、体組成およびアディポサイトカインと認知機能低下との関連を明らかにします。
  6. 本研究で使用する試料・情報
    ○認知機能にかかわる情報
    ・MMSE(Mini-Mental State Examination):第2次調査~第7次調査
     認知機能低下を判定するための検査。
    ・WAIS-R-SF (Wechsler Adults Intelligence Scale-Revised-Short Form):第2次調査~第7次
     調査
     WAIS-Rという知能指数(IQ)を測定するための検査の短縮版。
    ・WAIS-R数唱(Wechsler Adults Intelligence Scale-Revised数唱):第3次調査~第7次調査
     WAIS-Rという知能指数(IQ)を測定するための検査のうちの1項目で、数字を読み上げる検
     査。
    ○体組成にかかわる情報
    ・体格指数、臍位ウエスト、CTによる腹腔内脂肪面積、CTによる皮下脂肪面積、DXAによる身体
     組成:第2次調査、第5次調査
    ・レプチン:第5次調査
    ・アディポネクチン:第5次調査
    ○その他
    ・ApoE遺伝子多型、年齢、性別、教育歴、現病歴および既往歴、喫煙、抑うつ、通常歩行速度、
     歩数:第2次調査、第5次調査
    *本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
  7. 研究期間
    2021年6月14日 ~ 2024年3月31日
  8. 対象となる方・研究対象者として選定された理由
    NILS-LSA第2次調査(2000年~2002年)、あるいは第5次調査(2006年~2008年)に参加した60歳以上の男女約1,500名を対象とします。
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益
    NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
    対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
  10. 研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について
    対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
    情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
  11. 本研究に関する情報公開の方法
    この掲示により本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿、また研究成果の内容によってはホームページ掲載を通して発表します。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    他の対象者の個人情報保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い
    NILS-LSAの情報と試料は匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
    解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
    また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
  14. 試料・情報の保管および廃棄の方法
    本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
  16. 研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応
    本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター 
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)(平日9時-15時)